2018年10月、「日本ワイン」という言葉が初めて国から定義(国産ワインの果実酒等の製法品質表示基準)され、日本で造られるワインは「日本ワイン」もしくは「国内製造ワイン」として明確に区分されるようになった。同年11月には、俳優の辰巳琢郎が会長を務める「日本のワインを愛する会」が発足。日本ワインの魅力を伝え広めることを目的に活動を続けていく中で、2025年9月に一般社団法人としてリスタートを切った。日本ワインの特色やその素晴らしさが新たに発信され、再び注目を集めている。
「日本のワインを愛する会」が発足してまもなく、世界はコロナ禍という未曽有の事態に陥り、あらゆる流通や交流が滞り、人々のつながりに大きな役割を果たしていた飲食、特にアルコール飲料への大打撃は各国で深刻な問題となった。

その中で、日本ワインは、外食という消費現場の喪失はあったものの、ぶどうの品質の向上、醸造技術の刷新など、生産者のたゆまぬ努力でクオリティーのアップを図ってきた。“家飲み”の習慣化や、日本産品の価値向上に伴うオンラインでの海外向けアプローチなどにも後押しされ、その注目度は、コロナ禍以前よりも高まったとされる見方もあるほどだ。

また、生産者の技術革新はもちろんのこと、日本ならではのぶどうを育て、個性的なワイン醸造を促してきた土地の魅力も大きなファクターとなり、海外でもアワードを受賞する機会が増加。地元の食べ物との“マリアージュ”はもちろんのこと、レストランやオーベルジュを通した現地でのワイン体験は、ツーリズムとのキラーコンテンツとしても大きな魅力をたたえていている。

発足当時に約160軒だったワイナリーは、今やその3倍以上、500軒を越えた。しかし、生産量はこのところ伸び悩んでいる。「日本のワインを愛する会」は、第一次産業を核とした食文化の応援、また地方創生のアイコンとして日本ワインを定義し、単にワインの味を評価するものではなく、各地の豊かさ、その土地から生まれる一滴としての日本ワインの素晴らしさを伝えていく。
コロナ禍の逆境を乗り越えて、たくましさを増し、新たなチャプターを迎えた日本ワインに注目したい。
text: Tomoe Tamura
・【フランチャコルタ】イタリア・スパークリングワインの最高峰、「カ・デル・ボスコ」が女性におすすめの理由
一般社団法人「日本のワインを愛する会」
創設:2018年11月1日
会長:辰巳琢郎
主な活動:各地での試飲・賞味会の開催、コラボイベント企画・運営
公式サイト:https://jpwine.jp/
Tags: