ファッション・ウィークの先陣を切る東京で、注目したいクリエイターの発信力

Lifestyle

2022.08.25

ファッション・ウィークの先陣を切る東京で、注目したいクリエイターの発信力

Rakuten Fashion Week TOKYO 2023 S/S のキービジュアル ©JFWO

マリ・クレール編集長、田居克人が月に1回、読者にお届けするメッセージ。 8月29日~9月3日まで開催予定の「Rakuten Fashion Week TOKYO 2023 S/S」。リアルなショーの開催が難しかったこの数年を経て、ファッション界はどんな形で情報発信を試みてくるのか──。見逃せないイベントになるのは間違いありません。

日本のファッション界を牽引してきた

7月26日、JR原宿駅前にあるwith HARAJUKUで「Rakuten Fashion Week TOKYO 2023 S/S」の記者発表が開かれました。

そこで発表されたのは開催概要、参加ブランドとスケジュール、それに発信力を強化するためのシーズンキービジュアルの公開とアーティストの紹介、またデジタル施策についてでした。

発表に当たったのは一般社団法人 日本ファッション・ウィーク推進機構の面々。今回は『マリ・クレール』もオフィシャル・メディアとして協力しています。

日本のファッション・ウィークといっても多くの方には馴染みがないかもしれませんが、長い歴史を持っています。

1974年、当時のプレタポルテ業界のトップデザイナー6人がTD6というグループを結成し、パリのプレタポルテ見本市の小型版をスタートさせました。おたがいを競争相手として見ているデザイナーたちが、同時期に作品を発表するというシステムをまとめるには大変な努力が必要だったと思いますが、バイヤーやメディアにとってはとても便利な案でした。
このTD6が翌年には東京ファッション・ウィーク(TFW)として動き始め、東京コレクションに引き継がれ、多くの日本人デザイナーが素晴らしい作品を発表し、日本のファッション界をリードしてきたのです。読売新聞社も1985年には周年事業の一環として東京コレクションをサポートしたことがあります。

その後21世紀に入り、「日本ファッション・ウィーク」と名称や運営組織が変わったりしましたが、2019年からは「楽天」が冠スポンサーとなり、「Rakuten Fashion Week TOKYO」となったわけです。

今シーズンの開催期間は8月29日(月)から9月3日(土)までとなり、世界の4大コレクションのトップを飾るニューヨーク・ファッション・ウィークの前に開催されます。

世界中のファッション業界がコロナ禍で苦しい時期を過ごしてきましたが、日本ファッション・ウィークも例外ではありません。しかしコロナ禍で培ってきた「デジタルとフィジカルの融合」と「グローバルな発信力の強化」という2大フォーマットの価値をさらに高めていくつもりとの発言もありました。
そのため今シーズンもデジタル施策や注目度の高いキービジュアルを通じてファッション・ウィーク全体の発信力を高め、シーズンごとに進化するデジタル表現と、実際にショーを見せるフィジカルとの、両方が混在した発表になるとのことです。ちなみに参加ブランドは49ブランド、そのうちフィジカル発表は27ブランド、デジタルでの発表は22ブランドです。

また、冠スポンサーの楽天が日本のファッションブランドをサポートするプロジェクトでは、上質なパターンときめ細かな縫製技術をベースに、一貫して衣服としての機能を重視した着心地のよい日常着を提案している「ヨシオクボ」と、色鮮やかで細かいパッチワークや人間の身体にとらわれない独創的な形、ファッションとテクノロジーを融合させた服が特徴の「アンリアレイジ」がリアルなショーを開催します。

昨年から実施されている「ファッションを通してできるSDGs」施策では、ファッション・ウィーク初参加の2ブランド「ハイドサイン」「ベイシックス」が、サステナブル素材を使用したコレクションを発表します。

ヨーロッパでは今年の夏は記録的な猛暑に見舞われています。ポルトガルでは山火事が頻発し、ロンドンでは摂氏40度を超える日が続いたりしています。日本も例外ではなく、今年の梅雨明けは今までと比較するととても早く、その後には耐えがたい暑さが続いています。

このように明らかに気候変動とみられる環境被害が出ている中で、多くの海外ブランドやデザイナーは、環境問題への取り組みを明確に示しています。ヨーロッパと比較すると環境問題に関心が薄いと思われている日本でも、ファッション業界がこのような機会にSDGsをテーマにしたコレクションを支援し、発表の機会を設けるのはとても意義深いと思います。

どこよりも早く開催される東京でのファッション・ウィークで、海外にも負けない環境問題へのアプローチを示そうとする意志を持ったクリエーターが、さらに多くあらわれることを期待しています。

2022年8月25日


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©︎marie claire

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