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Culture

北欧のシンガーソングライター、オーロラに特別インタビュー。“ありのままの自分”でいること

ビリー・アイリッシュやケイティ・ペリー等、世界中のアーティストに多大な影響を与えているノルウェー出身の歌手、オーロラ。9月にはスーパーソニック出演のために来日を果たした彼女に、特別にリモートインタビューが叶った。

AURORA「Cure For Me」

フィヨルドと山々が囲むノルウェーの都市ベルゲン。そんな大自然の中で育ったAURORA(オーロラ)は、世界中を虜にする北欧ポップスのシンガー・ソングライターだ。彼女が作る楽曲、歌声、ファッション、発せられる言葉――その全てがユニークでいてチャーミング。彼女ほど“唯一無二”という言葉がぴったりと当てはまるアーティストはいないだろう。

今年7月に「Cure For Me(キュア・フォー・ミー)」をリリースしたオーロラに、リモート取材を決行。マグカップを片手にリラックスしつつも、一つひとつ丁寧に言葉を紡ぐ姿は、画面越しにも魅力的に輝いて、私たちの全てを受け入れてくれるような包容力に溢れていた。そして、柔らかな物腰で語ってくれたのは、力強く愛に満ちたメッセージだった。

これまで、時世や社会問題を扱ったメッセージ性の強い楽曲を数多く発表されてきました。最新曲「Cure For Me」製作の経緯は?
今まで作った中でも一番ハッピーな曲。今、世の中に悲しいことが溢れていて、その中に喜びを見出すことがとても大切だと感じているの。世界には、まだコンバージョンセラピーが存在しているけれど、そんな状況が進歩しないことはおかしいと思ってる。自分を自由に愛することを大切にするべきよ。世の中は“あなたはこうだ”と勝手に決めつけるけれど、それに従う必要はなくて、あなたはあなたのままでいい。だから、“I DON’T NEED A CURE FOR ME(=私を直される必要はない)”というメッセージを込めたの。私たちが私たちであること、自分らしさを大切にすることを歌った楽曲よ。

※転向療法のこと。個人の性的指向や性自認を変更しようとする行い。

“私を直される必要はない”と繰り返される歌詞に、多くの人が勇気づけられたと思います。“ありのままの自分”でいるためには?
この世界も人類もストレンジよね! 世の中って混乱に満ちた場所。だからこそ、人間の美しさは、生物学的にその人にしかないものを持っていると思うの。生まれながらにして持っていて、誰一人として同じものはない。それが人間という生き物の良いところだと思ってる。だからもし、あなたが“人と違う”と感じたとしてもそれは当然のこと。“私は私”という気持ちを忘れないで欲しいな。世の中には必ずあなたを受け入れて愛してくれる存在はいるし、あなたは愛される価値がある。簡単じゃないことはわかっているけれど、あなたを否定するような声はシャットアウトして。あなたが幸せになれるようにね。

新曲「Cure For Me」のMVには、ユニークな世界が広がっていますね。ポップなダンスも印象的でした。
私のMVには、毎回いろんなものを隠しているのだけれど、私のファンはとっても賢いから、そのメッセージやシンボルに気づいて理解してくれる。今回も、リンゴやクリスタルや……。あとは観た人それぞれに感じ取ってもらいたいな。そして、見どころと言えばダンス! ティム・バートン監督の映画『アリス・イン・ワンダーランド』で、ジョニー・デップ演じるマッドハッターが躍るシーンからインスパイアされているの。MV全体のテーマも催眠術にかけられたような世界観で、例えば床もその一つ。映画の中でアリスが“ある飲み物”を飲んで体が小さくなるシーンがあるのだけれど、その部屋のタイルをイメージしてセットを組んだのよ。ダンスを通して楽しんだり、お祝いしている雰囲気を受け取ってくれたら嬉しいわ。

皆が一緒に歌って踊れる日が待ち遠しいです。9月には「スーパーソニック」への出演も決まっています。日本でのライブにかける思いは?
自分の感情や悩みについて、声を大にして言いにくい仕組みや風潮があるけれど、私のライブでは泣き叫んだり、踊り狂ったり、思いっきり感情を表現して欲しい! 反対に、静かに聴いていたい人ももちろんいいわ。自分らしくあることを大切にする空間だということを感じてくれたらいいな。ライブをしていると私とファンとがコネクトして、ひとつの家族として一緒にいるような感覚になるの。

海外アーティストを迎えてのライブは久々の開催です。日本のファンも来日を心待ちにしています。
日本の皆は元気かな? 今、とても大変な状況を乗り越えている最中で、身近に話しを出来る人がいるならとても素敵だし、もしいないとしても、素晴らしい音楽などを通して心を癒してくれたらいいな。私が日本のファンに伝えたいのは、“皆をとても誇りに思っている”ということ。一人でいる時間が長いかもしれないけれど、一人で生き抜いてきたことを私はちゃんと見てる。あと少し待っていれば、また素敵なことがたくさん始まるはず。世の中がまたオープンになっていくことを、一緒にお祝いできたら嬉しいな。海外の他のアーティストたちの代わりに伝えたいのは、皆すごく日本に戻りたいと思っているということよ。

“ありのままの自分”であろうとすると、時に、攻撃的な悲しい声を浴びることもある。決して簡単なことではない。それを誰よりも理解しているからこそ、オーロラの歌は人々の心に寄り添い、私たちをあたたかく励ましてくれるのかもしれない。正直に、率直に愛を発信し続ける彼女が描くのは、なんの区別もなく人類皆が愛し、愛される未来。インタビューの最後にオーロラは、こんな言葉を贈ってくれた。

「皆のことを愛してる。見た目やセクシャリティ、宗教や思想、肌の色……。そういったことは関係なくて、あなたには本当にたくさんの価値があるということを忘れないで」

■プロフィール


AURORA(オーロラ)


ノルウェーのシンガー・ソングライター。2016年リリースのデビュー・アルバム『ALL MY DEMONS GREETING ME AS A FRIEND』は、彼女を超自然的なものを描くことを恐れないアーティストとして位置付け、数々の音楽メディアから賞賛を受けた。’19年公開のディズニー映画『アナと雪の女王2』では“不思議な声”役として声の出演を果たし、劇中歌「イントゥ・ジ・アンノウン」にもフィーチャリング参加。同年に日本で行った2日間の単独ツアーは即日完売。日本の熱いファンの思いに応え、今年9月開催のスーパーソニック出演のために再来日する。


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photo: © Universal Music. 


interview: Miyuka Abe, Rina Yanagisawa / text: Rina Yanagisawa

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