高さ18mのメインランタン「無限楽園」(台湾観光庁)
2025台湾ランタンフェスティバル㏌桃園は2月12日から23日に開催された。日本がまだ寒さに包まれている晩冬、台湾の夜空を鮮やかに彩るのは無数のランタン。元宵節(旧暦正月15日)に合わせて毎年台湾各地で開催される光の祭典、台湾ランタンフェスティバル。ランタンの幻想的な輝き、非日常の世界を求めて、心躍る台湾への旅に出かけよう。
台北からほど近い桃園の広大な会場に足を踏み入れると、無数のきらめきに迎えられた。動物や物語、幸運のシンボルなど、さまざまなモチーフのランタンが並んでいる。なかでも今年ならではの演出が、野球をモチーフにした鮮やかなランタンだ。昨年、「第3回WBSCプレミア12」で優勝した台湾ならではのデザインに、思わず頬が緩む。さらに進むにつれ、繊細な切り絵アートを施したもの、音楽と連動したもの、最新テクノロジーを駆使したものなど、想像を超えるランタンが次々と現れて、幻想の輝きに誘いこむ。いつしか、光の迷宮を歩いているような感覚に包まれていた。
会場の中央でひときわ存在感を放っていたのは、メインランタンの「無限楽園」。光の波紋に引き寄せられるように近づくと、色と光が刻々と変化し、見るたびに新たな表情を見せていた。傍らでは、伝統的なモチーフのランタンも輝いている。その迫力に思わず足を止めたのは、龍をかたどった「福耀蛟龍」。縁起のよい龍が巨大なランタンとなり、堂々と夜空を照らしている。台湾ランタンフェスティバルは、こうした最先端と伝統の融合が魅力だ。
2026年の開催地は、阿里山の麓の街・嘉義。ランタンの光が山々を照らす光景を想像しながら、次の旅に思いをはせた。



台湾北部に広がる「野柳地質公園」は、海と風が長い時をかけて生み出した奇岩の宝庫。なかでも「女王頭」は、髪を結い上げた気高い横顔が印象的な、この地のシンボルだ。近年は浸食が進み、見られるのはあと数年とも。この幻想的な景観をさらに際立たせるのが、毎年初夏に2週間限定で開催される夜間ライトアップ。大自然のアートと最先端デジタル技術が織りなす光の演出は、息をのむ美しさだ。今年は日本人向けの特別公開日を設け、前夜祭を開催。日本語ガイドとともにめぐる特別なひとときを楽しみたい。

「野柳石光~野柳ライトアッププレミアナイト2025」
開催日時:2025年6月27日(金)18時~
野柳ジオパークの代表格である「女王頭(クイーンズヘッド)」をはじめ、多種多様な奇岩群に工夫されたアートな照明演出が融合したライトショーは、昼間とは異なる幻想的で希少な景色と自然の力を体感することができる。
台湾カルチャー、朝ごはんを体験!
台湾の朝は、バラエティ豊かな朝食で始まる。街には朝食専門店が軒を連ね、朝から地元の人たちで大賑わい。台北を訪れたなら、ぜひ朝ごはんを食べに街へ出かけてみては?「大稻埕慈聖宮」の門前や「雙連朝市」は、有名な朝ごはんスポットのひとつ。熱々の小籠包や優しい味の豆乳、とろりと優しい味わいのおかゆまで、定番のメニューがそろう。市場の喧騒(けんそう)や屋台の香りに包まれながら、地元の人に混じって味わう朝食も、旅の醍醐味(だいごみ)だ。

願いを空へ。十分で体験するランタン飛ばし
「野柳地質公園」へ向かう前に立ち寄りたいのが、「ランタン飛ばし」で知られる十分。この風習は、かつて盗賊の襲来を避けるため一時的に避難した村人に向けて、村に残った青年たちが無事を知らせるランタンを飛ばしたのが始まりとされる。時を経て、ランタン飛ばしは幸福祈願の象徴に。健康運を願う赤、金運を願う黄色、色とりどりのランタンが青空に舞い上がる様子は圧巻。舞い上がるランタンを見送りながら願うひとときも、いつか旅の思い出になるだろう。

協力:台湾観光庁
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©︎marie claire/ text: Kazumi Serizawa
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