夫と死別し65歳で映画の道へ。漫画『海が走るエンドロール』で触れる、人生を変える力
2024.7.27

(C)たらちねジョン(秋田書店)2021
たらちねジョンが描く漫画『海が走るエンドロール』は、1巻発売直後にX(Twitter)上に掲載された第1話が話題を呼び、漫画好きが選ぶ漫画ランキング「このマンガがすごい!2022」オンナ編1位に躍り出た。2024年6月までに累計販売部数100万部を突破、人気の勢いが増すばかりの注目作だ。
2024.7.27

(C)たらちねジョン(秋田書店)2021
たらちねジョンが描く漫画『海が走るエンドロール』は、1巻発売直後にX(Twitter)上に掲載された第1話が話題を呼び、漫画好きが選ぶ漫画ランキング「このマンガがすごい!2022」オンナ編1位に躍り出た。2024年6月までに累計販売部数100万部を突破、人気の勢いが増すばかりの注目作だ。
夫と死別したうみ子は、数十年ぶりに訪れた映画館で美大生の海(カイ)と衝撃的な出会いを果たし、映画好きのうみ子が自分は「映画を撮りたい側の人間だった」と気づくことから物語が始まる。

結婚し、一児の母となり専業主婦として家族を支えてきたうみ子。65歳にして美大の映像科に入学するほど、うみ子を映画制作という大海原に駆り出したのは、海から投げかけられる数々の問いにある。「映画作りたい側なんじゃないの?」「うみ子さん映画ってどこで上映されたいですか?」「旦那さんに生き返ってほしいですか?」。海から問いを投げかけられるたびに、うみ子は周りを観察し、自問自答し、答えを出す。それを繰り返すたびに世界が鮮明になっていく。

心象風景として繰り返し描かれる波は、うみ子への問いだ。大きな問いは時に荒波を生み出すが、晴れたら漕いでいる船の場所も風景も変わっていることに気づくだろう。

美大を卒業する時には、うみ子は69歳だ。母や妻のカテゴリを飛び出し、ただの美大生になったうみ子がどこまでやれるのか。「あなたはどう思う?」そんな問いを読者にも投げかけ、情熱をもたらしてくれる。あなたの日々にも静かな波を起こしてくれる漫画だ。
text: Ayaka Kawamata
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