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カンヌ映画祭を席巻。改めて、サンローラン プロダクションの歩みをたどろう

サンローランが2023年4月に立ち上げた映画製作会社「サンローラン プロダクション」。ラグジュアリーブランドとしては、初となる本格的な映画制作を行うと公表して約1年、同プロダクションが手がけたジャック・オディアール監督作品『Emilia Perez』が今年のカンヌ国際映画祭でついに初受賞した。これを記念して、改めてサンローランプロダクションの歩みを振り返る。

サンローラン プロダクションとは?

サンローランのクリエイティブ・ディレクターを務めるアンソニー・ヴァカレロはこれまでも、特に映画界の巨匠たちを迎えた映像制作に積極的に取り組んできた。

2019年にはウォン・カーウァイ、ブレット・イーストン・エリス、ギャスパー・ノエ、2021年にはジム・ジャームッシュと、コレクションに焦点を当てた短編映像を制作。ベアトリス・ダルやシャルロット・ゲンズブールらが出演した、ギャスパー・ノエとの短編映画『Lux Aeterna』(Self 04)は、2019年のカンヌ国際映画祭に出品されている。


そうした過程を経て、満を持して設立されたのが、「サンローラン プロダクション」だ。ラグジュアリーブランドとして初めて映画製作会社であり、長編映画のプロダクションを担うことが可能になった。

あのゴダールの作品も

その皮切りとして、2023年の第76回カンヌ国際映画祭に、早速2つの作品を送りだした。


まず一つは短編映画『ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争』だ。ジャン=リュック・ゴダールが2022年9月に92歳で逝去する前に取り組んでいたというこの作品は、型にはまらない短いアートプロジェクトとして結実。完成に至らなかった映画に対し彼が思い描いていたアイデアやリファレンス、ビジュアルが描写され、鑑賞者は、天才の精神や思考がどのようなものだったかを知ることができる。

もう一つは、ペドロ・アルモドバル監督の『Strange Way of Life』だ。イーサン・ホークとペドロ・パスカルが出演し、衣装のすべてをサンローランが製作した。

男性社会を生きる、クイアたちを描いた本作はカンヌで高い評価を得た作品で、7月12日からは国内での上映がスタート。ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか、順次全国公開される。

巨匠たちの3本の長編映画をカンヌへ。『Emilia Perez』で初受賞

第77回カンヌ国際映画祭にも、3本の長編映画を出品。そこに名を連ねるのは、ジャック・オディアール監督(『Emilia Perez』)、デヴィッド・クローネンバーグ監督(『The Shrouds』)、パオロ・ソレンティーノ監督(『Parthenope』)と、巨匠たちの姿だ。

なかでも、特に注目が集まったのは『Emilia Perez』だ。作品は審査員特別賞を受賞し、主演を務めたカルラ・ソファ・ガスコン(Karla Sofia Gascon)、ゾーイ・サルダナ(Zoe Saldana)、セレーナ・ゴメス(Selena Gomez)、アドリアナ・パス(Adriana Paz)の4人は女優賞を受賞した。その内容は、カルテルのリーダーがビジネスから手を引くために、過小評価されている弁護士リタを雇うが、リタは彼が女性へのトランジションを実現しようとしていることに気づくというもの。

ユーモアあふれる犯罪ドラマはエンドロールを拍手喝采で迎えたといい、アメリカとイギリスはネットフリックスが配給権を獲得。フランスでは8月21日に公開を控えているとあり、今後も反響は続きそうだ。

国内外で上映がスタートする作品の数々。飛躍を続けるサンローラン プロダクションの次回作にも注目してほしい。

text: Ko Ueoka, edit: Mio Koumura

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Strange Way of Life公式サイト:https://hark3.com/strange/

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