なんだか天気がパッとしなかった今年の夏。すっきりしない空模様のまま月日が過ぎて、心なしか遊び足りない気持ちを抱えたまま秋を迎えてしまった──。そんな自分に「よく食べ、よく寝て、よく遊ぶ」という、シンプルだけれど大切な感覚を取り戻させてくれたのが、「ANAインターコンチネンタル石垣リゾート」だった。
羽田から直行便で約3時間。思っていたよりずっと身近な南の島で、心と体を軽やかに解き放つ時間が待っていた。
石垣島で見つけた大人のためのリゾート
最近、一年を通してまわりの大人たちが石垣島へ旅している。実際のところ観光客数は、2025年に過去最多の約149万人を記録し、コロナ前の水準を大きく超えているのだとか。就航数増加や世界的な知名度の高まりも後押ししているようだ。
私が行った際の羽田空港から石垣島までの往復にした便は、ともに満席。利用者の年齢層も幅広く、人気の高さを感じた。

今回、宿泊した「ANAインターコンチネンタル石垣リゾート」へは、空港から専用シャトルバスやホテル手配のタクシー、またはレンタカーなど複数の移動手段があり、旅のスタイルに合わせて選べる。
施設はビーチに面した広大な敷地に位置し、4つの棟からなっている。ファミリー層に人気のオーシャンウィング、琉球(りゅうきゅう)畳でくつろぐコーラルウィング、そして2020年に新設されたベイウィングとクラブインターコンチネンタル。
滞在したベイウィングは、白を基調にチークの木や琉球石灰岩をあしらった、落ち着いた空間。海外のリゾートホテルを思わせる洗練されたしつらえで、ファミリー向けの賑(にぎ)やかな雰囲気とは一線を画し、言うならば大人がゆったりと自分の時間を過ごせるホテルだ。

客室は全室43.2m2で、バルコニー付きのオーシャンビュー。視界いっぱいにエメラルドグリーンの海が広がり、窓を開け放てば心地よい風が室内を通り抜ける。開放感のあるレイアウトとインテリアで、部屋にいるだけでもリゾート気分を味わえる。
浴室もゆったりとした広さがあり、バスピローまで用意されているのがうれしい。水回りの動線やさりげなく設けられたタオル置き場など、細かなところまで使いやすく整えられており、「さすが日本のホテル」と感心すると同時に、ほっとする。
また、ミニバーには石垣島のデザイナーによる茶器を採用するなど、ふとした瞬間にこの島らしさが顔をのぞかせる。

2シングル ベイウィング オーシャンビュー ハイフロア
透明な海に身を委ねて、日常を忘れる
石垣島は透明度の高い海と美しいサンゴ礁に恵まれ、南国らしいのどかな空気が流れている。訪れた日は雨予報だったが、2泊3日の滞在中、曇り空の合間に晴れ間も見られた。聞けば、島の天気は変わりやすく、天気予報だけではなかなか読めないのだという。
そしてこの地を訪れたなら、ビーチリゾートならではのアクティビティを楽しみたい。シュノーケルツアーをはじめとするマリンアクティビティは、ホテル公式サイトから事前予約ができる。
10月とはいえ、石垣島はまだまだ夏。水温は高く、混雑のピークを過ぎた海で快適に泳げる絶好のシーズンだ。
私も翌朝、ガイドさんらと小型ボートに乗り込み、シュノーケリングへ向かった。石垣島のシュノーケリングは一年を通して楽しめて、数あるビーチアクティビティの中でも一番人気だという。

数分沖に出ただけで、水中の景色は一変。海にもぐった瞬間、日常の音も予定も、一切合切が遠のいていく。無数のサンゴの間を石垣島固有種である鮮やかなブルーのソラスズメダイやエメラルド色の魚たちが泳ぎ、クマノミも発見。タイミングがよければ、ウミガメに出会えることもあるという。
約50分、海中に潜ったりしてゆっくり漂っていると、時間の感覚もゆるやかになっていく。海から上がったときに残っていたのは、疲れではなく体がふっと軽くなったような感覚。石垣の海に魅せられ移住する人が多いというのも、うなずける体験だった。
遊びもくつろぎも思いのままに
海から上がり、ホテルの敷地内のプールでクールダウン。そんな過ごし方も心地よい。
滞在したベイウィングのサンセットプールは、スライダーなどがあるお隣のオーシャンウィング側とは違い、大人がゆったり過ごせる落ち着いた雰囲気が特長。お子さん連れのゲストがいても騒がしさを感じることはなく、気兼ねなく過ごせる。しっかり泳げる十分な広さもあり、ジャグジーも完備。

