浅野忠信のヒストリーを体感するアート個展が開催
俳優の浅野忠信によるアート個展「TADANOBU ASANO EXHIBITION PLAY WITH PAIN(T)」 が、4月2日(水)~6日(日)の5日間、東京・伊勢丹新宿店で開催中だ。今回の個展は、過去最大級のスケールであり、作品を一般販売するという初めての試みの場となる。個展のことや絵に対する思い、影響を受けた存在などについて話を聞いた。
俳優の浅野忠信によるアート個展「TADANOBU ASANO EXHIBITION PLAY WITH PAIN(T)」 が、4月2日(水)~6日(日)の5日間、東京・伊勢丹新宿店で開催中だ。今回の個展は、過去最大級のスケールであり、作品を一般販売するという初めての試みの場となる。個展のことや絵に対する思い、影響を受けた存在などについて話を聞いた。

家に画集がたくさんある環境に育ち、幼少期から⽇常的に絵を描いてきた浅野さん。10年前に「毎⽇描こう」と決意してから、最低でも1⽇1点、多いときは1日4、5点の作品を描いており、その数、3500点以上にのぼる。今回の個展では、これまで描きためてきた作品の中から、新たに制作したものも加え、約200点を販売している。好きで持っていても着ない服があるように、必要としてくれる人のそばにあったほうが良いと感じ、「けじめをつけたい」と思ったことが個展開催のきっかけだという。

―今回のテーマ、「PLAY WITH PAIN(T)=痛みと遊ぶ」について教えてください。
2013年に撮影で中国に行った時、ストレス発散方法がなくて。スケジュール表の裏にボールペンで絵を描いたらすごくリラックスして、そこから止まらなくなって、それ以来、毎日描くようになりました。 俳優活動では、思うようにいかなくて、悔しいことや苦しいこともたくさんあります。
絵を描くことで、そういった痛みから解放され、救われる⾃分がいる。絵を描いている時は心が無になって、ふっと肩の荷をおろせる瞬間があるんです。感情をリセットさせることができるし、悩みの答えをくれるきっかけにもなっています。

―絵を描く時のインスピレーションはどこから?
「SHOGUN 将軍」の撮影時は20階という高層階に滞在していたので、窓から見えるビルとか1階のピザ屋とか、あらゆる身の回りのものを描いていました。撮影する場所や役柄も作品に影響していると思います。 今住んでいる家の屋上テラスでセルフポートレートを撮って描いた作品もありますし、滝沢カレンさんの写真を見てインスピレーションを感じて描いたこともあります。光と影がすごくきれいで。ボディは滝沢カレンさん、顔だけがぼく、という絵なんです(笑)

―映画撮影時の長い待ち時間にも絵を描かれるそうですね。
「SHOGUN 将軍」の撮影をするために行ったカナダには、画材道具を一式持っていきました。毎日のように撮影が終わっては描いて、撮影がない日も描いて。画材がなくなったら現地で買い足して…ずっと描いていましたね。撮影があった方が現場のストレスを発散するという意味で筆が進むのかもしれないですね(笑)俳優とアーティスト、どちらも切り離せません。
―絵を描き上げるのがとても速いと聞きました。
せっかちなんですよ(笑)。時間をかけると飽きてしまうから、⼀度描き始めたら早く終わらせたくなる。1作品10~15分くらいで仕上げることもありますが、最近は1作品1時間くらいかかってますね。「鬼越トマホーク」とか「さまぁ〜ず」とか、お笑い系のYouTubeを見ながら描くことが多いです。


―小さい頃から絵を描いていたのは、ご両親の影響もあったのでしょうか。
画家になりたかった父の影響はありますね。家に分厚い画集シリーズが20巻くらいあって、物心ついた3歳ごろからピカソやマティスの絵を見て育ちました。本棚の一番はしっこにあった画集に、ダリの絵が載っていて。鏡に映ったダリと奥さんの絵を見て、怖い絵だなあと思ったのを今でもよく覚えています。
母(浅野順子さん)も60歳を過ぎてから画家として活動していて、個展にもしょっちゅう行っていますし、来てもらうこともあります。娘のSUMIREも絵を描いていますし、うちは家族みんな描いている。新しいことを始めるっていう感覚はなくて、家族が共通してやっていること、という感じです。

作品には、題名もサインもない。言葉があるとイメージが固定されてしまうから、自由に、心のおもむくままに感じてほしいからだという。個展では、近年の作品はもちろん、20年前の作品も展示販売しており、「自分でも懐かしいと思えるものが多く、僕の中では愛おしい作品の数々。昔の作品を描いた時も、何かを演じている時だったはず。役者・浅野忠信のヒストリーを感じてもらえれば」と話した。

text&photo: Tomko Hagimoto
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TADANOBU ASANO EXHIBITION PLAY WITH PAIN(T)

会期:2025年4月2日(水)〜4月6日(日)
会場: 伊勢丹新宿店 本館6階 催物場
所在地:東京都新宿区新宿3-14-1
営業時間:10:00〜20:00 ※4月2日 15:00終了、4月6日 18:00終了
入場料:無料
浅野 忠信 Tadanobu Asano

1973年横浜生まれ。1988年、TVドラマで俳優デビューし、モデルやミュージシャンとしても活動する。90年「バタアシ金魚」で銀幕デビューし、「母べえ」(08)で日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。「マイティ・ソー」(11)でハリウッドに進出。近年の出演作に「私の男」(14)、「沈黙 サイレンス」(16)など。24年に放映配信がスタートしたTVドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」で樫木藪重役を演じ、第82回ゴールデングローブ賞において日本人としては初となるテレビドラマ部門助演男優賞を受賞した。
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