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日本の伝統から生まれた作法を、パリから世界へ向けて発信する「OGATA」

エントランスには、伊達冠石から切り出した手水鉢が中央に置かれ、訪れるゲストは神社のように手を清めてから中に入ることができる

「八雲茶寮」「HIGASHIYA」などを運営する緒方慎一郎がパリにオープンした「OGATA Paris」。開業わずか2年でフランス版ミシュラン・ガイドで一つ星を獲得した。そしてこの秋、書籍が米・出版社リッツォーリから刊行された。世界に響く「OGATA」とは。

OGATA
壁面に陶器の菓子型が敷き詰められた茶と和菓子のブティック。「HIGASHIYA」の和菓子を象徴する「ひと口果子」のほか、洋菓子文化の影響を受けた新たな菓子も並ぶ
OGATA
伝統的なお香に使われてきた原料を調合し、香りの新たな愉しみ方を提案する地下の「KAORI」。調香師と対話しながらオーダーメイドで香りを作ることもできる

緒方慎一郎がパリに「OGATA Paris」をオープンさせたのは、コロナ直前の2020年1月のこと。マレ地区の賑やかなテュレンヌ通りから路地に入った並びにたたずむ同館は、17世紀に貴族の邸宅として使われた歴史ある建造物の意匠を尊重しながら3年をかけて改装。十数年来の構想を持つ緒方自身が、その設計デザインを手掛けた。

OGATA
レストランでは、日本各地の郷土料理を現地で調達した食材を使用しながら現代的に再編集し提供。「OGATA」がデザインした美しい食器にも美意識が宿る

敷地面積800平方メートル、4フロアからなる建物の中には、茶房や酒房、レストランに加え、茶と和菓子を扱うブティック、作家を紹介するギャラリー、器を揃えたアトリエ、そして東洋の香の文化を現代的に解釈する香りの部屋が集積。入り口の手水鉢をはじめ、漆喰の壁、手作業で削り出した階段の一段一段まで、伝統的なフランスの建築物に日本の伝統を織り交ぜしつらえた空間は普遍的な美を宿している。まさに集大成とも言える同館の起点について、日本の暮らしの様式を探究・再構築することは、世界のどこであれ未来にも通ずる生き方の解になるのでは、という問いであると緒方は書籍に綴っている。その信念が「OGATA」の稀有な魅力として世界に伝播し始めている。ページをめくるたびに、そんな兆しを感じずにはいられない。

OGATA
『OGATA』
発行: Rizzoli
著者: 緒方慎一郎
価格: ¥13,000
ページ数: 256ページ
サイズ: 24.5×33cm
OGATA
現代における暮らしの作法を提唱する「OGATA」について解説したコンセプトブック。「OGATA」の志をはじめ、作法の説明や意匠について述べているほか、「OGATA Paris」の全貌を写真にて紹介。日本語訳の冊子を付けた限定版を「HIGASHIYA」や公式オンラインショップ(https://online.ogata.com)にて販売中。

OGATA Paris
16 rue Debelleyme 75003 Paris, France
https://ogata.com

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