「ブルネロ クチネリ」能登半島地震の被災地支援。輪島塗の作品を表参道アートスペースで展示販売
イタリアのラグジュアリー ファッションブランド「ブルネロ クチネリ」は、2024年1月の能登半島地震で被害を受けた地域へのサポート活動を「能登プロジェクト」と称し、同年7月より実施。今回は第3弾として、能登半島北部の輪島市を中心に製作されている伝統工芸漆器、輪島塗の塗師・赤木明登による特別な作品を、ブルネロ クチネリ表参道店 地下2階アートスペースにて展示販売している。会期は、2026年1月31日(土)まで。
今回展示されている輪島塗の塗師・赤木明登による作品は、「ブルネロ クチネリ」らしいニュートラルカラーやニュアンスグレーを彷彿(ほうふつ)とさせる漆の色が特徴的。
作品には二つのイタリア語の名前が付けられており、一つは、“垂直の”という意味を有した「verticale(ヴェルティカーレ)」。二つ目は、“水平の”という意味を持つ「orizzontale(オリッツォンターレ)」だ。そこには、輪島塗の原点や、工芸の現在地と未来を俯瞰(ふかん)している赤木の視点が込められている。
“垂直の”という意味を有した「verticale(ヴェルティカーレ)」
「verticale」は、輪島塗をはじめ職人が代々継承してきた歴史を、「orizzontale」は、輪島塗における分業制や、同時代に生きる職人の横のつながりを表現。互いが交わるところに「工芸」があると考える、赤木の思想が反映されている。
“水平の”という意味を持つ「orizzontale(オリッツォンターレ)」
また、その水平の広がりには、その地で育まれる自然や文化、それを超えた神への畏怖が含まれており、森羅万象への敬意と共生を常に唱える「ブルネロ クチネリ」の哲学的視点にも通じている。
赤木は、ものづくりを支える職人、輪島塗の根幹を支える「木地師」への想いを胸に再生活動に取り組んでいる。その情熱は、漆器の原点とされる“神人共食(しんじんきょうしょく:神さまにお食事を差し上げておもてなしをして、そのお下がりを参列した人たちでいただく行為)”の思想を象る、鉢の「かたち」からも感じ取ることができる。
イタリアのクラフツマンシップを守り育てる「ブルネロ クチネリ」の理念に基づくこのサポート活動を通し、輪島塗の漆の温かさと、その本質を感じ取ってほしい。
text: Tomoe Tamura
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