日が落ちれば水面がやわらかくライトアップされ、昼間とはまた違ったあでやかなムードに変わる。光を映す水面に浮かぶカバナでシャンパーニュを片手にくつろぐのもおすすめだ。
ほかにもインドアプールやジム、ワークショップなど館内アクティビティの選択肢が豊富なので、天候に左右されず楽しめるようになっている。さらに、マエサトゴルフコースやテニスコートも敷地内にあるので、一汗流したあとにスパへ行きプールサイドのカバナで一杯、といった過ごし方も良さそうだ。
島ハーブに癒やされる至福のスパ

石垣島の自然に身を委ね、心身をゆっくりと解き放つなら、施設内の「スパ アガローザ」へ。ここは、日本のトップスパを決める「クリスタルアワード」で、2020年に日本一に選ばれた実績を持つ。
今回受けたのは、今年4月から始まったという、石垣島ならではのハーブボールを取り入れたマッサージ「ハーブセラピー」。まずは木・火・土・金・水という陰陽五行の考え方に基づく5種のバス・マッサージオイルから、直感で気になる香りを選ぶ。私が選んだのは、巡りを促し、むくみが気になるときに向いているというブレンドだ。
石垣島の古代ハーブセラピー 90分 ¥37,900から石垣の塩を溶かしたフットバスで体を温めたら、月桃やレモングラスなど、石垣島産のハーブを中心に10種類を調合したオリジナルのハーブボールを使ったマッサージへ。その時期に採れるハーブを使うため、季節によって香りも変わるという。経絡に沿って温かなハーブボールを押し当て、ほどよい力加減でほぐされていくうちに、体の内側からじんわりとほどけていくような感覚に。
正直なところ、今年いちばんかもしれないと思うほどのリラックス感を味わった。豊かな自然に囲まれた環境、セラピストの手技、オイルやハーブの香り。そのすべてが重なって生まれる、ここでしか味わえない時間だった。
島グルメを日替わりで味わう
日本料理や鉄板焼き、島の食材を生かしたオールデイダイニングなど、べイウィングのゲストが利用できるレストラン・カフェは6つある。
日本料理「八重山」では、島の食材をふんだんに使った日本料理がいただける。八重山会席では、じーまみ豆腐ややんばる鶏の竜田揚げなどの前菜から、お造り、島魚の寿司(すし)、素揚げトマト、島野菜奉書巻きなど、趣向を凝らした料理が続く。素材の味わいを生かした目にも華やかなひと皿ひと皿に、思わず声が漏れる。日本酒や南国らしいカクテルを合わせながら、ゆったりと味わえるのも魅力だ。
八重山会席 ¥13,910オールデイダイニング「サルティーダ」では、アーサそばなどの島グルメを含む和食や、インターナショナル料理をブッフェスタイルで提供する。
シーズンごとにアジアンダイニングやイタリアンなど、様々な料理を楽しめるのも特長。
ディナータイムはアルコールブッフェ(フリーフロー90分)¥3800もあるサルティーダ
パレット テラスラウンジのデリプレートは3品+ブレッド ¥1800。ハイビスカスのケーキはラズベリーとアールグレイの味わい ¥1300
ランチは「パレット テラスラウンジ」にて、軽めにサラダを中心とした3品セレクトをとった。ここは人気パティシエが手がけるスイーツもあり、ぜひ食べてみてもらいたい。華やかな見た目で甘さは控えめ。思わず写真を撮りたくなる美しさだった。さらにパレット テラスラウンジに併設しているショップは、いわゆる”お土産やさん”とは一線を画すセンスが光るセレクトなので、つい長居してしまうはず。
外に出て店を探さずとも、石垣のおいしさとバリエーションを十分に味わい尽くせた。
大人の休日を満たす石垣島のリゾート
慌ただしい日々を離れて、このホテルでどう過ごすのか。2泊3日なら、例えばこんな感じはどうだろう。初日の夕方にチェックインしてナイトプールやディナーを楽しみ、翌日はビーチアクティビティやゴルフで体を動かしたあと、スパでリセット。最終日はプールや海でゆっくり過ごしてから空港へ向かう。
アクティブにも、ゆったりにも、その日の気分に合わせて過ごし方を選べるのが、ANAインターコンチネンタル石垣リゾートの魅力だ。
目を閉じれば、サンゴや色とりどりの魚たちが今も鮮やかに浮かぶ。石垣島は、思っていたよりずっと近い。そして、このホテルなら、日常を離れて遊び心を取り戻す時間を、思いのままに楽しめる。また、あの海に会いに行きたい。
text: Tomoko Komiyama
ANAインターコンチネンタル石垣リゾート
沖縄県石垣市真栄里354-1
1泊¥30,000~
料金は日程・空室状況等により変動します。
https://www.anaintercontinental-ishigaki.jp/