賀来賢人とデイヴ・ボイル監督が立ち上げた映像製作スタジオ「SIGNAL181」のデビュー作『Never After Dark/ネバーアフターダーク』で主演を務めた穂志もえか。「怪物ではなく人間ドラマにこそ、この物語の核心がある」と話す彼女は、本作を通じて自身の感覚を見つめ直したという。ホラーの世界に初めて身を投じた穂志が役へのアプローチと創作への思いを明かした。
ものづくりに対するピュアな愛にほだされて
──俳優の賀来賢人とデイヴ・ボイル監督が共同設立した映像製作会社「SIGNAL181」の一本目で主演を射止めました。出演の経緯を教えていただけますか。
フリーランスの頃に、「突然すみません。賀来賢人のマネジャーです」というあいさつから始まるメールを受け取ったんです。そこに添付されていた『Never After Dark/ネバーアフターダーク』の企画書を読み、興味を持ちました。開拓者のイメージが強い賀来さんの目に留まり、新しいことに挑戦するタイミングで誘ってもらえたのもうれしかったです。
──穂志さん自らがメールを読んだのですね。そうです。その時期は連絡を取り合うのと、スケジュール調整も自分でしていたので。返信してからすぐに、デイヴを含めた4人で顔合わせをしました。
──オファーがあったのはいつ頃でしたか?2024年の4月だったと思います。その2か月前の2月にドラマ「SHOGUN 将軍」の配信がスタートしました。この作品が日本で脚光を浴びたのはエミー賞18冠がきっかけでした、実は本国では配信の直後から話題になっていたんです。海外での動向をいち早く察知し、私に声をかけてくださったようです。
──穂志さんの演技に惹かれたんでしょうね。ありがたい半面、プレッシャーでもありました。
──どんなところに?主演であることです。商業面での成功も目指している作品だと感じたので、顔合わせの場で「私はあまりお客さんを呼べないかもしれません」と正直にお伝えしました。すると賀来さんが「心配はいりません。面白い脚本と才能のあるスタッフとキャストで作れば、世界に通用する作品ができるというのを証明したいんです」と話してくださって。その言葉に共鳴しました。私自身も賀来さんやデイヴと同様に、日頃からクリエイティビティの力を信じています。2人のチャレンジ精神に賛同する一方で、私を起用する点はギャンブラーだとも感じましたけれど(笑)。
──ものづくりに懸ける熱量の高さがうかがえるエピソードです。映画製作に対する本音をさらけ出したことで、同じ志を持つ仲間と出会えたという喜びも大きかったです。台本の完成前でしたが、このプロジェクトに参加したいという気持ちが湧き上がってきて、気づくと「お願いします」と言っていました。