「大阪・関西万博」がいよいよ開幕! 森の中のパビリオン「Better Co-Being」とは?
2025.4.10

4月に開幕する「大阪・関西万博」。個性的なパビリオンが続々と建設されている。中でも注目を集めているのが「Better Co-Being」だ。プロデューサーの宮田裕章が込めた思いは?
2025.4.10

4月に開幕する「大阪・関西万博」。個性的なパビリオンが続々と建設されている。中でも注目を集めているのが「Better Co-Being」だ。プロデューサーの宮田裕章が込めた思いは?
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大阪で大規模な万博が開催されるのは55年ぶり。1970年にアジアで初めて開かれた大阪万博は、日本の高度経済成長を象徴する一大イベントだった。そして2025年、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げ、大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)が「未来社会の実験場」となる。未知の技術や製品と出会い、生活が進化するきっかけの場だ。

半年間の会期中、約160の国・地域が参加し、最先端のテクノロジーや独自の文化を紹介する。とりわけ話題を呼ぶのはパビリオン。47カ国・42棟の「万博の華」とも呼ばれるタイプAの海外パビリオン、日本館をはじめとした国内パビリオンのほか、期待が高まるのが「シグネチャーパビリオン」だ。世界最大級の木造建築物「大屋根(リング)」の中心に、8人のプロデューサーが「いのち」と向き合うパビリオンを展開する。参加するのは、宮田裕章、石黒浩、中島さち子、落合陽一、福岡伸一、河森正治、小山薫堂、河瀨直美。各界で活躍する8人がそれぞれの視点で「いのち」を表現する。
データサイエンティストで慶應義塾大学教授の宮田が手がけるのが、「Better Co-Being」。万博会場の中央に、約1500本の樹木が植えられた「静けさの森」が広がる。その緑地に隣接する「Better Co-Being」は、屋根も壁も持たず、森と溶け合うように存在する。建築デザインはSANAA(サナア)だ。

パビリオン内にはアートが点在する。キュレーションは金沢21世紀美術館館長の長谷川祐子が担い、アーティストの塩田千春や宮島達男が参加。「人と人との共鳴」「人と世界の共鳴」「人と未来の共鳴」の三つのシークエンスに分かれ、鑑賞者は自然の中でアートインスタレーションを体感する。
独創的な試みが「Better Co-Beingアプリ」。鑑賞者の「立ち止まる」「解説を読む」「いいね!」といったリアクションが行動ログとして集積され、関心や価値観、鑑賞者同士のつながりが可視化される仕組みだ。数人のグループでパビリオン内を回るため、多様性を実感し、自己を見つめる機会となるだろう。森とアートが織りなす空間で、デジタル技術が新たな「共鳴体験」を生み出す。宮田はこう説明する。「同じ景色を見ていても、人は違うことを考えています。俯瞰している人もいれば、目の前にある花を見つめる人もいる。違う人の視点を知ることで、初めて見えてくる世界もあると思います」
このアプリはパビリオンを出た万博会場でも活用できる。来場者の声をAR機能で実際の風景に映し出すなど、さまざまな使い方が可能だ。「デジタルはよりよい未来のために使える手段」と語る宮田。万博をきっかけに、どんな未来が広がっていくのか。

屋根のないパビリオンでは、天気や時間によって見える風景が移り変わる。虹がかかる幻想的な空間も。「echorb(エコーブ)」と名付けられた「ふしぎな石ころ」、万博会場内でも利用できる「Better Co-Beingアプリ」……。ユニークな最新技術がどんな体験を生み出すのか、行ってのお楽しみだ。


・富山市と大阪市が「2025年 行くべき52カ所」に選出される
・活気ある街の真ん中で、世界的イベントの興奮を味わう「OMO7大阪」
2025大阪・関西万博「いのち輝く未来社会のデザイン」
期間:4月13日(日)~10月13日(月・祝)
会場:大阪市此花区の夢洲
https://www.expo2025.or.jp/
コンセプトは「未来社会の実験場」。世界中から集まったアイデアや技術を通して、持続可能な社会を展望する。会期中は音楽ライブやショーなど多彩なイベントも催され、各国の食事も楽しめる。
【雑誌『marie claire』のPDFマガジンダウンロードページ】
©︎marie claire/text: Saya Tsukahara
宮田裕章 Hiroaki Miyata

1978年生まれ。データサイエンティスト、慶應義塾大学医学部教授。専門はデータサイエンス、科学方法論、Value Co-Creation。データサイエンスなどの科学を駆使して社会変革に挑戦し、現実をよりよくするための貢献を軸に研究活動を行う。
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