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'隈研吾氏監修のもと、東京・晴海に期間限定で建設されたCLTを多用したパビリオン。岡山県真庭市産のスギを材料としたこの建築は、2021年1月に解体。この夏、同市の国立公園で再築される。まさに、木が持つ持続可能性を体現している。木組み細工の階段など、木の温もりを五感で体感'

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隈研吾氏監修のもと、東京・晴海に期間限定で建設されたCLTを多用したパビリオン。岡山県真庭市産のスギを材料としたこの建築は、2021年1月に解体。この夏、同市の国立公園で再築される。まさに、木が持つ持続可能性を体現している。木組み細工の階段など、木の温もりを五感で体感

三菱地所が考える、未来のよりよい暮らし。2050年に向けて、持続可能なプロジェクトが始動

まちづくりをリードしてきた三菱地所は、環境問題への対応を加速させている。人々が安全・安心に暮らせるまちにしなければ、次の世代に引き継げなくなるという危機感が背景にある。

三菱地所グループはサステナブルな社会を実現するため、「三菱地所グループのSustainable Development Goals 2030」において、重点的に取り組むテーマとして「Environment」「Diversity & Inclusion」「Innovation」「Resilience」の4つを掲げ、これらを意識した事業を展開している。

環境については、グループ全体で二酸化炭素などの温室効果ガス排出量を2030年には2017年度比で35%減、2050年には87%減という目標を設けている。2050年には事業で使う電力の全量を再生可能エネルギー由来に切り替えることを計画している。この目標達成に向けて、全国各地で活動を強化していく方針だという。

Project1 森林を再生するCLTに着目

三菱地所が温室効果ガスの排出量削減に向けた施策の一つとして期待を寄せているのが、CLTと呼ばれる国産木材パネルだ。「Cross Laminated Timber」の略称で、木の板を繊維方向が直交するように積み重ね、接着剤で一体化させている。1990年代半ばに海外で利用が始まり、住宅だけでなく、ビルなどの大型建築物などでも使われるようになっている。

CLTはコンクリートに比べ製造時に使用するエネルギーが少なく、二酸化炭素の排出量を抑えられる。工場で量産して、建設現場ではプレハブのように組み立てるので、工期は短くて済む。断熱性能が高く、完成した建物で冷暖房費が節約できる。一方で、木造建築で不安となる火事や地震にも十分耐えられるという。

1階にコワーキングスペースを併設した賃貸マンション「The Parkhabio SOHO 大手町」。天然木の質感が、空間に温もりと落ち着きをもたらす

三菱地所は早くからCLTに着目し、空港やマンション、オフィスビルなどに導入してきた。こうした取り組みを加速させようと、異業種7社で「MEC Industry株式会社」(以下、MI)を設立し、霧島連山の麓にある鹿児島県湧水町に構えた工場で、2022年4月からCLTなどの本格的な生産を始める予定だ。製造から流通、販売までを一貫して手がけ、コストを低減させ、グループ外の企業にも利用してもらうことで、普及を図る。

賃貸マンション「PARK WOOD 高森」は、CLTを床材で使用した日本初の高層(10階建て)建築物

日本は森林大国でありながら、木材の活用が進まず、人工林の半分以上が利用に適した樹齢50年を上回っている。国産材への需要が高まれば、二酸化炭素の吸収量が多い若い樹木へと植え替えられ、森林は再生されていく。また、MIは地元で約100人の雇用を計画しており、林業がビジネスとして成り立てば、地域に活気が生まれる。

地方をサステナブルに。そこには、そうした思いも込められている。

みやこ下地島空港ターミナルでは、空港ターミナルとしては全国で初めて屋根の構造材にCLTを採用。CLTを2段重ねにすることで梁のない広々とした空間を実現

Project2 東京・丸の内を究極のサステナブル都市に

日本の心臓部である東京・丸の内エリアで、三菱地所は2050年を目標に環境と経済活動の継続を重視したまちづくりを始めている。

個々のビルの省エネ化に最大限取り組みながら、ビル間を繫いでエリア内にエネルギーを供給している地域冷暖房ネットワークを活用して、エリアでのエネルギーの効率を上げているが、あわせて、電力を生産しながら、その際に生じる熱も利用するコージェネレーション(熱電併給)システムを増強し、エリア内の自営電源を確保していく。多くの事務所が集結する丸の内エリアで、有事でもビジネス活動を継続できるようにインフラを整備することは、脱炭素とあわせて重要な課題だ。

さらに、このコージェネレーションシステムと地域冷暖房ネットワークを連携させ、各施設のエネルギーの使用状況に合わせて、電力と熱を一体的に運用し、エリア全体の省エネ効果を最大限高める。

一方、使用するエネルギーもよりクリーンにしていく。エリア内に三菱地所が所有するビルで使用する電力は、2022年度までにすべて再生可能エネルギー由来に切り替える予定。今後は、地方の発電事業などとの連携も模索し、大需要地である丸の内のエネルギー確保を目指している。

●三菱地所・鯉渕さんに伺いました 。「脱炭素で〝まち〞の魅力を高める

「三菱地所の使命は、まちづくりを通じて社会に貢献することです。地球温暖化が深刻化する現在、まちづくりで脱炭素化を追求することは、当然の社会的要請と受け止めています。

私が担当する東京の中心部で有事の業務継続性・平時の環境性を高める『都市型マイクログリッド』構想は、高い理想を掲げています。三菱地所のみでの達成は難しく、エリアの地権者、入居企業、エネルギー会社や脱炭素の技術を開発・保有する会社などと広く連携してともに取り組んでいきたいと思っています。

かつて駐在した英国では、ビルの環境価値や社会価値を、ビルオーナー、マネジメント会社、入居企業と積極的に話し合われていました。地域コミュニティなどとも強く関わって、ビル単体だけでない活動をしていたのが強く印象に残っています。日本でも、まちを利用する方々と一緒になって、脱炭素化を実現し、まちの魅力を高めていきたいと考えています」

三菱地所スマートエネルギー  デザイン部長 鯉渕祐子
三菱地所に入社し、マンションの企画や商業不動産の開発・運営などを担当。
英国現地法人に約6年間勤めた。今年4月から現職。 
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