【OMOを唎く】ディープな大阪をエレガントに体感。今春開業した「OMO7(おも)大阪 by 星野リゾート」で、なにわにほれる
外壁を膜材で覆って日射量を軽減し、省エネにつなげる試みも取り入れている
大阪に土地鑑が多少あれば、JRや南海電鉄の「新今宮駅前に開業した」と聞いただけで、好奇心を持つはずだ。星野リゾートが運営する都市観光ホテル「OMO7大阪」。通天閣がそびえる新世界エリアも近く、大阪らしい下町の風情に触れられる。一方で、ホテル敷地内に広大なガーデンエリアを擁し、ダイニングでは大阪の郷土食に触発されたイノベーティブな料理も楽しめる。「なにわ」ならではの人なつっこいもてなしと、OMOならではの洗練された空間と上質なサービスが融合した希有な宿泊体験を堪能したい。
大阪へは仕事でよく行く。新幹線を新大阪駅で降り、地下鉄の御堂筋線に乗り換え、立ち寄るのは梅田、心斎橋、そして南はなんばあたりまで。それらの駅を慌ただしく往来して、日帰りで東京に戻る。街を隙間なく埋める高層ビルには欧米の高級ブランドが店を構え、会う人たちの物腰もスマートで柔らかい。大阪では今、2025年の万博開催に向け、至る所で再開発も進む。街角で聞こえる関西弁のイントネーションやエスカレーターで右側に立つことを除けば、東京の都心とほとんど変わらない。
安くてうまい。ジャンジャン横丁にある串カツの専門店では食事時になると行列が絶えない(撮影・高橋直彦)
新世界エリアで「大阪らしさ」に触れる
だから、テレビの旅番組などで紹介される「大阪らしさ」に触れたいと思う人は、御堂筋線のなんば駅からさらに南下して、動物園前駅へ向かうことになる。新世界エリアのカオスな世界が広がっているからだ。ランドマークは通天閣。駅からそこへつながる約180メートルのジャンジャン横丁には、串カツ専門店や碁会所、そしてレトロな喫茶店などがギッシリと軒を連ね、多くの観光客で賑わう。大手資本が全国展開する飲食チェーンはほぼ見当たらない。通天閣周辺には、客寄せの大きなふぐ提灯の下に「ビリケンさん」が鎮座し、飲食店や劇場の極彩色の看板が煌めき、目がくらんでくる。これぞ、大阪!
キッチュでカオスな状態が大阪らしさを感じさせる新世界エリア(撮影・高橋直彦)
実はこの辺り、交通の便がすこぶるいい。動物園前駅には堺筋線も通っていて、隣の恵美須町駅も新世界に近い。さらにJRや南海電鉄の新今宮駅に、阪堺電気軌道の新今宮駅前駅もある。南海電鉄を使えば、関西国際空港からもノンストップで訪れることができる。新今宮駅のすぐ南側には労働者の街でもある釜ヶ崎地区も広がっている。
広々とした「いどばたスイート」は大人数の女子旅に最適