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Lifestyle

国際ガールズ・デーに考える 世界でも特殊な「日本女性の政治意識」

世界75か国以上で活動する国際NGO「プラン・インターナショナル(以下、プラン)」が世界の若い女性の政治に関する意識調査を発表した。

世界では女性が積極的に政治に参加しようとしているのに対し、日本では政治へ関心が低いことが浮き彫りになった。プランでアドボカシーグループのリーダーとして活躍する長島美紀さんに話を聞いた。

2022年の「世界ガールズ・レポート」の特徴は?

プランは1937年に創立。すべての子どもたちの権利が守られるよう、特に女の子や女性への支援に力を入れている。モデルの森星さんがアンバサダーを務めている。

若い女性の権利や社会的地位の向上を広く呼び掛けることを目的に、プランが国連に働きかけ、10月11日は「国際ガールズ・デー」とされている。プランは毎年この時期に、様々なテーマで若い女性の現状を伝える「世界ガールズ・レポート」を発表している。今年の調査は、日本を含む世界29か国で、15歳から24歳の女性約2万9000人を対象にした。

調査結果によると、全世界では「政治参加は大切だ」と回答したのは97%。さらに、83%が何らかの政治活動に参加した経験があると回答した。一方で、自分たちの意見に対しての政治家の決定に満足しているとの回答は、11%にとどまっており、意見がなかなか通らない現状への不満が垣間見える。

日本では、全体的に政治参加のレベルが世界平均より著しく低く、女の子や若年女性の59%が何らかの形で政治に参加している、または政治に関わったことがあると回答した。

長島さんは「日本では、仲間と一緒に政治について考えることや、政治家に自分たちの意見を伝える活動が多くない」と指摘する。

国際NGOプラン・インターナショナル アドボカシーグループ リーダー 長島美紀さん
国際NGOプラン・インターナショナル アドボカシーグループ リーダー 長島美紀さん

一方で、「自分たちの要求や提案が政治的に認められる」と考えているのは29%で、世界平均の50%を大きく下回った。日本の女性も政治に決して納得しているわけではない。

「社会変革をもたらすためにSNSなどで自分が関心をもつ問題について発言したい」という回答も42%あり、意見を社会に伝えたいという思いは根強い。

「日本の女性は政治に対して発言したいという思いはあるのですが、その方法を知らなかったり、自信がなくて行動につながらなかったりするのではないでしょうか」と長島さんは分析する。自分はリーダーのキャラではないと答える人がとても多いという。

国際NGOプラン・インターナショナル アドボカシーグループ リーダー 長島美紀さん
支援活動をする長島さん(本人提供)

日本女性が意識を変える3案

政治参加への意識を高くするにはどうすればいいのか。長島さんによると、(1)「自分たちが暮らしやすくなるという視点で考える(2)意見を発言する(3)賛同する――の三つがポイントになる。

(1)では、政治というと自分とは関係ないと思いがちだが、この場所に横断歩道がほしいなど、自分の半径1メートルくらいで、気になることがあれば、それを変えていくように行動していく。

(2)では、意見を発言する「訓練」を続けることが重要になる。自分の意見を発言する経験を積めば、それが自信につながる。特に若いうちは、学校で運動会や文化祭などの行事を通して学んでいくことが大切になる。

(3)は、若い世代だけでなくほかの世代にも当てはまることで、声をあげた人の意見にきちんと反応し、受け入れていく。

長島さんはこう力を込めた。「こういった環境を作ることも大事です。それができれば、日本の中でも少しずつ変化は出てくると思います」
text: Momoko Okubo

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Profile

長島美紀(ながしま・みき)

国際NGOプラン・インターナショナル アドボカシーグループ リーダー


早稲田大学大学院で先進国の難民受け入れ政策を研究。なかでも、FGM(女性性器切除)を理由に難民認定申請をする事例について研究活動を行いながら、UNHCR駐日事務所や難民支援を行うNPOにインターン/リサーチャーとして関わる。その後さまざまなNGOや財団の運営や広報・キャンペーン、事業運営、政策提言活動に従事。プランでは、政策提言事業、特にジェンダー主流化、「女性の社会での活躍」を中心に提言活動を行う。著書に『FGM(女性性器損傷)とジェンダーに基づく迫害概念をめぐる諸課題―フェミニズム国際法の視点からの一考察』(早稲田大学出版部、2010年)がある。

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