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河村真木子のリアル人生相談 第4回:グローバル教育、家を買うなら海外or日本?

悩み相談⑧:家を買うなら海外or日本?

――海外で家を購入するか、日本で購入するかどちらがいいでしょうか?(42歳女性)

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どの国かによりますが、例えば欧米の金融都市のなかで比べると、私は日本よりもアメリカの物件がいいと思っています。理由は、アメリカでは新築志向がそれほど強くなく、築100年以上のマンションでも価値が安定しているからです。

ヨーロッパもそうですけど、築300年の中古物件もたくさんあって、リノベーションの文化が盛ん。古い建物の価値を保つことができているんです。アメリカには多くのリノベ業者がいるので、競争も激しく上手なんですよ。

一方、日本では、新築物件の価値は下がり続ける傾向があります。あと日本は、電化製品のデザインが重要だなって思うところがあるんですよね。エレベーターもそうですし、部屋のボタンひとつを見てもそうですが、20年前の物件だと「古い」と、すぐ分かってしまうので。新築の時のデザインのはやりがあったりするんですよね。

ニューヨークやロサンゼルスなどのコンドミニアムなどは、最初から割と古いデザインのままだったりして、古さを感じない物件が結構多い。家電や水回りも日本ほど進化していかないので、逆に古くなりにくいのかなと思います。だから築年数にこだわらずに自分がいいと思った物件をリノベして、価値を上げていくことができるんです。

それからアメリカの物件は流動性も高く、取引が活発。一方、日本の不動産市場は流動性が低い傾向があるんですよね。

――なぜ日本の不動産は流動性が低いんですか?

最近は、海外の方が購入されていたりするのですが、日本の物件は日本人の購入がほとんどだからです。ニューヨークやロサンゼルスなどの不動産は、世界中から需要がありマーケットが大きいんです。

とはいえ、私たちは日本人なので、日本の物件を1つ購入してもいいと思いますが、二つ目、三つ目と不動産投資を考えるなら、私はアメリカの方がいいかなと思います。

――河村さんご自身は、家は「買う派」でしょうか?

はい。その理由は、過去のデータから見ても、世界全体でもインフレが続いていて、地価も物価も上昇しているからです。

明治時代に私のひいおばあちゃんは、奈良県に300円で家を建てたんですが、今、何倍でしょうか? これが日本だけでなく世界全体も同様で、物価の上昇は資本主義経済における自然拡大によるものだからです。

そういう意味で、比較的早い時期に家を購入することをおすすめします。いずれその家の価値は上昇し、40歳や50歳になった頃には倍になっていることもあれば、倍にならなくても上がっているパターンが多いから。もし自分が転勤や海外へ行くなどで、そこには住まないとしても、貸すなどして資産運用に活用できます。

買う時に必ず考えなければいけないのは、「貸せる物件かどうか」ということ。自分の趣味の家やとんでもなく駅から遠い家などは、おすすめしません。戸建てじゃなくマンションでも貸せる物件なら大丈夫です。

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――河村さんにとって、高額な物を買うか決める際の「決め手」はなんでしょうか?

それはリセールバリューです。リセールバリューは家やアート、バッグでもそうですが、さまざまなアイテムに関して重視していて、ただ自分が好きだというだけでは購入しません。セカンダリーマーケットで売れなさそうなものは、基本的に選びませんね。

資産としての価値や、子どもたちに受け継ぐことを考えても、売れない絵や価値のないものは選びたくないんです。もし売れないものだとしても、誰かに喜ばれるという視点も大切です。

photo: Tomoko Hagimoto 
hair & make-up: Naoki Saito(MAISON CINQ)
text: Tomoko Komiyama

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Profile

河村真木子(かわむら・まきこ)

1976年、奈良県生まれ。高校3年生の春にロサンゼルスの高校へ転入を決意。帰国後、関西学院大学に入学するも自主退学し、UCバークレー校に進学。卒業後は米系投資銀行に就職。2度の転職を経て、2021年8月にオンラインサロン「Holland Village Private Salon」の運営者となる。2022年10月には初の書籍『超フレキシブル人生論“当たり前”を手放せば人生はもっと豊かになる』を出版するなど多岐にわたり活躍。

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