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超お得な秋の行楽きっぷで銚子電鉄や小湊鉄道など千葉のローカル私鉄を楽しもう

ほどよく肌寒く、歩いているとちょっと汗ばんでくる11月は、1年のうちでも絶好のお出かけシーズンです。秋の行楽にオススメのお得な周遊券をご紹介します。

千葉県内のJR全路線と4大ローカルが2日間乗り放題で3970円

今回、ご紹介するのは、JR東日本が11月1日から29日まで期間限定で販売している「2日間乗り放題 サンキュー💗ちばフリーパス」です。1日から30日まで利用できます。名前にあるように、千葉県内のJR全路線が2日続けて、おとな3970円、こども1980円で普通席自由席(快速含む)が乗り放題できます。それだけでなく、千葉4大ローカル私鉄といわれる小湊鉄道、いすみ鉄道、銚子電鉄、流鉄流山線も同様に乗り放題です。

ほかにも、一部バス路線と千葉県富津市の金谷港と神奈川県横須賀市の久里浜港を結ぶ東京湾フェリーにも乗ることができます。JR東日本の千葉県内の主な駅(指定席券売機のみ)で発売されています。なんともお得なフリーきっぷで、使わない手はないと思います。

日帰り旅行の友には缶ビール

養老渓谷や大多喜城、チバニアンなど見所いっぱい

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どれだけお得かというと、たとえば小湊鉄道といすみ鉄道を利用した場合、JRとの乗り換え駅となる小湊鉄道の五井駅から景勝地として有名な養老渓谷の最寄り駅となる養老渓谷駅までの往復料金は2250円(おとな料金、以下同)で、全線乗り降り自由の1日フリー乗車券を使った場合だと1840円です。東京方面から総武線を使って千葉県に入った際の最初の駅になる市川駅から五井駅までは往復1364円で、市川駅から養老渓谷駅までの往復運賃は、これだけで最安3204円になります。

さらに小湊鉄道から連絡駅の上総中野駅でいすみ鉄道に乗り換え、外房線のJRの乗り換え駅となる大原駅まで行ったとすると、通常料金が往復1460円、1日フリー乗車券(平日)が1200円で、市川駅から大原駅までの往復は最安4404円で、すでにこれだけで2日分のフリーきっぷ代金のもとがとれます。

小湊鉄道、いすみ鉄道はローカル線ということで、本数が限られており、沿線には、養老渓谷に加え、大多喜城やチバニアンといった人気の観光地があります。途中下車して、観光を楽しみながらの利用だと、東京方面からだと大原駅までの往復で、ほぼ1日かかると思ってよいでしょう。

泊りがけでなく日帰り旅行2日が上手に使うポイント

大原駅から外房線を利用して市川駅まで帰るというルートもあります。途中の上総一ノ宮駅で東京駅行き快速に乗り換えると、83分で市川駅に着きます。意外と早く着きます。運賃は1518円です。小湊鉄道、いすみ鉄道の片道料金を含めて計算すると、合計の運賃は4370円になります。

房総半島の鴨川や館山への1泊旅行で、この「サンキュー💗ちばフリーパス」を使うとすると、2日でそれぞれ片道利用となるので、それほどお得感がありません。2日続けての日帰り旅行で使うのが、上手に使う際のポイントのようです。

いすみ鉄道のかわいらしい黄色の車両

都内から銚子に行くだけでもほぼ元がとれる

続いて、銚子電鉄を利用した場合について、シミュレーションしてみましょう。先と同じように市川駅を始点とすると、銚子駅までの往復が3960円で、この時点ですでにほぼもとがとれます。さらに銚子電鉄の銚子駅から終点の外川駅まで行くと、通常料金が700円、1日乗車券を利用しても同じ700円です。外川といえば、沢口靖子さんの出世作となったNHKの朝の連続ドラマ「澪つくし」の舞台としてよく知られています。1日かけて市川駅から外川駅を往復するだけで、すでに2日分のきっぷ代を大きく上回ります。

つまり、2日間にわたり、小湊鉄道といすみ鉄道、銚子電鉄を楽しむ日帰り旅行をしたとすると、「サンキュー💗ちばフリーパス」だと、通常の半分程度の費用で足りることになります。

しぶい駅舎の銚子電鉄外川駅

近藤勇の陣屋跡や旧道沿いのレトロな古民家が楽しめる流鉄流山線

実際に、昨年、この二つの旅を「サンキュー💗ちばフリーパス」を使って、楽しんできました。それぞれのローカル線のレトロな車両、外川駅のしぶみのある駅舎、上総一ノ宮駅前の食堂でいただいた海鮮丼、目当てのお店が長蛇の列で、やむをえなく入った町中華のチャーハンなど、どれもが心にしみわたりました。流鉄流山線は、どうした?という声が聞こえてきそうです。ふだんの通勤に流鉄流山線を使っていて、フリーきっぷを使うまでもなく、定期券で利用できたので、あまりありがたくありませんでした。ただ、これは個人的な事情で、流山には、新選組組長の近藤勇が投降した陣屋跡や、旧道沿いのレトロな古民家など、魅力ある観光スポットがいくつもあります。ぜひ、「サンキュー💗ちばフリーパス」を使って、流山を訪れてほしいと、地元民として心から願っています。

近藤勇が投稿した陣屋跡は流鉄流山線の流山駅から歩いて5分

Profile

二居隆司


読売新聞に入社以来、新聞、週刊誌、ウェブ、広告の各ジャンルで記事とコラムを書き続けてきた。趣味は城めぐりで、日本城郭協会による日本百名城をすべて訪ねた。写真は、昨年10月、姫路城を訪ねた際のもの。コロナ禍でマスクが必須となったことから、人生で初めてひげをたくわえています。

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