
リゾート内には、2つのレストランが用意されている。一つは、ビーチフロントにあるタイレストラン「テイスト・オブ・サイアム」。テラス席もあり、開放感ある雰囲気の中、朝食からディナーまで提供されているオールダイニング的位置づけ。メインはオーダー制で、そのほかはビュッフェから好きなものを選んで食べるスタイルだ。一皿一皿のポーションを小さくして、少しずつたくさんの種類を食べられるように工夫されているので、満足度が高い。
テイスト・オブ・サイアムの外観(写真右)



今の時代だからこそ、価値がある“デジタルデトックス”。チバソムでは、厳格に行なっている。スマートフォンの利用は、自室とライブラリーといった限られた場所でのみ。それ以外は、自分の記憶に収めるかノートに記録するしかない。普段、何かお気に入りのものやことがあれば、すぐにスマートフォンのカメラに頼ってしまっていたが、手元のファインダーがない状態で過ごすと色、鳥の鳴き声、植物の香り、食べ物の味覚までかえって鮮やかに感じるように思われる。
スマートフォンが使用できないということは、プライバシーが保たれることでもあるので、セレブリティたちも時間を見つけては心からリラックスするために訪れるのだろう。実際に、隣の席に誰もが知るハリウッドスターが座っていたなどということもあるようだ。
アルコールNGも、健康を意識すれば当然のこと。一応、18時以降はオプション(有料)でオーガニックワインなどの限られたアルコールのオーダーも可能になっているが、ディナーテーブルにアルコールのグラスがのっている席はほとんど見かけなかった。


洗練されたインテリアのゲストルームは、プログラムに参加していない時間にくつろぐ場所として最適だ。大きく分けてビーチが望めるタイプと、緑の中にたたずむヴィラタイプがある。スイートルームのパビリオンも隠れ家のようで、家族で訪れている人たちに人気。
スイートルームの外観
スイートルームにあるサンルームのようなテラス

チバソムは、リゾートとしての存在だけでは語ることはできない。ホアヒンの環境保護と地域社会に多大な貢献を行なっているのだ。最大の功績は、もともと漁村だったホアヒン地区に唯一現存するマングローブの森「クライラー・ニウェー」の保全。ホアヒン保護活動グループと協力し、チバソムのスタッフやゲストにより定期的な植樹や清掃活動が行われ、沿岸部の生態系回復に努めている。2013年からスタートしたプロジェクトで、すでに植樹したマングローブは1万1000本以上。マングローブの樹が増えることで、多様な鳥や魚といった生き物が増加した。酸素の浄化と、温度を下げる効果も期待できる。5エーカーの土地と1キロメートルの散策路は、今では早朝や夕方に地元の人が通う憩いの場所。鳥のさえずりやミツバチの羽音がなんとも心地よい15分ほどの散歩道だ。
クライラー・ニウェーの散策路
地元住民向けに、健康的な食習慣やウェルネス・キュイジーヌを学ぶ無料のワークショップも開催し、喜ばれている。
サステナビリティ(CSR)とウェルネスへの取り組みが高く評価され、さまざまな受賞歴もある。持続可能なリゾート運営と環境保全に関する国際的な承認機関「トラベライフ」のゴールド認証や、グローバル・サステナビリティ・リーダーシップ賞などが有名だ。
関わる全ての人たちを幸福にするという理念で運営されるリゾート。だからこそ、チバソムは30年の歴史を刻んでも、多くの人に愛され続け、さらにファンを増やしているのだろう。