「世界らん展2024」が今年も開催。蘭が織りなす時空のグラデーションの世界へ

34回目の開催となる本展は「らんに染まる。」をキャッチコピーに、計1000種以上、100万輪の蘭が会場を色鮮やかに染め上げる。

入り口には、例年フォトスポットとして人気のウェルカムゲート「オーキッド・ゲート2024」を設置。純白の胡蝶蘭から、力強い黄色のオンシジューム、優しいピンク色のシンビジュームなど、美しい10万輪の蘭が来場者を迎え入れる。

ゲートを抜けると見えてくるのは、空の上にある花園をイメージした「天空の花園」だ。天空へと昇るようにそびえ立つ高さ4ｍ以上の蘭の壁に囲まれた空間には蘭の香りが漂い、私たちを非日常へと誘う。

そして、夜でも変わらぬ蘭の美しさを表現している「幻想の蘭夜」では、胡蝶蘭で覆われた直径約1.6ｍの球体が飾られるなど、斬新で幻想的な展示を展開している。

また、遺伝子組み換えで作出された「光るコチョウラン」の世界初公開や、九州南部から沖縄にかけて広がる日本固有の野生蘭「オキナワチドリ」を中心に、「バイケイラン」「ジュエル・オーキッド（マコデスペトラ）」といった南西諸島に自生する蘭を紹介する特別企画展示も。

俳優の滝藤賢一さんが出演するNHK「趣味の園芸」の人気企画“これ、かっこイイぜ！”とのコラボレーション展示では、ユニークな多肉植物や着生植物が勢ぞろい。

華道家・假屋崎省吾さんと花創作家・志穂美悦子さんが手掛けるダイナミックなフラワーアートの作品展示にも注目してほしい。

今年の“日本一の蘭”を決定するコンテスト「世界らん展日本大賞」も本展内で開催され、会場には、全国の蘭愛好家や育種家が丹精込めて育てた数百の作品がずらり。一株で100輪以上花をつける大型の種類から、手のひらサイズのものまで、個性豊かな蘭を見ることができる。

蘭を使ったアレンジメントとウェディングブーケの2カテゴリーによるフラワーデザイン部門もあり、デザイン性や色のバランスなど、一次審査を通過した独創性溢れる約40作品の中から、今年の最優秀作品が決定される。

さらに、世界中から選りすぐりの蘭や花が集まるボタニカルマーケットには、約70店舗が参加。ペルー、エクアドル、台湾などからの珍しい蘭も登場し、ここでしか手に入らない希少な品種やオリジナルの栽培キットの販売もある。今まで知ることのなかった新たな蘭の魅力に、触れてみてはいかが。

text: Tomoe tamura

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