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おしゃれな家には必ずある!? 「USMハラー」実は知らない名品モノガタリ

時流には流されないが、時をしなやかに受けとめ、そして時代を超えて愛される。暮らしを彩るそんな名品の数々を紹介する連載。今回は必要に合わせて拡張も組み替えも自在にできる、モジュラーシステム家具「USMハラー」をピックアップ。

「形態は機能に従う」を企業理念に

「美しい家具とは機能がシンプルにデザインされ、人と空間に心地よさを与えるもの」。それがスイスに拠点を置くUSMの企業理念だ。

システム家具の代名詞ともいえる「USMハラー」は、その理念を体現し半世紀前に誕生した。標準化されたモジュールから組み立てられるため、生活環境やライフステージの変化に応じてシステムの追加や組み替えが自由にできる柔軟性が何よりも魅力である。

1960年代、家族経営の会社を近代化

19世紀末に、小さな家族経営の金属加工および錠前業の会社スタートしたUSMが近代化へと大きくかじを切ったのは1960年代初頭のこと。創業者の孫であるポール・シェアラーの入社をきっかけに、工場や本社を近代的に刷新したことが変革への大きな転換点となった。

チューリヒのスイス連邦工科大学で工学を学び、ミース・ファン・デル・ローエやル・コルビュジェを崇拝していたポールは、当時、革新的な作風で知られていたスイス人建築家フリッツ・ハラーに新しい工場とオフィス用パビリオンの設計を依頼する。

必要に応じて建物の広さを拡大・縮小できる鉄骨モジュラー建築システムを提唱していたハラーは、その建築理論に基づき、USMのためにこれまでにないフレキシブルな構造の新工場とオフィスを設計した。

モジュラー建築の原理から生まれた家具「USMハラー」

フリッツ・ハラーが考案したモジュラー建築システム「MAXI」に基づいて設計された新工場

ガラスとスチールでできた最新式の建造物。その建設が進むなかで、ポールはそのシンプルでモダンな空間に似つかわしい家具がないことに気づいた。市場に出まわるのは、昔ながらの木製の家具ばかり。

そこでポールはモジュラー建築システムに合う新しい家具の開発をハラーに持ちかける。ハラーは自身の建築理論を家具へと落とし込み、こうして革新的なモジュラー式システム家具「USMハラー」が誕生した。

1965年当時のUSM新オフィス。USMハラー第1号でレイアウトされている

システムの要となったのは、ボール状のパーツを使用した独創的なコネクターだ。6方向に穴があり、その穴にスチールチューブをつなぐことで、ユニットの構造を上下・左右・前後に延長することが可能になる。このコネクターの発明によってシステム家具としての展開が大きく広がることになり、1965年に特許を取得。世界的な企業へと発展する。

システムの要である真ちゅう製のボールコネクター。スチールチューブを頑丈かつ多方向に連結する

高精度・高品質の代名詞「スイスメイド」へのこだわり

1885年の創業当時と変わらず、現在も本社や工場はスイス、ベルン市近郊のミュンジンゲンに置かれ、メイド・イン・スイスを守りつづけている。製造工程では、たとえばひとつひとつの部品を人の目で複数回検査し、すべての扉の蝶番(ちょうつがい)は開閉を何万回もテストする。こうした厳密かつ厳格な品質基準の持続こそが「良いものを長く使う」というUSMのブランド哲学を支えている。

スイスのミュンジンゲンにある広大な工場。USM唯一の製造拠点だ
お問い合わせ先

USMモジュラーファニチャー


https://www.usm.com/

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