ローマ発祥のジュエラーであるブルガリの「チョコレート・ジェム(宝石)」として知られる「ブルガリ イル・チョコラート」。職人たちが一粒一粒作り上げていくもので、イタリアの文化や深い味わいを体験できる至極のチョコレートだ。さらなる進化を遂げるチョコレート作りを指揮するブルガリ ホテルズ&リゾーツのメートル・ショコラティエのジャンルカ・フストが来日した。チョコレートのクリエイションに込められた思いとは。

昨年10月、ガナッシュのさらなる深い味わいを表現するため、チョコレートの厚さを8㎜から10㎜へと変更。使う食材によって、ダブルガナッシュ(2層のガナッシュ)とシングルガナッシュ(1層のガナッシュ)という構造になった。

6月30日までの期間限定で販売されているチョコレート・ジェム「アーリーサマー リモーネ」は、イタリア・シチリア島で収穫されるレモンの果汁を使ったゼリーと広島レモンのホワイトチョコレートガナッシュをビターチョコレートでコーティングしたものだ。食べると、ゼリー状の部分がとろっと溶け出し、レモンの香りが広がる。
「出来るだけ季節感を生かした、シーズンごとのチョコレートを考えている」
イタリアの深い味わいのチョコレートの世界を表現するのに、イタリアの食材だけでなく、日本の食材もどう生かしながら作っていくかを考えたという。

そんなときに重要な役割を果たしたのが、東京・銀座の「イル・リストランテ ルカ・ファンティン」でエグゼクティブ・シェフを務めるルカ・ファンティンだ。イタリアの味わいを皿の上で表現するために、日頃から日本の上質な食材を求めて全国を歩き、生産者と交流しているため、深い知識の持ち主だ。
「ルカは日本国内の農家を訪ね歩き、良質の食材を探しているので、その知識を活用して作っている」
昨年10月にリニューアルした「ザッフェラーノ エ マンドルラ」(サフラン&アーモンド)はミラノ出身のジャンルカ・フストの「エモーション」とつながっている。故郷のミラノ風リゾットをチョコレートで再現。リゾットの米の代わりにシチリアの香り豊かで甘みのあるアーモンドを使い、ルカ・ファンティンが出合った大分産の上質なサフランを用いたホワイトチョコレートガナッシュを使用した。
「この仕事を30年以上しているが、日本で初めて果物と野菜のおいしさを経験した。2019年、日本で初めて白桃を食べた時の感動は忘れない」

6月20日には、「ジェラティーネ・アッラ・フルッタ」(イタリア語で「フルーツゼリー」の意)を発売する。パッションフルーツ、ピーチ、ストロベリー、レモン、オレンジの5個入りで4300円(税込み)、10個入り8200円。それぞれの果汁の甘みと酸味が絶妙に調和。ゼラチンは植物性由来のものを使用しているので、ヴィーガンの人でも食べられる。
ジャンルカ・フストと日本のチームが作り上げる季節に合わせたチョコレート・ジェムの体験は、美しい記憶となりそうだ。
text: Izumi Miyachi
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