弱者を取り巻く環境が刻一刻と深刻化する現代だが、では実際、自分に何ができるか? またチャリティに参加するとなると、どうやって、またどこに寄付していいのか分からない人も多いはず。そんなときは、自分以外の身近なところに関心を持ち、自分が所属している社会はこれでいいのだろうか? と疑問を持つことが大事なのだと羽田さんは言う。

羽田さん「イベントを始めて6年になりますが、どういうやり方が正解なのか、まだ疑問はあります。けれど何もやらないよりもいいなって。まずは直接、自分が困っている誰かを助けるのではなく、既に誰かを助けている人を助け、応援することでもいい。そうすることで日々、試行錯誤しているであろう支援者の方にも肯定の気持ちを持ってもらえると思うんです。自分が実際に施設に行くことはできないかもしれないけれど、それをやっている団体を支援する。あとは、誰かに向けてこういう団体があるんだよって、口コミ、シェアするとか。誰かを助けるとかチャリティって、たいそうなことからではなくてもいいのかなと思います」
濱さん「また社会に興味を持つことも大切。一見、社交的でおしゃれな青年が、じっくり話してみると実は子ども時代に、過酷で壮絶な経験をし、まるで何もなかったように大人になっていたりする。自分が知らない世界があることを知り、身近に感じることも誰かを助けることにつながります」

羽田さん自身もチャリティに携わるようになり、さまざまな文化を知り、自分の知的好奇心が刺激されたことが、仕事にもフィードバックされているという。
羽田さん「誰かを助けたいと思って集まっている人々は善意の塊であり、その塊に触れることで自分の人生が豊かになる。結果、自分自身にチャリティしているように思えます。何より誰かを助けている人の話は勇気をくれるし、自分を成長させてくれますね」

子どもの貧困はもはや人ごとではない。子どもが犯罪を犯す確率が高くなると、結果的に国力や治安に影響を及ぼす。かわいそうだけでは済まされない現実は、いずれ私たちの社会にのしかかってくるのだから。
「他人の子どもであっても愛情を持って、まっすぐ健やかに育てることは、10年後、20年後の豊かな社会へとつながっていきます。誰かがではなく、社会みんなが社会に奉仕できるようになれたらいいですね」。曇りなき瞳を輝かせながら、羽田さんは語った。
Photos: Sari Yamanoi
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羽田美智子
茨城県出身。1988年デビュー。1994年公開の映画『RAMPO』でヒロイン役に抜てきされ、「日本アカデミー賞」で新人俳優賞を受賞。以降、多数の映画やテレビドラマに出演。主な出演作として『特捜9』シリーズ、『おかしな刑事』シリーズ、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』、『花嫁のれん』シリーズ、『#コールドゲーム』がある。著書に『羽田さんに聞いてみた、小さな幸せの見つけ方』他。オンラインセレクトショップ『羽田甚商店』を2019年にオープンさせた。
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