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韓国を旅するなら欲張ってはいけない【藤﨑聡子のémoi style】

ワインジャーナリスト・藤﨑聡子さんがマリ・クレールデジタルに初登場。ワインをテーマに世界を旅して感じたこと、味わったこと、見つけた心がときめくようなものなどを紹介していく “émoi style(エモワ スタイル)”。なるほど、これは面白そうと思わせてくれる意外な発見や情報をご紹介する連載がスタートする。

Vol.1は旅。常に渡航人気ランキング上位入りしている韓国・ソウルについてお届けする。藤﨑聡子さんは、現在毎月仕事でソウルへ飛んでいるほどで、最旬の現地情報をつかんでいる。リアルな情報は、きっと旅先で役に立つはず。

渡韓歴150回を超えてもまだまだ発見のあるソウル

私が旅をするようになったのは、1990年代に創刊したワイン専門誌の編集者であったことがきっかけだ。

編集者として様々な国のワインをテイスティングするようになり、その国の文化、経済状態、そして作り手の考え方をダイレクトに知るようになった。彼らから感じた情熱や想いをもっと知るなら旅をした方がよいな……その考えは今でも変わらない。

最近はもっぱらアジア。なぜならワインの作り手が来日する前に、必ずどこかアジア圏の国に寄ってくるから。そこで彼らは自分たちのワインが、その国のどのような食と楽しまれているのかを体験してくるのだ。

私は必ず彼らが楽しんだワインと地元食のマリアージュ(組み合わせ)を教えてもらう。

そして美味しさを想像し、「そのワインと料理を食べてみたい! よし行こう! アジアなら近いし」となるのだ。

中でも韓国・ソウルへの旅はコロナの時期があったにもかかわらず、単純にこの10年で150回以上。

ソウルにシャンパンバーを作る仕事があったとはいえ、毎週飛んでいた時もある。

この景色、ソウルに行ったことのある方なら御覧になっている方も多いと思う。

最近のソウル訪問・人気ランキング1位にもなっている「景福宮(キョンボックン)」前の光化門広場(クァンファムンクァンジャン)。明洞(ミョンドン)から歩いても15分ほどの場所にある。

かつてはこの銅像・李舜臣(イ・スンシン)将軍を中心に左右に車道があったが、コロナ中に大きな工事が行われ、車道を景福宮に向かってすべて右側に寄せた。

そして、それまで車道だった左側を公園として造成し、憩いの場として変貌しているのだ。

李舜臣将軍を見ながら景福宮方向へ歩いていくと、ハングルを作り制定した世宗(セジョン)大王の銅像がある。

この場所に来ると必ず空を見上げたくなる。

なぜだかわからないが、この青さに引き込まれるのだ。 忙しい日々も忘れ去り、癒やされるので、ぜひ試してみてほしい。

ソウルはエリアを絞って動くことが充実した旅になる

ソウル旅行した方たちが言うワード。

「時間が足りない!」

そう、ソウルは情報が多い分、それが分散されているから「結局何しに行ったんだっけ?」となるのだ……。

明洞に泊まる。江南(カンナム)もいいよね。今流行っている漢南洞(ハンナムドン)は行こうよ。聖水(ソンス)へ行ってお茶したい……。

これを東京に置き換えると(私のイメージ)、新宿に泊まって、銀座へ行って、代官山を散歩して、谷根千でお茶をする。

これを2泊3日でしっかりこなすのは本当に忙しい。移動だけで終わってしまう。

と思うと、ソウル旅の基本は、まず欲張らない! 割り切る! また来よう! というテンションに持っていったほうが、その街をもっと知ることができて充実すると思うのだ。

先ほど明洞から歩いて行けるエリアをご紹介しているので、明洞を起点にソウル旅を考えてみる。

私なら「聖水を攻める!」を薦めたい。効率が良いから。

聖水は本当に今、ブレイクしているエリア。

新旧入り交じっていて、韓国の方もわざわざ来るほどの注目度である。

かつては自動車整備工場などが多数存在していた下町風情のあるエリアだったが、その工場が閉鎖され、外観はそのままに室内をフルリノベーションして、現在は全く異なるコンセプトのショップが続々オープンしている。

