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唯一無二に出会えるオーストラリア ~ウルルで、site-specificな体験を~

1000台以上のドローンが織りなす光のショー『WINTJIRI WIRU(ウィンジリ ウィル)』

ウルルと言えば、人工の光が少なく、乾燥地帯であることから、星空観測の場としても知られる。まるで、「私の出番は終わり、少し休むから、あとは任せた」とでも言うようにウルルがゆっくりと暗闇の中に姿を消すと、もうひとつの主役である満天の星が徐々にヴェールを脱ぎ始める。やがて、ドローンがアナング族に語り継がれる物語を、大地と空を舞台に立体的に映し出す。ドローンが放つ光が、無数の星と相まって、不思議な浮遊感を生み出していく。このショーでは、この地の管理者であるアナング族が何万年も語り継いできた壮大な歴史を、まさに歴史が紡がれた場所で体感できる唯一無二の体験ができる。自分が宇宙の一部にでもなったかのような、夢のような時間だった。

WINTJIRI WIRU(ソングライン)

夕暮れ時に会場に向かい、ウルルやカタ・ジュタが夕日に染まっていくのを、オリジナルカクテルやカンガルーミートのハンバーガーなど、先住民文化に触発されたフィンガーフーとともに堪能する。その後、ショーが続く間も、ワインとブッシュフード(先住民の食材)を使用した豪華キャンプバスケットのディナーをいただける特別プランなら、一足先に会場入りできるのでお勧めだ(ウィンジリ ウィル・サンセット・ディナー 385AUD~)。

ウルル-カタ・ジュタ国立公園

ここでしか出会えないアート、そして文化

日中は、太古の地球を感じさせるその雄大な姿を惜しみなく楽しませてくれるウルルとカタ・ジュタ。だが、主役たち以外にも、私たちを魅了する造形は多い。5万個の球体ガラスが揺れる光のインスタレーション「フィールド・オブ・ライト」もそのひとつ(有料)。英国の世界的アーティストのブルース・ムンロ氏による朝と夜だけ見られるライトアップアートは、ウルルの麓、サッカーグラウンド4面分の敷地に展開されている。暗闇に浮かび上がる光がゆらゆらと色を変えていく様子は、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだかのように幻想的。2016年にスタートした際は、1年間限定の「site-specific art」だったが、好評を得て期間が延長され、現在では無期限延長となっている。

ウルル-カタ・ジュタ国立公園

さらに、アナング族の語り部と歩く文化体験ツアーでもここでしか得られない貴重な経験ができる。実際にウルルの聖地を訪れながら、人々が残した壁画やストーリーを知ることができるのだ。ツアー最後にはアボリジナルアートの制作現場を訪れたり、特徴的なドットアートを自ら体験したりすることもできる。造形だけではなく、ウルルのより文化的な側面に触れられ貴重な機会だ。

ウルル-カタ・ジュタ国立公園

夕日に染まるウルルのサンセットを眺めながらスタートする、先住民のブッシュフードを取り入れたユニークな野外ディナー「マイ・ウルル・ラ・イラ」は、やがて星空の下でロマンティックな雰囲気に。スパークリングワインや地元のクラフトビールで乾杯できるのも嬉(うれ)しい。

ウルル-カタ・ジュタ国立公園

朝日に照らされ輝きを増していくウルルを見ながら朝食がいただける、セグウェイツアーもおすすめだ。フレンチプレスの美味しいコーヒーやマフィンを楽しんだら、ツアー開始。

ウルル-カタ・ジュタ国立公園

ウルルの岩肌近くを回るルートを進むので、実際にウルルに触れたり、その美しさを間近から見上げたりと、地球の迫力をこれでもかと体感できる。もちろん、ツアー前には短時間のレッスンもあるので、セグウェイ初心者でも安心だ。

ウルル-カタ・ジュタ国立公園

ウルルを旅する、その理由

ここでしか見られないものを見る。これこそが、旅する理由だ。ノーザンテリトリーは、まさにオーストラリアのハートともいえる場所。実は、エアーズロックエアポートに到着した際は、長旅で少し疲れを感じていた。それなのにこの地に降り立った瞬間から、内より湧き出すようなエネルギーを感じ、それでいて穏やかな心地よさに包まれたことが忘れられない。スピリチュアルな場所として語られることも多い理由がとてもよくわかる。実際に赴けば、地球のエネルギーを直に感じられる場所だと確信できるからだ。

ウルル-カタ・ジュタ国立公園

さらに、この地でカルチャーとネイチャー、その両方を守ろうとする人々とも出会い、その真摯(しんし)な姿勢、努力に感銘を受けた。自然によって育まれたもの、人によって守られてきたもの、それらの壮大な融合を体感し圧倒される、そんな感覚は実際に足を踏み入れてこそのものだろう。

韓国・釜山の自然を松島海水浴場で楽しむ

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