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RIKACOさん流「自分を愛しアップデート」40代の“学び”が50代の今を形づくる

人生100年時代と言われる昨今、働き方や家族のあり方、学び方など生き方そのものが多様に変化してきている。人生の転機をチャンスに変えた人たちは、次のステップをどう踏み出したのだろう?

そんな先人たちの話を聞く連載「ネクストステージ」。第3回は、好奇心を原動力に、学びをチャンスに生かしていったRIKACOさんにフォーカス。

インスタグラムでは仲の良い友人たちとのダンス、YouTubeでは自然体なライフスタイルを公開──。飾らない人柄と自ら発する芯をもった言葉、そして心身ともにヘルシーに年齢を重ねる姿に、世代を問わず多くの女性たちが惹きつけられるのも納得できる。

作りたいのは、モノを売る場所より人が集う場所

RIKACOさんが始めたライフスタイルブランド「LOVE GIVES LOVE」は、RIKACOさんのアイデンティティーそのもの。自身の人生の中で大切にしてきたものが、凝縮されている。そんな「LOVE GIVES LOVE」をイメージし始めたのは、今から4年ほど前だと言う。

「ライフスタイルブランドと言っても単に物を売るだけではなくて、“大人塾”のように、人と人がつながる場所が生まれたらいいな、とぼんやり考えていました。専門家の先生が来て新しい体験ができて、そこに来ると和めるようなリアルな場所をずっと探していたんですが、なかなかみつからなくて……」

そんな中、世の中は新型コロナによるパンデミックへ突入。タレントとしてテレビに多く出演していたRIKACOさんにも、表現の仕方についてゆっくり考えを巡らす時間が訪れる。

「場所にばかり目を向けていたのですが、その一方でとてもこだわって作ったオイルをECで販売してみたんです。そしたら思った以上に喜んでいただけて。どうしても世代的にオンラインというものに慣れていなかったし、人と人が会って初めてつながる発想しかなかったのですが、オンラインという新しい場に目を向けたことで世界が一気に広がりました」

「LOVE GIVES LOVE」で人気のオイルシリーズとリンパドレナージュができるヴィーガンブラシ。自然環境に配慮した物作りを行うなど、RIKACOさんのこだわりが凝縮されている

物作りも企画も運営も、すべて一人でやってみる

RIKACOさんは現在57歳。驚くべきことに、この「LOVE GIVES LOVE」は一人で立ち上げて、パートタイムでお手伝いしてくれる方はいても、基本的にはご自身の力だけで運営しているそう。

「もう、全部大変ですよ(笑)。ECサイトで物を売ることも初めてだし、そもそもECサイトの仕組みもわからないし。いわゆる一般的なコスメを売っている人たちは、ひとつの会社組織としてブランドをやっているから、PRの方がいたり、仕事内容が分かれているじゃないですか。

でも私の場合は一人で始めて、クリエイティブな部分は全部自分で考えて。パートタイムで手伝ってもらっている人はいますが、基本的に自分で学びながら進んできた感じなんです」

すべてが初めての連続。「大変なことばかりだけど、だからとても勉強になるし、やりがいはありますよね」とほほ笑みながら話す。

「誰かにお金を出してもらってやっているわけでもないので、だからすごいシビアだし、もちろん誰のせいにもできないです。ただ無理もしないし、でも突っ走るところは突っ走れるし(笑)、自分が納得しないと進めないし、すべて自分次第だから学びになりますね」

RIKACOさんの言葉からは、“学び“や“勉強”という言葉が何度も登場する。実際にRIKACOさんは40代以降、興味がある分野について学び、資格を取得してきた経緯が、現在の軸となっている。

更年期をきっかけに始めた“大人の学び

「下の息子が高校卒業し子育てもひと段落して、ちょうどそんな時に更年期も重なって、家でダラダラ過ごしていると余計に具合が悪くなるような感じだったんです。そこで、興味があるいろんな資格に挑戦してみたんですね。

もともと、食べるものだけではなく肌に直接つけるものはオーガニックにこだわっていて。その流れで“オーガニックアドバイザー”の資格を取りました。オーガニックの物を作るには、健康な土が必要になる。そうなると土の中に微生物がしっかりいてくれないと──地球環境についても改めて考えさせられましたね。

そのほかにも“スーパーフードビューティマイスター”や“リンパドレナージュ”、ニールズヤードの教室に1年近く通って“アロマライフスタイリスト”などの資格も取りました。資格を取るときは、これを何かビジネスにつなげようなんて気持ちは更々なかったんです。ただ興味があるから追求してみようっていう、好奇心かな」

「学びの原動力は好奇心」と話すRIKACOさん

10年以上前にも一度、ライフスタイルブランドのディレクターを務めていたことがあるRIKACOさん。しかし当時は知識がなく、不甲斐ない思いを経験したこともあったそう。

「当時は感覚でやっていたのでそれを言語化することができず、価格のことについても知識がなかった。今回は、学んでみたら価格が高い原料についての知識もできたから『これを使ったら高くなるけどこれだけは譲れない』とか、『これは値が張るから1種類にしよう』とか、具体的に指示できるようになりましたね」

資格に挑戦した40代の当時、RIKACOさんを突き動かしたのは“好奇心”だった。しかしそこで学んだことは、50代の今を形作っている。

「好きなこととか学びたいことって、年齢に関係なくいくつになってもできることだと思うんですよね。私は好きなことだったから導かれるように学んだけど、それが今となっては、私の人生の新しいスタートを切るきっかけになっている。人生って分からないですよね」

Profile

RIKACO

タレント。1966年生まれ。13歳でスカウトされモデルデビュー。2020年に代表を務めプロデュースするライフスタイルブランド「LOVE GIVES LOVE」(https://love-gives-love.com)をスタート。2023年にはアパレルブランド「LOVE GIVES LOVE écru」がローンチ。
Instagramrikaco_official
YouTubeRIKACO LIFE

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