【星野リゾートを唎く】渓流に抱かれて過ごす愉悦。「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」で、千変万化の自然に癒やされる
高さ8.5メートル、重さ5トン。中央の岡本作品が背景の自然と絶妙にマッチし、宿泊客を非日常へいざなう
青森、秋田の県境に広がる十和田湖。その湖水の注ぎ込む奥入瀬渓流は神秘的な雰囲気に包まれ、年間を通して多くの観光客を引きつける。その渓流沿いに建つ唯一のリゾートホテルが、「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」だ。この上ない立地に加え、ダイニングでは洗練されたフランス料理が供され、渓流のせせらぎを聞きながら温泉を楽しむこともできる。ガイドに導かれて、奥深い奥入瀬の自然と対峙するのも楽しい。季節や時間帯によって異なる表情を見せる清流に抱かれて過ごす圧巻の宿泊体験をあなたにも。
奥入瀬を訪れると、思い出す絵がある。雪舟等楊が室町時代に描いた国宝「秋冬山水図」。12月11日まで、東京国立博物館の「国宝」展で展示されている。同館東洋館地下1階でも12月25日まで、「秋冬山水図」を含む、雪舟の山水画を細密な大画面で紹介する上映会も開かれている。オーバーハングする断崖が水墨画で描かれ、まるで現代の抽象絵画のよう。この世にこんな奇景があるのだろうかと疑問に思っていたが、それがあったのだ。東北の奥入瀬に!
ポスターに印刷された雪舟の山水画。垂直な線が目立つ急峻な崖が印象的だ(撮影・高橋直彦)
太古の天変が築いた自然のハーモニーを満喫
渓流に沿って約14キロの遊歩道の両側の至る所に、あの「雪舟の崖」が切り立ち、その合間から瀑布が飛沫をあげながら流れ落ちる。垂直な崖に縦横に走る割れ目は、溶岩が固まる時にできたもので「節理」と呼ばれる。カツラやブナなどの樹木、そして300種にもなる苔の緑、豪快な清流、そして、節理を含む、太古の天変が築いたU字形の渓谷……。こうした自然の織りなす絶妙のハーモニーに国内外の多くの人が魅せられてきた。
奥入瀬で見かけた板状節理。雪舟の描いた山水画の崖と似てません? 岩の上で苔が豊富に育ち、その上に樹木が育つことも(撮影・高橋直彦)
ネイチャーガイドに案内してもらった名瀑の周囲にも柱状節理が。これぞ天下の奇観(撮影・高橋直彦)