そんな澤屋さんで夏の暑い盛りになると出てくる人気メニューがかき氷です。宇治粟餅氷を頼めば、まずはお抹茶の色の鮮やかさにきっと驚くはず。というのも蜜は作り置きせず、直前に茶筅でお抹茶と蜜を点てて合わせたもの。

スプーンを差しこむと、さくりと良い音。そっと口へ運べば、すっと儚く消えて、抹茶の風味が心地よく残ります。ガリガリとした歯触りで頭がキーンと痛くなるようなかき氷がある一方で、澤屋さんのかき氷はとても繊細。そのくちどけの秘密を聞けば、「昔の電気を使わない冷蔵庫がありますでしょ、それを使っているんです」と 13 代目当主・森藤哲良(もりふじ・てつろう)さん。貯蔵用にはバックヤードの冷凍庫を用い、使う前には冷蔵庫に移して少し“あたためて”そのくちどけを生み出しています。

