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カンヌ国際映画祭で話題のあの作品がついに日本公開!

今年も盛り上がったカンヌ国際映画祭。国内では、昨年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品、プレミア上映され話題となった、ナタリー・ポートマン、ジュリアン・ムーアが豪華共演する『メイ・ディセンバー ゆれる真実』や、ある視点部門最高賞を獲得し、8分間のスタンディングオベーションで熱い喝采を浴びた『HOW TO HAVE SEX』などがついに日本公開となる。 そして今年、国際映画批評家連盟賞受賞した『ナミビアの砂漠』も9月6日(金)に公開が決定。カンヌで話題となった作品を3作いち早くご紹介する。

全米に衝撃を与えた“メイ・ディセンバー事件”が題材。『メイ・ディセンバー ゆれる真実』

ナタリー・ポートマンとジュリアン・ムーアが共演を果たし、カンヌ受賞作『キャロル』も手がけたトッド・ヘインズ監督の最新作『メイ・ディセンバー ゆれる真実』 が全国公開中だ。カンヌだけでなく、第96回アカデミー賞脚本賞ノミネート、第81回ゴールデングローブ賞作品賞、主演女優賞、助演女優賞、助演男優賞ノミネートなど、各映画賞で評価されている作品だ。

90年代に全米を震撼させた、36歳の女性が13歳の少年と不倫の末に投獄され、服役中に出産、刑期を終えて結婚したという衝撃のメイ・ディセンバー事件を基に、映画を作ろうと当事者の女性(ジュリアン・ムーア)の取材に訪れた俳優(ナタリー・ポートマン)が、2人の関係は犯罪だったのか? 純愛だったのか? と事件の真相を突き詰めていく心理ドラマ。ナタリー・ポートマン演じるエリザベスは役作りのためだといって、当事者の心にズカズカと押し入りエスカレートしていく取材シーンや、自身が演じる女性にどんどん同化していく狂気的な演技が見どころ。

物語が進むにつれて第一印象が壊れ、全く別の印象になっていく観客の心を掻き乱す演出が素晴らしい。先入観、固定観念、偏った視点というフィルターを通して第三者の視点から語られる一つの解釈が真実として拡散される恐怖も描かれ、同時に観客の価値観も炙り出されていく。心を揺さぶるドラマティックで不穏なサスペンス映画のような音楽にも注目だ。

『メイ・ディセンバー ゆれる真実』
公開:2024年7月12日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開中
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2023. May December 2022 Investors LLC, ALL Rights Reserved.

不十分な性教育による問題をリアルに描く『HOW TO HAVE SEX』

2023年5月に開催された第76回カンヌ国際映画祭にて、8分間のスタンディングオベーションと、ある視点部門で最高賞を獲得した映画『HOW TO HAVE SEX』が7月19日(金)から公開される。ティーンエイジャーの性的同意や性的暴行にまつわる会話をオープンにし、世界をより良い場所にするために作られた本作は、不十分な性教育や性的暴行によって傷つけられる少女の現実を痛々しいほどリアルに描く。

卒業旅行でギリシャ・クレタ島のリゾート地を訪れる親友3人組。自分だけがバージンであることに焦る主人公・タラ(ミア・マッケナ・ブルース)は、この旅行で初体験をすると決意していた。毎晩夜通しクラブで踊り狂って酒に溺れて素敵な青年たちと出会う、人生で最高の夏になるはずだった…….。

現代でも子供から大人になる段階で正しいセックスの仕方を教えてくれる環境はほとんど作られていない。学校での性教育も充分ではないといった現実に対して、同調圧力などの多くの要因がいかに性的暴行が許されてしまう環境を作るか、女性たちがお互いに与えるプレッシャー、有害な男性性の影響、これらの被害がいかに矮小化され、常態化されているのかをこの映画で描きたかったとモリー・マニング・ウォーカー監督は語っている。知識や性的暴行に対する認識のギャップをなくすため、男女問わず多くの人に観てもらいたい作品だ。

『HOW TO HAVE SEX』
公開:7月19日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、シネマート新宿、アップリンク吉祥寺ほか全国公開
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
©BALLOONHEAVEN, CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, THEBRITISH FILM INSTITUTE 2023

先の見えない世界で刹那的に生きる21歳の青春物語『ナミビアの砂漠』

19 歳のときに初監督した作品『あみこ』で、第68 回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門に史上最年少で招待され、香港国際映画祭やカナダのファンタジア国際映画祭など各国の映画祭で評判となった山中瑶子監督が、今年の第77回カンヌ国際映画祭国際で批評家連盟賞を女性監督として最年少で受賞した映画『ナミビアの砂漠』が9月6日(金)から全国公開が決定した。

主演を務めるのはテレビドラマ「不適切にもほどがある!」や、映画「あんのこと」「ルックバック」への出演が話題となった河合優実。映画『ナミビアの砂漠』では、何に対しても情熱を持てず、恋愛すら暇つぶしだと感じている21歳の主人公・カナを演じる。

当時学生だった河合が『あみこ』を観て女優になりたいと思い、山中監督に「いつか出演したいです」と直接伝えに行ったことをきっかけに2人の夢のタッグが実現した。世界が注目する才能あふれる新世代の2人が、現代を生きる若者のリアルをどう描くのか期待せずにはいられない。

『ナミビアの砂漠』
公開:9月6日(金)TOHOシネマズ 日比谷 他 全国ロードショー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2024『ナミビアの砂漠』製作委員会

text: DIZ

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