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仕事をとるか、私をとるか? ワーク・ライフ・ホルモンバランス®を知ろう

ワークライフバランスについて考える機会が増えたが、女性が仕事とライフスタイルのバランスをとって活躍するには、まず先に自分の体のことを知ることが大切。「ワーク・ライフ・ホルモンバランス®」を推進している一般社団法人日本フェムテック協会代表理事の山田奈央子さんにお話を伺った。

関心が高まる、女性のヘルスリテラシー

日本の女性はヘルスリテラシーが低い。予防や未病ケアができず体調を崩してやむを得ず退職したり、人生にストップがかかったりしてしまうことが多い。2021年に日本フェムテック協会を設立した山田さん自身も、仕事を優先したあまり女性疾患があったことに気づかずに倒れたひとりだった。

「実体験をまわりに話したら『じつは私も……』という声が多かったんです。女性が活躍できる時代になってきているとはいえ、実際は基本的な健康管理をしたうえで活躍していける自分をつくるところまで至っていないと感じました」

「フェムテック」というワードの認知が広がってきたのは、2020年の新型コロナウイルス感染症の広がりが大きなきっかけになったようだ。

「病院へ行きづらい状況になり、自分でメンテナンスをしようという方向に目が向き始めましたね。同年には、自民党がフェムテック振興議員連盟を結成、ユニクロやGU、イオンなど大手企業が吸水ショーツを発売するなどフェムテック産業への参入もありました。また『フェムテック』が新語・流行語大賞にノミネートも。2022年12月に大々的に行われたフェムテックだけの展示会は、近年まれに見る盛り上がりでした」

日本フェムテック協会は、女性のヘルスリテラシーを上げるための活動として、医療チームや各専門家の監修のもと認定資格をつくり、健康マネジメントが学べる仕組みをつくっている。広告などを一切出していないにもかかわらず、この2年で受講者が2万人を超えているところからも、認知や関心が高まっているのはうかがわれる。受講者のうち4割は個人、3割ほどが企業から、ほか3割のなかにはフェムテックビジネスをしている人や男性の受講者も増えているという。

「このままでは会社が変わっていけない、成長していかない、ダイバーシティーの観点からも健康マネジメントは最低限必要だとようやく気づいてきた、という印象です」

Profile

山田奈央子

一般社団法人日本フェムテック協会代表理事。大手下着メーカーで下着の企画・開発を行った後、世界初の下着コンシェルジュとして独立。株式会社シルキースタイルを設立し、女性特有のお悩みに寄り添ったインナー、コスメ、健康雑貨などの商品企画開発を17年間行う。2021年に、医師、経済人、医療ジャーナリスト、キャリアコンサルタントらと共に(一社)日本フェムテック協会を設立。代表理事として女性特有のゆらぎに寄り添うためのウィメンズヘルスリテラシーの重要さを雑誌・TV・企業・行政などで周知する活動をしている。2男の母。日本フェムテック協会はこちら

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