環境問題と社会課題の総合的解決を目指す新たな取り組みにも注目していると向氏。日本各地が直面している地域課題について、ビューティーやファッションの力で解決を図るという挑戦だ。その一例が、モデル・俳優の水原希子が設立したブランド「kiiks(キークス)」。プロダクトを通して、個々の人々の幸せの輪が広がり、制作活動を通して地域活性化にも貢献することを目指している。最近では、長年交流のあるモデルのローラとのコラボレーションにより、鹿児島県の錦江町田代地区の耕作放棄地で採れた茶の実を活用したヘアオイルと地域の伝統工芸品である薩摩つげ櫛(くし)も発売した。


「彼女たちの取り組みは、あまりに本気で尊敬します。地域の問題を解決しながら、素敵なものを作る。素敵じゃなきゃダメなんです。そんなアクションを大勢のフォロワーを持つ2人が発信したというのは、とても明るいニュースだと思います。ファッションブランドだと、サトウキビの搾りかす“バガス”をアップサイクルした『SHIMA DENIM(シマデニム)』を使っている、デザイナー桑田悟史氏の『SETCHU(セッチュウ)』にも注目です。『キークス』や『セッチュウ』のような社会の課題解決に真剣に向き合っているブランドが評価されるのはすごくいい話です。私は今、ラグジュアリーの概念が変わりつつあると思っています。その新しい概念では豊かさの中心にサステナビリティーの未来があるのではないかと。仕事の一環で中高生の若い世代と話すことがあるのですが、彼らの方がよりサステナビリティーの感覚を自然に受け入れて実践している。幼少期からの教育や情報環境の影響で、既にサステナビリティーが習慣化しているんです」


地球環境や人権に配慮した優しい世界。その存在を意識せずとも豊かな暮らしの中に自然と溶け込み、当たり前の価値として根付く未来は、もはや遠い先の話ではないかもしれない。
・「ロレックス」が取り組む自然保護活動への支援 写真の力が海の未来を守る
・責任あるものづくりを追求するジュエリーブランド、トムウッドとは?
アニエスベー tel: 0120-744800
キークス web: kiiks.online
ジェイエムウエストン 青山店 tel: 03-6805-1691
ファーメンステーション web: fermenstation.co.jp
和光 tel: 03-3562-2111
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©︎marie claire/interview & text: Tomoko Kawakami
向千鶴 Chizuru Muko
横浜市出身。東京女子大学を卒業後、エドウイン営業職、日本繊維新聞記者を経て、2000年より、INFASパブリケーションズへ。海外コレクションの取材などを中心に活躍し、2015年には、『WWDJAPAN』の編集長に就任。2021年からは『WWDJAPAN』編集統括サステナビリティー・ディレクターも兼務。2024年に独立し、CRANE&LOTUSを設立。同紙のサステナビリティー・ディレクターの仕事は継続しつつも、活動の場を広げている。
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