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【オーデマ ピゲ150周年記念】銀座で歴史をたどる「ハウス オブ ワンダーズ展」開催中

“ラグジュアリースポーツ”のカテゴリーを確立し、世界中に支持者の多いスイスの名門ウォッチメゾン「オーデマ ピゲ」。 入手困難なモデルも多いほど、絶大な人気を誇る理由や、特別なブランドであるゆえんは? その答えがわかる展覧会が2026年4月30日まで開催されている。

展覧会の見どころをダイジェストでご紹介

「オーデマ ピゲ」は、スイスのオートオルロジュリー マニュファクチュールで知られているメゾンだ。時計愛好家なら解説するまでもないが、“オートオルロジュリー”は“高級時計”で、“マニュファクチュール”は“自社一貫生産”の意味。今回は、その高級時計が生まれた地を旅したような気分を味わえる没入型の展示が話題を呼んでいる。

開催の意図は、創業150周年を迎えた記念。そのため、まず旅の始まりは創業地であるスイス・ジュウ渓谷のル・ブラッシュにある工房を模したゲートから始まる。銀座・並木通りに位置した建物に、2フロアにわたって構成されたテーマ別のコーナーを回遊することで、ブランドの過去・現在・未来へと誘うユニークな展示内容になっている。期間限定であることが惜しく思えるほど、見応えがある。

時計愛好家はもちろん、初めてオーデマ ピゲに触れる人でも楽しめる“時のランドマーク”の詳細を、次からブランドの神髄と共にご案内していきたい。

第一・二の部屋:「ハウス オブ ワンダーズ」&メゾンの歴史をたどる「時のギャラリー」

創業者が1907年にブランド初のマニュファクチュールとして建て、現在も本社として使用している建物を模した「ハウス オブ ワンダーズ」の扉がユニーク

第一の部屋である「ハウス オブ ワンダーズ」のゲートを抜けて最初に現れるのは、黒と緑を基調としたライブラリーのような場所「時のギャラリー」。1875年の創業時へさかのぼって歴史に触れることになる。“家族”や“人”がテーマで、創業者から現代までをたどった家系図や当時の工房に掲げられていた看板など、数々のアーカイブ資料のレプリカや写真に囲まれたような空間で、その始まりを感じられる。

重厚感とコンテンポラリーな雰囲気を併せ持つ空間
ファミリーのポートレート
幻想的なファミリーツリーは必見
アーカイブ資料も豊富

ここでぜひ知っていただきたいことが二つある。

①オーデマ ピゲというメゾンが二つのファミリーから始まったこと。ジュール=ルイ・オーデマとエドワール=オーギュスト・ピゲの2人によって創業された。

②基本的に本社が変わらず創業地のル・ブラッシュにあること。

これが何を意味するかというと、ファミリービジネスを貫いていること。そして、最初から自社で一貫してものづくりを行っているマニュファクチュールの姿勢を崩していないということだ。マニュファクチュールの線引きをどこに設けるかというと、「部品まで自社で生産している」ということになる。他社からの影響を受けにくいファミリービジネスかつ、どんな小さな部品までをも自社で開発して作ることができる卓越した技術があるため、自分たちが納得できる時計づくりを行ってこれたのである。だからこそ、審美眼のある時計愛好家たちをも満足させられるウォッチコレクションを生み出し続けているというわけなのだ。

第三の部屋:時計づくりのプロセスを知る「機械のひみつ」

天井のムーブメントは動き出しそうな雰囲気

歴史に触れた後は、実際に「オーデマ ピゲ」の時計が誕生する過程に触れることができる。天井に時計のムーブメントを表した大きな照明が掲げられ、まるで時計の中に入り込んだ気分に誘われる。

中央にある円形のカウンターには、時計の中に収められているパーツが並び、スタッフの解説とともに、一つのムーブメントが完成される過程を学ぶことができる。並ぶのは小さな小さな部品たち。時計の心臓部で、1秒間に数回鼓動をして歯車、ゼンマイ、針などこれら数百もの部品をそれぞれのリズムで動かすことを想像するだけでも、いかに高度な技術が必要かを感じられるはずだ。