ファッション、グッズ、コスメ、そしてカフェ、フード、オールジャンルのトレンドがそこにある。

ハイブランドのポップアップショップもしょっちゅう限定オープンしているし、1カ月行かないと「あら、またショップが変わっている」なんてことは普通にあったりする。それも面白い。

この場所は明洞からだと、地下鉄2号線に乗れば15分ほどで到着する。

近い、と言えば近い。

そして聖水駅周辺には、このようなユニークなオブジェがあったりする。

人間型取りマシーン

聖水駅は出口が4か所。ちなみに出口を抜けた先の印象はどこも全く違うので要注意。

一番人気スポットへ行くなら4番出口を目指すこと。4番出口は2024年11月末に、ソウル最大規模のコスメショップがオープンしたので今とにかく大混雑している。

聖水の「ナムダルン本家タッカンマリ」はオフィスワーカーで満席のローカル店

そのコスメショップの向かい、古いビルの2階に聖水へ訪問したならばぜひ召し上がってほしいタッカンマリ専門店がある。

タッカンマリとは鶏1羽をシンプルに煮込んだ鍋料理。

ソウルで食べてみたい韓国料理ベスト3にランクインするほど 有名なメニューだ。

土鍋なのが他とは違うポイント

ここ「ナムダルン本家タッカンマリ」は特徴がいくつかある。

中でもこれは違う! 嬉しい! と思うのが、最初から白菜とトッポギが入っていること。

タッカンマリって鶏肉、長ネギ、ジャガイモが基本系。

そこにトッポギ、エリンギ、マンドゥ(餃子)などをトッピングできるお店もあるが、トッポギと白菜が基本系に組み込まれているのはかなりレアな展開。

スープはとてもシンプルなので、まずはそのまま召し上がってみてほしい。

つけダレはお店の方がてきぱきアドバイスしてくれるので、その流れに乗るとよい。

そう、韓国語ができなくても大丈夫。

店内のお客さんの90%がタッカンマリをオーダーしているので、指さし、もしくはタッカンマリと伝えれば完璧である。

大行列になっている東大門エリアのタッカンマリ店で90分待つのなら、ここに来る方が早いよな、とも思ってしまう。

味わいは本当に滋味深く、スープは鶏肉が煮込まれていくほど濃厚になる。

私はタレをつけるより、胡椒(こしょう)だけでいただくことが多い。

韓国の胡椒は辛さと香りのバランスが素晴らしいから。

ここでお腹いっぱいになったら、お散歩がてら20分ほど歩くと聖水の森公園に到着する。

聖水の森公園・入り口
聖水の森公園・名所。つり橋

この公園のそばにはカフェが多く、カフェストリートと呼ばれている通りもある。

イメージとしては、聖水の森公園周辺は地元の方で賑やか、かな。

こだわりのコーヒー豆を味わえるサードコーヒーの文化も根付いているし、新しいカフェ散策にはもってこいだと思う。

こうしてみると聖水だけで一日終わってしまう予感……。

たった一か所のエリアなのに、である。

ソウル旅、これは本当に中毒になりそうだ。

photos & text: Satoko Fujisaki

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お問い合わせ先

Information
店名:남다른본가닭한마리(ナムダルン本家タッカンマリ)
住所:서울특별시 성동구 연무장7길 12 , 2F 
   ソウル特別市 城東区 練武場7キル 12 , 2F
   地下鉄2号線聖水駅・4番出口・徒歩4分
tel:02-461-6932
営業時間:11:30-22:00 不定休
メニュー:タッカンマリ25,000W~


Information
場所:聖水の森公園
アクセス:地下鉄水仁盆唐線ソウルの森駅・3番出口・徒歩3分
     地下鉄聖水駅・4番出口・徒歩20分

Profile

藤崎聡子


ワインジャーナリスト・撮影構成ディレクター。世界中の食とワインのペアリングについて編集者歴25年以上ならではの目線で追求し続けている。わかりやすい言葉をつづることで長年のファンが多い。SM Entertainmentグループの韓国を中心としたカルチャー情報サイト・PIVImではスーパーバイザーとしても活躍中。
pivim.jp

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