山代温泉の歴史は長く、約1300年前にまでさかのぼる。行基という高僧が霊峰白山へ修行に向かう道中、1羽のカラスが傷を癒やしている水たまりを発見したのが始まりと言われている。

“美人の湯”とも言われる、とろみのある泉質は滑らかな肌へと導く。内風呂には九谷焼のアートパネルが施され、加賀の伝統を感じながら湯浴みを楽しめる。

宿を一歩出ると、北陸特有の呼び名で「湯の曲輪(ゆのがわ)」と言われる街並みが広がる。江戸時代の温泉場は公衆浴場を中心に街がつくられていて、「界 加賀」の周辺にも当時の趣が感じられる。宿泊客は、明治時代の総湯を復元した「古総湯(こそうゆ)」に無料で入浴できるので、ぜひ訪れてみてほしい。
「界 加賀」と縁のある魯山人は美食家としても知られる。彼が残した「器は料理の着物」という料理の哲学にならって、ここでは、“器と料理のマリアージュ”をテーマにした料理の数々をいただくことができる。

魅力を放つ器は、界の総料理長が九谷焼の若手作家に依頼し制作されたもの。「季節の会席」では、地域の旬の食材の数々がこだわりの器と美しく共演する。


春夏秋の特別会席は、「のどぐろと鮑の会席」。「白身のトロ」とも呼ばれるのどぐろの旨みを土鍋ごはんで味わえる。
そして、冬の特別会席は、蟹を味わい尽くす「活ずわい蟹会席」だ。水に浸した縄を蟹に巻きつけて蒸し上げるという、ダイナミックな「活蟹のしめ縄蒸し」を中心に、蒸し、焼き、刺し身などさまざまな調理法で提供される。
「界」ブランドの大きな魅力でもある、ご当地文化を体験する「ご当地楽」。「界 加賀」では、金沢市の無形民族文化財にも指定されている加賀獅子舞が披露される。

地元の工芸作家や民俗芸能チームの協力を得てアレンジされた演舞は、振り付け、衣装、音楽など全てがオリジナル。武家文化としての伝統を引き継ぎながらも、独創性のある新しい形の加賀獅子舞を躍動的に演舞する。