ここで注目してほしいのは、パーツの仕上げ。展示会場にはルーペが用意されているので、ぜひそれを使って細部までご覧いただきたい。

最初に述べた“オートオルロジュリー”の決め手は、ここにあるともいえる。一般に、部品の仕上げは機械で行う方法と職人が手作業で行う方法があるが、この手作業によって品質に大きな差が出てくる。普段は文字盤の下に隠れて見えない部分ではあるが、工房の職人たちは命懸けで仕上げている。普通にやすりをかけると丸くなるようなところを、きちんと角を出してシャープに仕上げる技なども、簡単なように見えて熟練の技が必要だ。以前、実際に工房の職人に話を聞いたことがある。「なぜ、見えない部分にもそこまで心血を注ぐのか」と。その時かえってきた言葉は「神さまが見ているから」だった。祈りにも似た気持ちで仕上げられた何百ものパーツが「オーデマ ピゲ」のタイムピースを特別にしているのだ。

第四の部屋:VR体験が楽しめる「アイデアの旅」

時計の内部を観察した後は、2階のフロアへ。ここでは「オーデマ ピゲ」の前衛性とクリエイティビティにフォーカスしたバーチャル体験ができる。ジュネーヴのVR制作会社、ドリームスケープとのコラボレーションにより実現できたものだ。

最近はVR体験を通して工房の様子を見学できる機会も増えているが、最先端のフルトラッキング技術(VR空間でゴーグルを着用した人の全身の動きをを再現する技術で、より没入感を楽しめる)を活用した、この展覧会のプログラムのユニークさには驚かされた。ここから先は、実際に訪れた人のお楽しみにとっておきたい。

第五の部屋:最新作からアーカイブまでが並ぶ「デザインの金庫室」

金庫の扉をくぐって作品の展示へ
ぜひ一点ずつ、しっかりと貴重なラインアップを目にしてほしい

展覧会のハイライトになるのが、最後のコーナーだ。金庫室という名前の通り、実際に金庫の扉の向こうには最新のモデルから貴重な15点のアーカイブピースまで、常時50点ほどが並ぶ。今回、日本でお披露目されるのが初めてというモデルもあり、オーデマ ピゲをよく知る人も興奮するはずだ。

この金庫室に並ぶピースを見る前に知っておいてほしいのは、次の三つ。

①150年という歴史は革新に満ちた歴史であったこと。“老舗”と呼ばれるようになるほど息が長いメゾンは、どこよりも早く時代の空気を取り入れ、革新に余念がない。また、ファミリービジネスだから、それがタイムラグなくできる環境にあることを思い出してほしい。

②コラボレーションにも積極的であること。「オーデマ ピゲ」は、「アイアンマン」や「キャプテン・アメリカ」「ブラックパンサー」など数々のキャラクターコンテンツを発信する「マーベル」や、現代アーティストの「KAWS」とのパートナーシップなど、意外性のある作品を生み出している。アーティストの支援に力を入れており、アートバーゼルという世界的な芸術の祭典に出展し、スイス・モントルーのジャズフェスティバルのサポートも行っていることも記しておきたい。

③レディスウォッチの充実。現在でも、ジュエリーの技術を採用したフロステッドゴールド加工を施したタイムピースが人気だが、レディスウォッチは以前からバリエーションが豊富にそろう。実は、「オーデマ ピゲ」は創業後、70年ほどはほとんどユニークピースを手がける工房だった。いわば、こだわりを持つ人たちのあらゆる要求に応えてきたわけだ。その際に、注文主の妻が一緒にオーダーをすることも多く、発展してきた。女性用の腕時計を手がけていると時計のケースを薄く作ることが得意になる。「オーデマ ピゲ」のタイムピースの着け心地がよい理由の一つは、こういったところに見ることができる。早くから女性が活躍するメゾンとしても知られていて、現在のCEOは女性である。

そして、展示作品の中で豊富なバリエーションを見せるアイコンウォッチの一つ「ロイヤル オーク」。1972年に、時計界のピカソと呼ばれているデザイナーのジェラルド・ジェンタによりデザインされた、初のステンレススティール製ラグジュアリースポーツウォッチだ。実は、このデザインは一晩で生まれたとされ、その着想源は幼少期に見た潜水夫の姿であるという逸話が残されている。

丁寧に見ていけば、1時間ほどの「オーデマ ピゲ」を巡る“ワンダー(驚き)”の旅。受け継がれるクラフツマンシップや革新性、芸術性、意外性などさまざまな発見に満ちた充実した時間を過ごせること間違いない。

text: Rica Ogura

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オーデマ ピゲ 150 周年記念ハウス オブ ワンダーズ展
開催期間:2026年4月30日(木)まで
時間:11:30~19:30 (最終入場 18:30)
住所:東京都中央区銀座 6-7-12
※入場無料(予約優先)
お問い合わせ:特別展事務局 tel. 03-6830-0025
*予告なく開館時間・休館日が変更になる場合があります。
予約ページ:https://aplb.ch/a0968e8a-f890-4a78-be9c-58ebb3555b90

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