神奈川県の三浦半島の最南端、城ヶ島にある「ふふ 城ヶ島 海風のしらべ」。目の前に広がる相模湾とその先にある富士山という絶景と、新鮮な海の幸を味わえる、ぜいたくな宿泊施設だ。
「ふふ」といえば、すべての客室に天然温泉を備え、地の恵みを味わう料理やプライバシーが保たれた空間、心地良い距離感のおもてなしで、味わい深いときを届けてくれるスモールラグジュアリーブランドとして展開している。2025年に開催された、優れた宿泊施設を選出する「ミシュランキー」で、国内ブランドとして最多となる7施設が受賞している。
目の前に海が開けるロビーラウンジ
その最新の施設が、2026年2月末にオープンした「ふふ 城ヶ島 海風のしらべ」。京浜急行三崎口駅からタクシーで約20分。道の行き止まりにあるこの場所は、ロビーラウンジから海が見渡せる。
客室数は34とこぢんまりしていて、全室がオーシャンビューのスイート。隆起した岩が続く海岸と打ち寄せる波。そして、太陽の光を受けて輝く水面。雄大な自然の息吹に圧倒されるほどだ。

部屋に入ると、目に飛び込んでくるのが風呂。どの部屋も風呂から海が見える。しかも温泉で、神奈川県三浦市油壺からの運び湯。海を眺めながら湯に浸っていると、疲れがとれていく。窓を開けて海からの風で、ほてりを静めるのもまた良し。

宿泊した部屋は6室限定の岩盤浴ができる部屋のひとつで、窓際に岩盤浴ベッドが備え付けられていた
岩盤浴をした後、窓を開けて温まったからだを潮風で冷ました。自室でこんなにいろいろできるのは予想外のこと。
部屋にあった植物由来の殺虫剤(左)とベープ(右)
クローゼットを開けたら、殺虫剤とベープがあった。ベープの木製の覆いには「BYE BYE BUGS」の文字が。ちょっとしたユーモアが滞在を心躍るものにしてくれる。

また、「ふふ 城ヶ島 海風のしらべ」で特筆すべきは、ルーフトップラウンジ「宵星(よいぼし)」。最上階の4階にあり、とにかく眺望が見事。ゆったりとソファに座って眺める風景はまた格別なものがある。
ルーフトップラウンジから見た夕日
相模湾の向こうに富士山と沈みゆく夕日を望むことができるだけに、日の入りの時間になると宿泊客が集まってくる。ルーフトップラウンジの利用時間は6時から20時までで、14時から19時30分まではフリーフロー。好みのドリンクを片手に風景を眺めていると、時の過ぎるのを忘れてしまう。
夕食は、三浦半島ならではの恵みを味わえる日本料理「汐結(しおゆい)」で。レストランの入り口には生け簀(いけす)があり、この土地の魚介や全国から届く旬の食材がそろう。
地元の新鮮な海の幸や旬の素材がそろう料理の数々
その時々の旬のものを厳選して出してくれるコース料理のメインには、魚や肉などの炭火焼きのラインアップがある。この日、私が選んだのは「かます汐焼(しおやき) 染めおろし 酢橘(すだち)」。かますの身は実にふっくらと焼き上がっていて、美味だった。地元でとれた野菜のほか、しらすやまぐろ、鰺(あじ)などの魚介類も新鮮であり、しかも櫻庭祐一郎料理長の創意工夫によって、満足度の高いものとなっていた。

朝は早く起きて、目の前の海岸を散歩。地層がよく見える独特の岩の間で動き回るカニの姿も。気温が上がってくると富士山は見えにくくなると言われたものの、幸いなことにうっすらと姿が見えて、「ラッキー!」という気分になる。岩の上で釣りに熱中する人もいれば、テントを張って一日中海を眺めて過ごす人あり。この場所が、自然と向き合い、心のおりが波と共に流されていくような豊かな地であることを実感。
朝食も地元の野菜と魚をふんだんに使い、いわしのつみれ汁やあじのたたきなど、健康的でバランスのとれたメニューで一日分のエネルギーを蓄えた気分になる。
朝食も、新鮮の海の幸などが豊富に取りそろえられていた
「ふふ 城ヶ島 海風のしらべ」の隠れ家的魅力と、目の前の豊かな自然を独り占めしながら味わう解放感は、疲れた心と体に与えてくれる栄養のようだ。
text: Izumi Miyachi
「ふふ 城ヶ島 海風のしらべ」
住所 神奈川県三浦市三崎町城ヶ島693
電話 0570-0117-22
料金 2名1室利用時 2名料金 96,800円~(税サ込・入湯税別)
2名1室利用時 1名料金 48,400円~(税サ込・入湯税別)
公式サイト https://fufujogashima.jp/