【米国ローカルのお気に入り都市】美術館からグルメまで、ミルウォーキーはなぜ人気?

Lifestyle

2026.07.24

【米国ローカルのお気に入り都市】美術館からグルメまで、ミルウォーキーはなぜ人気?

シカゴから車や鉄道「アムトラック」を使って1時間半ほどでたどり着く、ミルウォーキー。あまり耳慣れない都市だが、米国の人々が魅力ある旅先としてこの地を挙げる。実は私たちも知っている有名企業の本拠地でもあり、シカゴなど主要都市から日帰りでも十分楽しめるミルウォーキー。ローカルのおすすめを訪ねた結果からたどり着いた、人気の秘密を4つのキーワードでご紹介。

シカゴのユニオン駅からミルウォーキー・インターモーダル駅までアムトラックで約1時間30分で到着

Index

1. 日本でも知られる2つのブランド

2. 世界各地のアートが集積した美術館

3. 掘り出し物が見つかるショッピング

4. 気軽なフードホール&水辺のファインダイニング


1. 日本でも知られる2つのブランド

ビールのブランドで「ミラー」の名前を耳にしたことがある人もいるのではないだろうか。そう、ミルウォーキーがアメリカで人気なのは“全米一のビールの街”だから。ちなみに、ミラーは「シャンパン・オブ・ビア(ビールのシャンパン)」とも呼ばれていて、爽やかでクセがなく、すっきりした味で夏にはぴったり。この夏は、ワイングラスで食前酒として楽しんでみてはいかがだろうか。

ドイツ仕込みのラガービールは爽快さと旨みが両立している

なぜ、ミルウォーキーでビール産業が発展したのか。それは、この都市が19世紀に多くのドイツ系移民によって築かれたことに由来する。彼らがビールの醸造技術やビアガーデンの文化を持ち込んだうえ、ミシガン湖の良質な水と冬の寒さが、ラガービールに必須の低温熟成に適していたのだ。そして、ミルウォーキーは“全米一のビールの街”へと発展した。

1958年にサッポロビールが展開した広告キャンペーンでは、「ミュンヘン・サッポロ・ミルウォーキー」という世界的なビールの名産地を列挙したキャッチフレーズがあった。このフレーズは、3都市がいずれも北緯43〜48度前後にあり、ビール醸造に適した冷涼な気候であることを伝えている。

そんな歴史あるビール醸造所とともに、もう一つ忘れてはならないのが、バイクブランドのレジェンド「ハーレー・ダビッドソン」。1903年に、ウィリアム・ハーレーとデビッドソン兄弟が自宅の裏庭で最初のオートバイを製作・販売したことから伝説が始まった。

歴史的なバイクが立体的な年表のように並ぶハーレー・ダビッドソン博物館

そこで、バイクに興味がなくとも、ぜひ訪れてほしいのが「ハーレー・ダビッドソン博物館」。東京ドーム約2つ分の広大な敷地に、博物館、レストラン、ショップやアウトレットがある。博物館には、第1号機の「シリアルワン」から最新モデルまでが並び、歴史が総覧できる。郵便配達やコーラの輸送、シークレットサービスのバイクなど、ハーレーのテクノロジーがアメリカの運搬技術の進化を早めたことがよくわかり、トリビアの嵐。

これが1903年に作られたシリアルワン

ハーレーといえば、一目でわかる伝統的な“クルーザースタイル”や、磨き上げられた大量のクロームパーツを使うことから“鉄の馬”に乗るというイメージに憧れるバイカーが多い。もう一つ、独特のエンジン音も多くのバイカーの心をとらえる理由になっていることをご存じだろうか。博物館には「ポテトサウンド」と呼ばれる、そのエンジン音を体感できるコーナーもある。体の奥底に響く低音とリズムは、“聞く”ではなく“体感”という言葉がふさわしく、身を委ねるうちに高揚感を覚えるのが不思議で楽しかった。

ハンドルを回すことで、独特のポテトサウンドを体感できるコーナー

大きな発見だったのは、女性とハーレーとのつながり。今ではなかなか女性が乗りこなせないバイクの印象が強い。実際にハーレーを愛車にしている知人は、倒れたバイクを起こすことから学んだというほど大きく、重い。しかし、1900年代の働く女性にハーレーの愛用者は多かった。もちろん、様式も今とは違うが、彼女たちにとってハーレーは欠かせない移動手段であり、パイオニア精神に寄り添ったパートナーだったのだ。

展示の仕方もスタイリッシュ

博物館を案内してくれたキャンダスも、その系譜を受け継ぐ女性の一人。この地に生まれて育った生粋のミルウォーキーっ子で、父親が乗っていた影響もあり、ハーレーは当然のように“自分の足”になったという。ハーレーに乗る魅力は何? と尋ねたら、「自分は体が小さいけれど、大きなマシンに乗って、自由を得る解放感がたまらない。自分でコントロールして道を進んでいく感覚も気にいっているわ」と目をキラキラさせながら答えてくれた。

博物館の中でも、お気に入りの「ファット・ボーイ・グレー・ゴースト」に乗るキャンダス

ハーレーはパーツが豊富で、自分好みにカスタマイズして、唯一無二の相棒に仕立てられることから、ハリウッドスターのハル・ベリーなど女性のセレブリティの愛好家も多い。

年代別のさまざまなフューエルタンク。カスタムカルチャーを象徴する作品として飾られている

展示品で見逃せないのは、2011年に起こった東日本大震災の津波で流され、1年間海を漂った後にカナダで見つかったバイク。「The Power of Nature」の象徴として、訪れた人を驚かしている。日本を遠く離れた地で出会った自然の脅威は、言葉を失う気迫に満ちていた。

3.11を生き抜き、カナダで発見されたバイク

毎週木曜日には無料のショーやコンサートが行われ、地元のソーシャルシーンとして欠かせない場所になっているそうなので、日程を合わせて出かけてみるのもおすすめだ。

Information
Harley-Davidson Museum(ハーレー ダヴィッドソン博物館)
400 West Canal Street, Milwaukee, WI 53203
https://www.harley-davidson.com

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