

浦浜:『KAMI CHARISMA』についても聞きたいんだけど、これは“食”でいうミシュランのようなものよね? 選出された美容師さんに、ハサミ、いわゆる星を与えるアワード。日本の美容師のスキルって、世界に誇れるほど全体的にレベルが高いものなんだと最近知ったの。
奈良:日本は、世界で一番美容師のクオリティが高いと思う。
浦浜:パリやミラノでヘアメイクの最先端に触れたり、名だたる美容室を見てきても、技術はやっぱり日本が一番って言える理由は何?
奈良:仕事が丁寧で研究熱心な国民性だからだと思う。あとは、アジア人の髪質が扱い難いことも大きい。アメリカやヨーロッパの人は大体が癖毛で柔らかいから、普通に切っても動きやニュアンスは出しやすい。だから海外のヘアスタイリストさんで、直毛で動きの出にくいアジア人の髪をわざわざ勉強する人は少ないと思う。西洋の人はカラーにしても、ワンブリーチもしくはブリーチなしでも奇麗な色が出るけど、アジア人の黒髪を流行の外国人風ヘアにするためには、いかに髪を傷めないようにブリーチを重ねるかが重要になってくる。
浦浜:髪質が難しいから勉強が必要なんだ。奈良さんは海外セレブの来日時のヘアメイクも多く手掛けてるから、より違いが分かるね。世界的に有名なヘアアーティスト、メイクアップアーティストのファーストアシスタントが日本人というケースも多い。
奈良:そう。発想力や表現力がうまい人は、海外のアーティストには本当に多いけど、要望に対してそれを完璧に作り上げるのが日本人は上手。技術力では負けていないと思う。
浦浜:『KAMI CHARISMA』は日本政府も関わってるのよね?
奈良:そう。まだ始まったばかりだから、この制度に疑問を持っている美容師さんもいると思うけどね。2年目に星3つになって、3年連続星3ついただきました。22年は星3つを獲得した美容師は53万人中、全国で10人だけ選ばれたそうです。
浦浜:美容師さんって全国に53万人もいるの!? すごい人数だ! 私は、美容はアートの世界だと思っているから数字や表彰がすべてではない。とはいえ、こういったものができることによって、皆さんの目標やモチベーションにつながるのかな?と感じたけど、奈良さんはどう?
奈良:いいことだと思う。アートや音楽、ファッションでは評価される機会が常に何かしらあるけど、美容の世界にはほぼなかったので。世の中の人は、この賞状をもらった美容師さんを「あれを取ったんですね、すごいですね」と言うだろうし、僕は選んでいただいたのであれば断らずに受け取ろうと思って。
浦浜:このアワード、どんどん大きくなっていきそうな気がするね。
奈良:うん、来年も取れるように頑張ります。