音楽に関する“Loved One”とは?

──音楽は普段、どのようなジャンルを聴きますか?
音楽に関しては、もう本当に雑食ですね。でも、やっぱりいい音楽を聴きたいという思いはずっとあります。いい音楽の基準が何かということを言葉で表すのは難しいのですが、耳に入ってきた時に、それが頭の中でリフレインしたり、自然と歌詞を口ずさんだりという何かの作用を生むものだと思います。元気になったり、もうちょっと頑張ってみようとチアアップされたり、苦しみや悲しみを浄化するような作用も当てはまりますね。インタラクティブに体や心が動く音楽といえるでしょうか。そういう音楽は、繰り返し聴きたくなりますし、その曲を作ったアーティストの他の作品が気になったりしますね。
──気になるアーティストはいらっしゃいますか?
さっき、支度をしながら聴いていたのは、ルイス・コールがオーケストラとコラボレーションした「nothing」というアルバムです。オーケストラが好きですね。最近、オーケストラとのご縁も感じます。2025年には、「ビルボード クラシックス」のツアーで初めてフルオーケストラコンサートを行わせていただき、5月には「クランチロール・アニメアワード2026」で東京フィルハーモニー交響楽団のみなさんと「History Maker」を歌わせていただきました。オーケストラの方々との共演は、毎回いろいろな気づきをいただき、ミュージシャンとして成長のきっかけをいただいていると感じます。
同時に、母親を思い出し、懐かしい気持ちにもなります。もともと、オーケストラを好きになったのは、ピアノの先生である母親の影響で、子どもの頃からたくさんのクラシック音楽を聴いて育ったからなんです。オーケストラによるクラシック音楽の演奏は、防音室の中で母が弾いていた曲や母がステレオで聴いていた曲なんかが思い出されて、タイムスリップしているような不思議な感覚になります。ここ数年は、改めてクラシック音楽には、そういった時を超える魅力があると身に染みて感じています。
──俳優、モデル、映画プロデューサー、アーティストとして幅広く活躍されていらっしゃいますが、幼少期から深く関わっている音楽は表現者としてどのような存在でしょうか?歌を歌っていてよく思うのは、音楽は自分のマインドがそのまま映し出されたものだということです。自分の心がそのまま音声として転写されたものという感覚でしょうか。
──面白いですね。演じている時は、どのような感じなのでしょうか?この例えが正しいかわからないのですが、乗馬で手綱を握っている感じです。ここでキュッと締めながらこっちを解放させるとか、ジャンプをしたり、加速や減速をしてみたり、足踏みをさせたり、右に曲がったり、左に曲がったり、バックをしてみたりとか。自分という馬なのか、象なのかよくわからないのですが、自分という表現の乗り物を、もう一人の自分が意識と呼吸を使って操っているようなイメージです。手綱を使って、細かく喜怒哀楽の表現をするみたいな感覚で演じています。
──乗馬歴は長いのですか?もう20年ぐらい経ちますね。きっかけは仕事ですが、大好きですね。中華圏では、俳優として馬に乗れることが常識なんです。
──乗馬も一つの“Loved One”ですね。そうとも言えますね。