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気分が上がるコワーキングスペース

リモートワークの広がりで、働く場所をその日の気分で変えることができる環境が生まれています。気分転換をしたり旅先で立ち寄ってみたり、お気に入りのカフェのような感覚で「コワーキングスペース」を利用してみませんか。

ピンクがアクセント フランス宮殿のインテリアを楽しむ

「ローズガーデン」のほど近くにあるコワーキングスペース

伊豆半島の東南部に位置する河津バガテル公園は、フランスのパリ郊外のブローニュの森にあるバガテル公園の姉妹園です。園内には、約1100種6000株のバラが植えられたフランス式庭園「ローズガーデン」があります。ローズガーデンの入り口近くに2021年4月にオープンしたのが、コワーキングスペース「Working Space Bagatelle」(ワーキングスペースバガテル)です。緑に囲まれた邸宅の看板には「ワーキングスペース」の文字。邸宅の2階に上がると、アンティーク家具が配置された落ち着いた空間が広がります。

ピンクをアクセントカラーにした共有スペース

「ワーキングスペースバガテル」は、フランス料理のレストランだった洋館をリフォームして生まれました。共有スペースとなる広間は、濃いピンクの椅子の張地が華やかさを添えています。運営を担当する河津町まちづくりアンバサダーの和田佳菜子さんは「フランスのベルサイユ宮殿のインテリアを参考にしました。宮殿でピンクが使われていたことをヒントに、思い切ってショッキングピンクをアクセントにしました」と語ります。

ワーキングスペースバガテルのデスクや椅子は、レストランのオープン時にフランスから輸入した家具を使用しています。会議室の椅子は、新たにクッション部分にマリー・アントワネットが好きだったピンクのバラの花が印象的な生地に張り替えました。共有スペースの小上がりの畳は、「河津桜」をイメージしたピンク色にしています。和田さんは「仕事の場所であっても、訪れた人の心が躍るような非日常空間をつくりたいと思いました」といいます。インテリアにこだわり、リフォーム費用はクラウドファンディングで集めました。実際、インテリアを気に入って定期的に訪ねてくださるお客様もいるそうです。

ダイニングテーブルとピンクのバラ模様の椅子

ドリンクにもこだわり、コーヒーは深みと香りが特徴的なブレンドと酸味が特徴的なブレンドの2種類を用意し、コーヒー豆は、同じ静岡県内のコーヒーの焙煎をしている「石垣珈琲」から購入しています。おすすめは、「季節のフルーツサイダー」。河津町でとれる季節の果物を自家製のシロップにし、炭酸と一緒に飲みます。2021年の夏は、柑橘サイダーが楽しめるそうです。

和田さん自身、景色や食べ物をはじめ町の雰囲気に魅力を感じて静岡県内の別の都市から移住しました。ワーキングスペースバガテルには、「河津町をゆっくり観光しながら、その合間に、WEB会議など仕事のスペースとして多くの方に利用していただければ」と期待を寄せています。

ワーキングスペースバガテルの営業時間は午前9時半から午後4時。利用金額は1時間500円で、1日1000円。無料でWi-Fiも利用できます。

公園内では、バラ園のほかに18世紀のフランスの街角をイメージした広場などさまざまな「非日常」を楽しむことができます。

フランスの街角をイメージした広場

太陽の光を感じる快適な空間で仕事

太陽の光を感じながら快適な空間で仕事ができるのが、2020年8月に開業したハイアット ハウス 金沢のコワーキングスペースです。ホテルの「Hバー」で飲食をすれば、ホテル3階のフロア全てを自由にワークスペースとして利用できます。ソファー席、テーブル席、縁側、テラスの席を自由に移動できます。過ごしやすい季節は、靴をぬいで自由に過ごすことができる縁側がおすすめです。

金沢の伝統美を生かした明るく開放感のある空間

ホテル全体が加賀藩ゆかりの伝統工芸に着想を得たインテリアを取り入れており、3階フロアは、町屋をコンセプトに天井部には木組をモチーフとしてデザインした照明をあしらい、現代的でぬくもりのある空間を演出しています。加賀手毬をイメージした丸みのあるデザインのソファーもあり、金沢の美の伝統を感じることができます。

同ホテルのマーケティング・コミュニケーションズの狩谷順子さんは、「お客様はその日の気分で席をお選びいただけます。天井も高く、広々とした開放的なワークスペースはどなたにも心地よく気に入っていただけると思います」と魅力を語ります。

靴を脱いでくつろげる縁側の席

また、ホテルのカフェやバーとして利用できる「Hバー」でドリンクを注文する際、「コワーキングの利用」と伝えると、2杯目からはソフトドリンクが半額になります。「Hバー」では、ソフトドリンクをはじめ、クラフトカクテル、こだわりのワインやビールもあり、夏にぴったりの清涼感あふれるスムージーが楽しめます。そして少しお腹がすいたら、飲み物や軽食などをテイクアウトできる「Hマーケット」でバラエティ豊かなスナックや「Hバー」のマフィンやライスバーガーをはじめ、隣接するホテル「ハイアット セントリック 金沢」の「FIVE – Grill & Lounge」のテイクアウトメニューもイートインで利用できます。「Hマーケット」の利用のみでも、コワーキングスペースを使用できます。

電源やUSBポートを配備したテーブル席もあり、携帯電話の充電器も貸し出すなどビジネスのバックアップ体制も万全です。金沢駅から歩いてすぐの好立地にあり、地元の方だけでなく、旅の途中や電車の待ち時間に利用される方が多いといいます。狩谷さんは、「最近、アドレスホッピングを取り入れた働き方をされているビジネストラベラーが増えてきているような気がします」と今の時代の働き方の変化も感じています。

お問い合わせ先

Working Space Bagatelle(ワーキングスペースバガテル)


https://www.nano-hana.online


河津バガテル公園


https://bagatelle.co.jp/


Hyatt House Kanazawa Lounge


 ハイアット ハウス 金沢


https://hyatthousekanazawa.jp

Profile

正本恭子

読売新聞記者として企業や官公庁・自治体などを取材。現在、ビジネスのトレンドをはじめワークスタイル、ライフスタイルなどをテーマに記事を執筆している。

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