

鎌倉駅東口を出てすぐ、小町通りに入る手前に店を構える「扉」。1955年オープンで、豊島屋本店に次ぐ2号店。焼き窯(電気オーブン)を持っていたことから、戦後に配給のパンを作っていたこともあり、豊島屋とパンの歴史は長い。マクドナルドができる前からハンバーガーを提供していたレストランとして、著名人のファンも多い。ハンバーガーは当時、ハワイ好きだった副社長が実現した。







2015年にオープンした一軒。本店が「和」の本店なら、ここは「洋」の本店。もともと、外国のお菓子に感銘を受けて「鳩サブレー」を作り出した豊島屋なので、洋菓子ももちろん秀逸だ。
ホテルで研さんを積んだパティシエが作る洋菓子は繊細で芸術的だ。手土産探しに疲れたとき、一息入れるのにぴったりのパーラーもある。
隠れたベストセラー「ウインナーワッフル」
個人的には、「鳩サブレー」と並ぶ看板商品だと感銘を受けた焼き菓子。サクッ、ほろっとした軽い食感はアーモンドパウダーを使っているから。間に挟んだアプリコットジャムの甘さと相まって、罪悪感を覚えながらも、ついつい手が伸びてしまう。実は、1960年代より作られているもので、中欧の石畳をイメージして作られたという。オープンワークの2羽の鳩からストライプの包み紙がのぞく洒落(しゃれ)た演出を含めて1000円以下。豊島屋の企業努力に頭が下がる思いだ。お使い物に差し上げると、ほぼ100パーセント、「これ、どこのですか? かわいい!」と歓声が上がる。難をいえば、鎌倉でしか購入できないこと(一応、オンラインで展開もある)。それが価値でもあるので、ぜひこれを目指して「いざ鎌倉」でも後悔はないと太鼓判をおしたい。

12個入り ¥800 photo: 豊島屋
季節をかたどった焼き菓子の詰め合わせ
とにかくデザインがキュートで、季節ごとに買ってみたくなる。写真は「ミッドサマーアソート」で、オレンジ味のパウンドケーキ1個、オレンジ味のソフトクリームクッキー1枚、レモンネージュクッキー1枚、ピーチクッキー1枚、ラムネ味のギモーヴがセットになっている。
¥1000 photo: 豊島屋
持ち帰れないけれど……
「置石」には、食べないままでは帰れない人気の味がある。それがソフトクリーム。夏は行列覚悟で訪れてほしい。人気の秘密は、“あの焼き菓子”が練り込まれた「置石ミックス」があるため。まったりクリームとサクッとした焼き菓子のコラボレーション。おいしくないわけがない。季節の味も用意されている。
¥400
Information
豊島屋洋菓子舗 置石
神奈川県鎌倉市小町2-15-5
tel. 0467-22-8102
営業時間:1階 10時~18時30分、2階 11時~17時30分(L.O. 17時)
水曜定休(祝日の場合は営業)
出来立てもっちり「わらびもち」
2006年に誕生した「八十小路(はとこうじ)」の看板メニューであるわらびもちは、知る人ぞ知る鎌倉の絶品和菓子。開店前から並ぶ人も多い。
ほうじ茶付き ¥800
オーダーしてから作るので、完成までに30分ほどかかるが、丁寧に練り上げたばかりの弾力のあるおもちの食感は、待ったかいがある。鹿児島産の上質な本わらび粉ならではの粘りを引き立てるのは、地元の神奈川・津久井産のきなこ。きめ細やかでむちむちのわらびもちによく絡み、満足感の高い一皿だ。
Information
豊島屋菓寮 八十小路
神奈川県鎌倉市小町2-9-20
tel. 0467-24-0810
営業時間:10時半~17時
水曜定休(祝日の場合は営業)
ふわとろ感がやみつきになる「手焼きわっふる」
2022年に小町通りにオープン以来、新たな名所になっている「豊島屋 瀬戸小路」。お店の名前は、かつて小町通りのあたりが「瀬戸耕地」と呼ばれる農道だったことに由来する。わっふるは「豊島屋」で昭和初期から作られていたお菓子。これも隠れた人気の手土産にもなっている。
¥250〜
その伝統の味を、職人さんが一枚ずつ目の前で焼き上げてくれるのが、このお店の特徴。中のフィリングをきれいに包むことができるのが熟練の技だとか。
わっふる用に考案されたフィリングは約8種類。定番の「あんずジャム」に、「小豆あん」「カスタードクリーム」「チョコクリーム」「クリームチーズ」など、熱々のわっふるを頬張ったときにとろっと生地に絡んでくる素材のものがそろう。
2階には、イートインスタンドも用意され、SNS映えする鳩窓とともに「鎌倉で寄るべき名所」の一つになっている。
Information
豊島屋 瀬戸小路
神奈川県鎌倉市小町2-7-26
tel. 0467-84-8585
営業時間:10時~17時
年中無休