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富山市と大阪市が「2025年 行くべき52カ所」に選出される

マリ・クレール編集長、田居克人が月に1回、読者にお届けするメッセージ。毎年恒例の「ニューヨーク・タイムズ」(電子版)が選ぶ「今年行くべき場所」に 富山市と大阪市が選ばれました。富山市と大阪市は、都市としての性格も魅力も全く異なる都市。その理由を調べてみました。

2024年の訪日外国人数は、それまで最高であった2019年を上回り、過去最高の36,869,900人となりました。

訪日外国人数の回復の要因は、円安などの影響、航空便数がコロナ禍以前の2019年と同等の水準まで回復していること、またシーズンごとに変化する日本の自然に対する人気などが挙げられると考えられています。

また国別の訪日客数では、韓国からの訪日客が中国を上回りトップになりました。

東京の街を歩いていても、地下鉄や新幹線の車内でも、外国人の姿を見ない日はありません。また銀座の中央通りや晴海通りをいくつものブランドの紙袋を提げて歩いてる外国人の姿は、今や当たり前の風景となりました。

そんな中、1月7日付の「ニューヨーク・タイムズ」(電子版)は、「2025年行くべき52カ所」を選定し、発表しました。選出するのは「ニューヨーク・タイムズ」紙の編集部や特派員で、文化、自然、歴史、持続可能性、復興・再生、新たなインフラ整備などの要素を総合的に判断するそうです。

行くべき場所の1位は、作家ジェーン・オースティンの生誕250周年を迎え、様々なイベントが開催予定の、イングランド南西部が選ばれました。

また2位にはガラパゴス諸島が持続可能な観光、環境保全の観点から選出されました。

同紙では今まで日本から、2022年に京都市、2023年には盛岡市と福岡市、2024年には山口市などが選出されていますが、今回は30位に富山市、38位に大阪市が選出されました。

京都市や盛岡市、そして山口市が選出されるのは、なんとなく理解できます。しかし今回選出された富山市と大阪市は意外な感じがしました。そのため選出理由を詳しく知りたいと思い、いろいろ調べてみました。

富山市が選ばれたことで能登の復興が早まれば

富山市は、昨年1月の地震と7月の豪雨により壊滅的な被害を受けた能登半島の入り口に位置していて、現在復興の途上です。その復興の取り組みの一環として観光客の誘致をすすめているのです。隈研吾の設計した富山市ガラス美術館や伝統的な祭り、また歴史的地域に集まるグルメなどが富山の魅力に一役買っているようです。富山が選出されたことにより、復興が少しでも前に進むことを願います。

立山連峰 富山市
遥か立山連峰を望む富山市
©kwPhoto

進歩的な都市としてのイメージを強める大阪市

また大阪市は東京に次ぐ日本第二の大都市です。もともと歴史的に日本経済の中心でもありましたが、LGBTQ+に対する取り組みへの評価、および3月21日に南館が完成した「グラングリーン大阪」や、4月13日から大阪・関西万博が開催される地として、進歩的な都市の魅力を放っていることが選出の大きな理由だそうです。

このコラムでも「うめきた2期プロジェクト」として「グラングリーン大阪」について紹介したことがあります。「うめきた2期プロジェクト」とは9ヘクタールに及ぶ大阪駅北側の広大な操車場跡地に、ホテル、商業施設、公園、住宅、オフィスなどが一体となった大規模複合施設を開発。街の中心には4.5ヘクタールを占める公園ができ、今までグリーンが少ないイメージがあった大阪の中心地の印象を大きく変え、新たな大阪の文化を生み出していくことが期待されています。

グラングリーン大阪
広大なグリーンが街の中心に位置する「グラングリーン大阪」

「ニューヨーク・タイムズ」紙は、以下のように書いています。

「緑よりも食べ物やショッピングで知られる大都市大阪では、緑の芝生の上に座るというのは普通の活動ではありませんでした。しかし『グラングリーン大阪』は、そんな大阪のイメージを変えるビッグプロジェクトです。大阪駅の鉄道貨物ヤード跡地を段階的にオープン。広大な緑の公園と、今年オープン予定の日本初進出のホテル『ウォルドーフ・アストリア大阪』を含む複合用途のライフスタイルハブに、その場所を変えていこうとしています。大阪には昨年『フォーシーズンズホテル』が進出しました。今年4月から10月にかけて開催予定の万博には、161カ国・地域からのパビリオンが2000万人以上の訪問客を呼ぶだろうと予想されています。

間違いなく日本で最も進歩的な都市である大阪は、2022年に東京に続き2番目のLGBTQの常設センター『プライドセンター』を開設し、昨年10月には国際LGBTQ+旅行協会の総会が北米以外で初めて開催されました。多くの人は、これらの発展を、同性婚が依然として違法である唯一のG7の国である日本での、結婚平等の先導者であると見なしています」(アダムH.グラハム 2025年1月7日)

確かに大阪の街は、訪れるたびにいつも強い熱気を放っているように感じます。日本の都市の枠からはみ出た、アジアの大都市「大阪」といった印象を、街のダイナミズムや活気から感じるのです。そのような中で開催される「2025年大阪・関西万博」。

数号にわたり弊誌でも「2025年大阪・関西万博」を取り上げていく予定です。「マリ・クレールが選ぶ2025年大阪・関西万博、行くべきパビリオン」と題し、魅力的なパビリオンやイベントを紹介する予定です。

2025年3月27日

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