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ニューヨーク在住MAIKO SEMBOKUYAの【描きたい人たち】vol.2 ハロウィーン編
2022.11.27 / marie claire
ブルックリン在住の日本人イラストレーターMAIKO SEMBOKUYAが、ニューヨークで見つけた人、モノ、コトについてイラストで綴る新連載。約16年間、ニューヨークで暮らす筆者が、改めて思うニューヨークの魅力とは? 描き下ろしイラストとともに、旬な便りをお届け!
2022.11.27 / marie claire
ブルックリン在住の日本人イラストレーターMAIKO SEMBOKUYAが、ニューヨークで見つけた人、モノ、コトについてイラストで綴る新連載。約16年間、ニューヨークで暮らす筆者が、改めて思うニューヨークの魅力とは? 描き下ろしイラストとともに、旬な便りをお届け!
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ちょっと前の出来事のお話ですが、今年のハロウィーンのお話を。
ニューヨークの街路樹が赤や橙(だいだい)、黄色と秋色に色づき始めるこのころ、スーパーや量販店、ホームセンター等の店先にはさまざまな大きさや形のハロウィーン用のかぼちゃが並び、各々の形でハロウィーンに向けての準備が始まります。
コスチュームは何にするのか、なんて会話が飛び交ったり。
また、ハロウィーンの翌週には Daylight time saving(夏時間から冬時間へ切り替わる日)などもあり、この時期は年末に向けて精神的にも肉体的にも一年の節目のシーズンなのです。
ハロウィーンの当日の夜は、ニューヨークのいたるところでトリックオアトリートが行われます。仮装した子供たちが一軒一軒お家をまわり、お菓子をおねだりする習慣です。
私たち一家も歩いて20分ぐらいのところにあるClinton Hillというエリアへ。
この地区は毎年ハロウィーン当日、この日のために各住人たちが軒先を大々的に飾り付けたり、ワンブロックを封鎖し(歩行者天国?)バンドを雇って、「ゾンビコンサート」という名目の催し物等が開催されます。
ハロウィーン当日はコスチュームを身にまとった親子連れで、まー、人、人、人……でごった返すのです(いつもは静かな住宅街なのに)。
他人同士コスチュームを褒めあったり、一緒に写真を撮ったり、そんなシーンも見かけました。
コロナを気にせず多くの人が集まったハロウィーンは久しぶりでした。コロナが始まって3年目。結構な人込みでしたがほぼ誰もマスクはしていませんでした。ニューヨーカーのコロナへの警戒心が薄れてきたのかな。ちなみに風邪をひいていた私たち一家はマスクをつけて……。
2020年のハロウィーンの夜は酷かった。
その夜もClinton Hillに出かけたのですが、家の装飾はほぼなし。少し遅い時間だったこともあり、人っ子一人おらず、まさにゴーストタウン。『Black Lives Matter』運動の真っ最中、そんな時にかぎってポリスマンのコスチュームを要求した息子と真っ暗なゴーストタウンを歩いた日が忘れられない。
優しい何軒かの住人は訪れた子供たちを思ってか、
玄関先にキャンディーの入ったバケツを置いてくれていました。
あるいは、「虫歯の治療費は高いからキャンディーはありません」
なんてユーモアまじりの貼り紙をしているおうちも……。
今年はコロナ前のハロウィンの雰囲気がすっかり戻ってきたのかなあ、と感じました。
毎年楽しみにしているおうちの装飾は、いろんな表情に彫った大きなかぼちゃのランタンをいくつもずらりと並べたおうち。かぼちゃは硬いし、大きいのでランタンを作るのは結構大変なはずなのに、丁寧に彫られたかぼちゃさんの表情から熟練の腕を感じます。ハロウィーンのイベントはアメリカに来て、家族ができて初めて参加するようになりました。
毎回思うのは、この夜はとても平和的な雰囲気で満たされて大人も子供も笑顔だということ。
家族を大切に思う気持ちとか、他人だったり、地域だったりを思いやる気持ちをこの日はぐっと感じられます。
ぼんやりだけど なんとなく幸せだなーって、そんな日なのです。
渋谷のハロウィーンとはちょっと違うかな……。
text & illustration: Maiko Sembokuya
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Profile
MAIKO SEMBOKUYA
センボクヤマイコ、イラストレーター。千葉県生まれ。テンプル大学 タイラースクールにて絵画科を専攻。手描きにこだわり、手描きをベースに制作。美容、ヘルス、食、音楽など、国内外の雑誌や広告等でイラストを手がける。www.maikosembokuya.com
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