トランプ氏の大統領再任は、女性にとって何を意味するのか?
2024.11.20

Pool / Getty Images
2024年11月6日(現地時間)、米大統領選で共和党のドナルド・トランプ候補が勝利した。それはアメリカの女性、いや世界中の女性たちにどんな影響を及ぼすのか。再任後に起こりうる可能性について分析した、マリ・クレール インターナショナルの英国版デジタル記事よりお届け。
2024.11.20

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2024年11月6日(現地時間)、米大統領選で共和党のドナルド・トランプ候補が勝利した。それはアメリカの女性、いや世界中の女性たちにどんな影響を及ぼすのか。再任後に起こりうる可能性について分析した、マリ・クレール インターナショナルの英国版デジタル記事よりお届け。
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リプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)から経済的機会、男女平等、そしてハラスメントや差別からの保護に至るまで、ドナルド・トランプ氏の再任は女性にとって非常に大きな意味を持つだろう。
世界中の女性たちが、アメリカが初の女性大統領を迎えることはないというニュースで目を覚ましている。34件の重罪容疑、1件の有罪判決、2件の係争中案件、そして6回の破産歴を持つドナルド・トランプ氏が第47代大統領に就任するのだ。
ドナルド・トランプ氏が大統領に再び就任することによる女性への影響は広範囲に及び、それはアメリカ国内にとどまらないだろう。医療やリプロダクティブ・ライツから、経済的機会、職場での平等、ハラスメントや差別からの保護に至るまで、ドナルド・トランプ氏の大統領就任は社会のあらゆる分野に影響を及ぼし、女性は再び政策変更の影響を受けることになるだろう。
以下は、彼の大統領就任が女性にどのような影響を及ぼすかについての分析である。
・リプロダクティブ・ライツと医療
トランプ氏は、1期目の任期中に、性犯罪者であると疑われるブレット・カバノー氏を含む3人の保守派最高裁判事を任命し、最終的にロー対ウェイド事件の判決を覆す結果につながるような形に最高裁を移行させた。この決定により、中絶の権利についての連邦政府の保護が撤廃され、中絶の規制や禁止は各州に委ねられることとなった。トランプ氏は大統領に復帰後、反中絶政策を継続する可能性が高いだろう。
・女性向け医療サービスへの資金提供
トランプ氏は以前、中絶を行う組織、例えば、「プランド・ペアレントフッド」(全米家族計画連盟)への資金提供を削減し、その結果、検診や避妊薬の入手を含む幅広い女性向け医療サービスに影響が及んだ。同氏の再任により、同様の資金提供方針が強化される可能性がある。
・医療へのアクセス
トランプ政権は、マタニティ・ケア(出産看護)やメンタルヘルスサービスなどを含め、多くの女性を対象に適用範囲を拡大した医療保険制度改革法(ACA)の廃止を試みた。再びトランプ政権となることで、ACAの規定にさらなる課題が持ち上がるかもしれず、女性の医療保険の適用範囲や手頃な価格での利用に影響が出る可能性がある。
・メンタルヘルスと家庭支援
コロナ禍の経済的および社会的影響が、依然として多くの女性に影響を与えているなか、特に仕事から離れた女性たちに対して、擁護者たちはメンタルヘルスのサポートと社会サービスの拡大を強く求めている。トランプ政権下では、これらのサービス拡大に連邦政府が重点を置くことは限定的になるかもしれないと考えられている。
・セクシャルハラスメント
トランプ政権は、大学がセクハラ事件をどのように取り扱うか、その方法を変えた保護規定を再定義する政策を導入した。この政策は、被害者が事件を報告することを思いとどまらせる可能性があるとして、擁護派から批判されている。次の任期でも、キャンパスや職場のハラスメント防止に影響を与えるこれらの政策を重視し続ける可能性がある。
「否定し、否定し、否定し、そしてこれらの女性たちに反論しなければならない。もし何か責任を認めたら、終わりだ。(中略)自分について言われることは何でも否定しなければならない。決して認めないことだ」
ボブ・ウッドワード著『Fear: Trump in the White House』よりトランプ氏の発言
・女性と少女に対する暴力
