「寝た気がしない」日の対処法と「ぐっすり眠る」ための6つのヒント

Lifestyle

2026.08.22

「寝た気がしない」日の対処法と「ぐっすり眠る」ための6つのヒント

fizkes / iStock.com

よく眠れなかった翌日の乗り切り方と日頃からぐっすり眠るために心がけたいことを、よりよい睡眠のための実践的なガイド本『Réapprenez à dormir Pour être en bonne santé(原題)』の著者である睡眠医学の専門医ピエール・フィリップ教授に聞いた。マリ・クレール インターナショナルのフランス版デジタル記事より、一部編集してお届け。
Index

・よく眠れなかった翌日の対処法に、万人共通の正解はない

・一晩よく眠れなかったら、心配すべき?

・よく眠るために心がけたいこと


睡眠時間が足りなかったり、眠りが細切れになったりと、よく眠れない夜を経験したことは誰しもあるはず。翌日を元気に過ごすための魔法のような方法があればいいが、どうやらそうはいかないようだ。騒がしい隣人、ひと晩に何度も目を覚ます赤ちゃん、安眠を妨げる不安な考えなど、よく眠れない夜を過ごす理由は数え切れないほどある。当然ながら翌朝にはもう、早く夜になってベッドに入り、休息をとることだけが楽しみになるが、それまでは何とか一日を乗り切らなければならない。

そこで、仏ボルドー大学病院の睡眠医学科部長で、睡眠習慣に関する書籍の著者であり、アプリ「Kanopée」の開発者でもあるピエール・フィリップ教授に、よく眠れなかった翌日を気分よく過ごすためのアドバイスを求めた。

よく眠れなかった翌日の対処法に、万人共通の正解はない

よく眠れなかった翌日を調子よく過ごすための魔法のような解決策を期待していた人には申し訳ないが、そのようなものは残念ながら存在しない。「睡眠には個人差があり、さまざまな要因が関係します」とフィリップ教授は述べている。「したがって、すべての人に当てはまるアドバイスをすることはできません」

とはいえ、たとえばある列車に乗るために普段とは大きく異なる時刻に起きるといった、規則性が崩れたことによる“眠れない夜”と、寝室が暑すぎたり、赤ちゃんが目を覚ましたりといった外的な要因で睡眠の質が低下したことによる“眠れない夜”とは区別する必要があると教授は言う(フィリップ教授は自身のインスタグラム投稿で、朝、しっかり休めたと感じるためには、睡眠時間だけでなく、睡眠の質と連続性も重要だと説明。たとえ8時間眠っても、睡眠がたびたび中断されれば、休んだ実感を得にくく、翌日の眠気や機能低下に結びつくことが調査の結果で示されているという)。※以下、「投稿」はピエール・フィリップ教授のインスタグラム@pr.philipの投稿を指す。

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よく眠れなかった原因によって、おすすめの対処法も異なる。

規則性が崩れた場合、フィリップ教授は、睡眠不足を補い、エネルギーを取り戻すために、可能であれば昼食後に10~15分ほど昼寝をすることをすすめている。それ以上長く眠ると睡眠リズムが乱れ、不眠を招く恐れがあるため避けたほうがよい(短い昼寝はエネルギーや覚醒度、集中力の向上に役立つ一方、長すぎたり遅い時間にとったりすると、かえって疲労感が増し、夜の入眠を妨げる可能性があると投稿で説明している)。

外的要因でよく眠れなかった場合は、寝室が暑すぎないか、気になる光や音がないか、睡眠を妨げる原因を確かめて、問題を改善することだ。どうしても一日を過ごすのがつらい場合は短い昼寝も役立つが、根本的な問題への対処を後回しにしてはならない。

では、幼い赤ちゃんを育てる親はどうすればよいのだろうか?

「赤ちゃんの睡眠リズムが整うまでに数カ月かかることもあるため、これは当然ながら複雑な問題です」と教授は説明し、さらにこの時期には、女性は産後の身体的な回復に加え、夜間授乳を担うことも多いため、男性よりも睡眠が細切れになりやすいと指摘する。この大変な時期を乗り切るには、赤ちゃんが寝ている間や、誰かに育児を任せられるときに、日中の昼寝を取り入れることが現実的な対処法だ。

一晩よく眠れなかったら、心配すべき?

フィリップ教授が言うように、「不眠症とは、睡眠に困難が生じる問題が3か月にわたって週に少なくとも3晩続く状態」のことである(「欧州不眠症ガイドライン2023」には、十分眠れる機会や環境があるのに眠れないこと、日中の生活に支障が出ていることなども、不眠症の診断の基準になると記されている)。教授によると、実際には明確な睡眠障害がないにもかかわらず、自分を不眠症だと考えている人は少なくないという。

「週に1、2晩よく眠れない程度なら、身体的な疾患ではなく、睡眠習慣が原因である可能性が高く、心配する必要はありません」と教授は断言する(加齢とともに深い睡眠が減り、夜中に目覚める回数が増えるのは自然な変化だと投稿で説明している)。

ただし、不安障害や大うつ病性障害など、一部の疾患が睡眠障害を引き起こしやすくすることもあると指摘している。そのため、睡眠が気がかりになってきたら、睡眠を専門とする医師に相談するよう、すすめている。眠ることは本来、心地よいものであるはずだからだ。「良い睡眠とはどういうものかという感覚を失ったり、よく眠れないのは仕方がないと思い込んだりしないことが大切です。解決策は存在するのですから」

よく眠るために心がけたいこと

複数の専門家によると、普段しっかり眠れていれば、たまによく眠れない夜があっても十分に乗り切れるという。

そのためには、教授は睡眠習慣を見直すようすすめている。まずは十分な睡眠時間を確保し(7~9時間)、規則正しい起床時刻(ずれは1時間以内に収める)を維持することだ(投稿では、体内時計と睡眠の質には、就寝時刻よりも起床時刻を一定に保つことが大きく影響するとし、重要なのは、毎日ほぼ同じ時刻に起きることだと説明。また、起きている時間が長くなるほど眠気を促す睡眠圧が高まるため、就寝時刻は無理に固定せず、必要な睡眠時間や、自分が朝型か夜型かに合わせて調整することをすすめている)。

そして、夕方以降のコーヒーやアルコールなどの摂取や、就寝間近の激しい運動は避けること(就寝前に10~15分ほどぬるめのシャワーを浴びたり、入浴したりすることも、その後の体温低下を促し、寝つきをよくするのに役立つ方法だと投稿で紹介している)。

できれば、あくびなど疲れのサインを感じ始めたときにベッドに入ることが大切だという(投稿では深いノンレム睡眠は脳や身体の回復、翌日の覚醒度に重要な役割を果たすと説明し、自分の体内時計に合った時間に眠ることをすすめている。逆に、眠気がないうちから早々とベッドに入るのは避けたほうがよく、ベッドで過ごす時間が長すぎると睡眠圧が弱まり、かえって睡眠の質が低下する可能性があるという。また寝室を仕事や動画視聴など睡眠以外のために使うと、「眠る場所」としての合図が弱まるとも指摘している)。

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フィリップ教授がおすすめする、ぐっすり眠るためのヒント6
・朝、自然光を浴びる
・日中に体を動かす
・規則的な生活リズムを保つ
・カフェインなどの刺激のあるものを避ける
・夜はスマートフォンやPC画面を避ける
・寝室を睡眠に適した環境にする

 ※( )内は編集部補足

translation & adaptation: Akiko Eguchi


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This article was originally published by Maïlys Cusset on Marie Claire FRANCE

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