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「ファッション・アートの街・東京」を世界に発信する「東京クリエイティブサロン」がスタート

東京の5エリアに設置される「A_BOX」のイメージ

マリ・クレール編集長、田居克人が月に1回、読者にお届けするメッセージ。マリ・クレールで1月27日号から毎月紹介してきたファッション・アートイベント「東京クリエイティブサロン」がいよいよ開幕します。 コロナ禍における新しい生活様式に生き方や考え方も引っ張られていく昨今にあって、自分のなかに眠ったままになっていた「創造性」に刺激を与える──「東京クリエイティブサロン」がそのきっかけになるかもしれません。

街の文化・歴史をもとに賑わいを生み出す

RE  CREATION
東京 | 創作の再定義
日常が壊れ、新しい当たり前の確立が急がれる時代に。
生きることを豊かにして来た私たちの創造性を、忘れかけていないか。
街が蘇るたびに、複雑で多彩に進化してきた東京のクリエイティビティは、タフで、自由で、可能性に満ちている。
さあ、服を着て、外に出よう。創造性を楽しもう。
新しい明日を、また創ろう。

これは、3月15日から始まった「TOKYO CREATIVE SALON 2022」のステートメントです。このコピーには、「東京よ。創造性に回帰せよ。」というサブタイトルともいえるキャッチが続いています。東京という街の持つ創造性を再度認識しなおし、世界に向けて日本のクリエイティビティを発信しようという意志を感じさせるものです。

具体的には、日本橋、丸の内、銀座、渋谷、原宿の5ヵ所に、「A_BOX」と呼ばれる大きな箱のような建造物が置かれ、その中でアーティストたちがインスタレーションを展開します。ファッションから始まる生活デザイン、音楽、食、建築などのクリエイティビティがそのテーマになっています。日本橋ならではの、原宿ならではのクリエイティビティとはなんなのか、各エリアを象徴するものを様々なインスタレーションで発信していこうというものです。

このアートイベント「TOKYO CREATIVE SALON」は2020年に第1回が開催されました。日本アパレル・ファッション産業協会が立ち上げ、東京都が支援しています。統括実行委員会実行委員長は、元オンワードホールディングス社長・会長を務めた廣内 武さん。廣内さんはこのイベントを「例えるなら、ミラノサローネのように育てていきたい」と語ります。もともとイタリアン・デザインの家具の見本市として始まった「ミラノサローネ」は、今では家具やデザインだけでなく幅広い展示が開催され、期間中は世界中から多くの人を集めています。結果、ミラノはファッションだけでなくイタリアのデザインの中心であるという評価を得ました。

東京もミラノのように、ファッションを軸に東京の産業を活性化し、パリ、ミラノ、ニューヨーク、ロンドンに次ぐファッション・アートの街であることを世界の中で位置づけていきたいというのが、このアートイベントの大きな趣旨でもあるのです。

そのために必要なことは、東京という概念的な都市としてではなく、東京をかたち作るそれぞれのエリアが持つ特色を打ち出すべきではないかとプロジェクト協働プロデューサーを務めるクリエイティブディレクターの齋藤精一さんは話しています。「東京の街は、今やどこも同じような顔を持ち、同じような商業施設があふれています。しかしそれぞれの街はそれぞれの歴史や文化、特色を持っている。そういった視点から“つかみどころ”のある計画を立て、その街らしい賑わいを生み出す必要があると思います」

『marie claire』では、3月31日まで開催されるこのアートイベントを応援するために、今号の「BOOK IN BOOK」で特集しました。ぜひ、このイベントを実際に体験していただければと思っています。

2022年3月17日

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