唯一の自伝的作品『ジェーン・バーキン日記』。完全限定生産、豪華特典付きの特別版で発売
女優、歌手として活躍し、2023年7月に76歳で世を去ったジェーン・バーキンが唯一残した自伝的作品『ジェーン・バーキン日記』が、12月に河出書房新社より刊行される。上巻「Munkey Diaries」と下巻「Post-scriptum」の書籍2冊、オリジナルノートブック1冊、オリジナルポストカード10枚が特製函に収められた、特別仕様の限定生産アイテムだ。
イギリス出身でありながら、フランス人以上にフランスの文化、カルチャーを体現し、フレンチアイコンとなったジェーン・バーキン。惜しまれながら世を去った彼女は、寄宿学校へ通う11歳の少女時代から、2013年に起きた長女ケイトの突然の死まで、約60年にわたり書きつづった日記を何冊も残していた。
華やかな交友関係やキャリアの陰で、自分の容姿や才能に自信が持てずに自己嫌悪に陥ったり、娘や恋人との関係性に悩んだり……。日記にはこうした苦悩や悲しみが包み隠さず吐露される一方で、家族や子どもたち、孫、友人、恋人たちとの時間を心から楽しみ、表現者として仕事へ誠実に打ち込む様子もつづられている。
読んだ本や観た映画のこと、脚本の構想、時折のぞかせる哲学的ともいえる思考やユーモアに富んだ言葉からは、ジェーン独自のセンスや知性も垣間見ることができる。
また、その時々に直面する社会問題へも熱心に関わり、死刑廃止運動への取り組みや、東日本大震災発生直後からの被災地サポートなど、他者への愛と思いやりにあふれる行動の人だったジェーンのアクションが、本人の言葉でありありと記されている。
——おかしなことだけれど、私の日記さん、あなたは私の唯一の親友。長いこと私の愚痴や嘆きをがまんしてくれている。誰もが私は優しくて勇敢だと言う。でも違うの。私は愛してもらうためだけにいろいろなことをやって人生を送ってきたから。(1985年、39歳、下巻「Post-scriptum」より)
——フランスで『スローガン』という作品の撮影を終えたばかり。愛する男と一緒に出演している。彼の名前はセルジュ・ゲンズブール。すごく奇妙な風貌(ふうぼう)をしてるけど、彼を愛してる。セルジュは私が知っているすべてのものと大きく異なる。すごく退廃的だけど、同時にピュアなの。(1968年、22歳、上巻「Munkey Diaries」より)
ジェーンは、2016年から2019年にかけてこれらの日記を読み返し、当時を振り返りながら詳細なコメントを大幅に追記。『ジェーン・バーキン日記』は「これまでになかったような本」と自負する、彼女の「自伝」とも呼ぶべき作品となった。
ジェーンをイメージしたナチュラルでシックなこだわりの装幀、特製函のデザインも美しい。書籍の表紙には生成り素材を使用し、特製函には繰り返しの開閉に適した丸タックの留め具が施されている。
中に収められている豪華特典の一つ目は、フランスを代表する老舗手帳ブランド、クオバディスとのコラボレーションから生まれたオリジナルノートブック。クオバディス定番の「アイコニック ソフトカバーノート」に、ジェーンが実際に使っていた日記帳の表紙があしらわれている。
二つ目は、封筒入りのオリジナルポストカード10枚セットだ。兄アンドリュー・バーキンによる、ジェーンと家族の日常を写した写真や、ジェーンのデッサン、ジェーンが使っていた日記の表紙などがプリントされている。
本書刊行にあたり、著名人からのコメントも続々と到着。作家・ジャーナリストである村上香住子さんは「カウンターカルチャーが生まれたスウィンギング・ロンドンから華やかな光に揺れるパリへ。ジェーンの日々のいのちの滴りを書きつづったというだけでなく、貴重な時代的背景を反映した出色の日記文学」と語り、ミュージシャンである野宮真貴さんは「私の知っているジェーンの笑顔も恋も、私の知らないジェーンの涙も痛みも、全てが彼女の惜しみない、あふれる愛から生まれたことを知った。この日記には、彼女の人生そのものが書かれている」と語っている。
『ジェーン・バーキン日記』には、日々起こる出来事と自身の思いを文字にして吐き出すことで、望外の喜びも深い悲しみもすべてを受け入れて乗り越えようとする、私たちとなんら変わらない等身大のひとりの女性、ジェーン・バーキンの真の肉声が刻みこまれている。
text: Tomoe Tamura
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