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<LIFE WITH MUSIC>第7回 思い出の地、武漢

(c)Maika Loubte

【3月12日 marie claire style】今話題の武漢は、去年中国ツアーへ行ったときに巡った街の一つでした。そのときは、新型ウイルスのことなど想像もしていませんでした。友人たちも住んでいるあの街、今は日常生活が脅かされるほどの過酷な状況に覆われていて、とても心配です。今回は、その武漢の話をしたいと思います。

 武漢はもともと新旧の文化がある街です。ビジュアルアーティストの友人Liuは、昔のロシア領事館を改築した「haha!」というカフェ&ラウンジを経営しています。そこはお洒落な若者やDJが頻繁に集まる場所でもあり、毎週末のように音楽イベントが行われていました。お店の名物の、まっ黒な活性炭を使ったオリジナルのラテが最高に美味しかったです。普通の若者が次々とカルチャーを育てているその界隈は、昔ロシアとの紅茶の貿易が盛んに行われていたことからヨーロッパ風の古い建築がたくさん残っており、活気に溢れていました。湖北料理は唐辛子をよく使いますが、実は辛さよりも香りを楽しむためのもので、それも忘れられないくらい美味しかったこと。屋台風の店で売っていたレトロな雑貨も素敵でした。

 先の見えない不安に包まれる昨今ですが、たくさんの思い出と一緒に、自分が実際に感じたことは覚えておきたいです。

■PICK UP !/中国の思い出とともに心に浮かぶ曲
・Nariaki Obukuro / The fin.「COLD」
「haha!」で流れてきて、聴いたことのあるシンセサイザーの音だと思ったら、この曲でした。カッコいいな。

・Vengaboys「Boom, Boom, Boom, Boom!!」
90年代、中国でこのポップソングが大流行したというエピソードとともに、「今でもこの曲が好き」とツアーオーガナイザーに教えてもらった一曲です。軽くて明るいサウンドが、妙に沁みます。

■プロフィール
マイカ・ルブテ(Maika Loubté)
SSW、トラックメーカー、DJ。日本人の母とフランス人の父の間に生まれ、10代まで日本・パリ・香港で過ごす。ポップスとエレクトロニクスを融合させたスタイルで、国内外で音楽活動を行う。2019年7月、アルバム『Closer』をリリース。agnès b.、Mercedes-Benz、STÜSSY WOMEN、Gapなどのブランドとのコラボレーションも行う。

■関連情報
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(c)marie claire style/selection, text, photo: Maika Loubté

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