トランプ前政権は、家庭内暴力や性的暴行の被害者に対する保護と支援を提供する重要な法案を、(一部制限付きで)再承認される前に失効させた。これにより、虐待被害者の支援プログラムに対する保護と資金援助が弱体化する可能性がある。
・LGBTQ+の権利
トランプ氏は、最初の任期中にトランスジェンダーの人々が軍務に就くことを禁止した。選挙運動中、トランプ氏は「カマラはノンバイナリーの味方だ。トランプ大統領はあなたの味方だ」という主張を展開し、カマラ・ハリス氏とLGBTQ+の平等やトランスジェンダーの権利を結びつける広告に約2100万ドル(約32億4700万円)を費やした。同氏はさらに厳しい措置を導入することを公約している。また、反ジェンダー思想に関するトランプ氏の発言が、より広範な社会的影響を及ぼす可能性も高い。
「私たちは、批判的人種理論(※)とトランスジェンダーの狂気を学校から徹底的に排除し、男子を女子のスポーツから締め出し続ける」
ドナルド・トランプ氏、2024年大統領選挙キャンペーンより
編集部注※「人種」概念に基づく不公正なヒエラルキーを排除するために、人種と法と権力との間の関係を改変することを目的とした根本的な法学運動およびその学問的立場のこと。
・同一賃金と職場における差別
トランプ氏は、賃金格差の是正を目的とした、企業に性別、人種、民族別の賃金データの開示を義務付けるオバマ政権時代の規則を廃止する大統領令に署名した。トランプ氏が政府の監視をさらに縮小する方針を続ける場合、賃金の平等と職場での差別の解消は限定的になるかもしれない。
・税金
トランプ大統領の税制政策は、高所得者には広く恩恵をもたらしたが、コロナ禍の影響を特に受けた介護、小売、接客業といった業種に従事する低・中所得層の女性には、さまざまな影響をもたらした。さらなる減税は、多くの女性、特にシングルマザーが頼りにしている社会保障制度の資金源を減少させる可能性がある。
・育児休暇および家族休暇
トランプ政権は、限定的な有給家族休暇(アメリカでは一部の州で有給の家族休暇や育児休暇に関する法律が制定されている)と育児中の税額控除を提唱したが、政策の影響は限定的であった。女性の権利擁護派は、より強力な連邦政府による有給休暇政策が、特に家庭と仕事の責任を両立させて働く女性たちに恩恵をもたらす可能性があると主張している。しかし、今回のトランプ政権では、引き続き民間での解決策が優先される可能性がある。
「私は子どもが好きだが、子どもたちの世話をするようなことはしない。私は資金を提供し、彼女が子どもたちの世話をする。私自身が子どもたちをセントラルパークで散歩させるつもりはない」
ドナルド・トランプ氏、2005年、ラジオパーソナリティのハワード・スターンとのインタビューより
・刑事司法改革
トランプ氏は、量刑改革と早期釈放にプラスの影響を与えた刑事司法改革法案であるファースト・ステップ法に署名した。しかし、法執行をめぐる犯罪に対する強硬姿勢は、家庭内暴力や性的暴行事件における警察改革を求める活動家たちの声とは一致しないかもしれない。こうした事件では、多くの人がトラウマを考慮した法執行のアプローチを求めている。
・指導的地位にある女性
トランプ氏の前内閣は女性の割合が比較的低く、また、同氏の政策は指導的地位におけるジェンダーの多様性を重視するものではなかった。 トランプ氏の次の任期では、公職や企業における指導的立場にある女性の、代表制や男女平等に向けた取り組みが以前より軽視される可能性もある。
「女性は、描かれているような存在とはまったく異なる。女性は男性よりもはるかに劣り、はるかに攻撃的だ……」
ドナルド・トランプ著『The Art of the Comeback』(1997年)
女性の権利は、今後も彼の政策、司法官の任命、より広範なリーダーシップのスタイルの影響を受け続ける可能性が高い。
次のトランプ政権は、特にリプロダクティブ・ライツ(性と生殖に関する権利)、経済政策、職場での平等、暴力からの保護といった分野において、女性に大きな影響を及ぼすことになるだろう。
translation & adaptation: Akiko Eguchi
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This article was originally published on Marie Claire UK
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