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「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展へ──日本初上陸から70年の節目に思う

圧倒的な迫力で迫ってくる展示 ©marie claire Japon

マリ・クレール編集長、田居克人が月に1回、読者のみなさまにお届けするメッセージ。今回は、東京都現代美術館で開催中の「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展によせて、偉大なデザイナーと日本との深いかかわりについて、個人的な思い出とともに振り返る。

2017年から世界各都市を回り、いま日本へ

弊誌でも2号にわたり紹介していますが、現在、東京都現代美術館で「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展が5月28日まで開催されています。

2017年にパリの装飾芸術美術館で開催された際に見に行きましたが、その時よりもさらに見やすく、また展示のしかたもバージョンアップし、見ごたえのある展覧会になっています。展示の空間デザインはニューヨークを拠点に活躍する建築家、重松象平氏によるもの。

この展覧会は世界の各都市をまわり、その都市にふさわしい方法で展示されているのですが、本当に「クリスチャン ディオール」の歴史やクリエイションを理解しやすい展示になっています。

「ディオール」といえば、個人的な思い出もあります。

パリのアベニュー・モンテーニュにある本店は最近大規模にリニューアルされましたが、改装される何年か前、この建物の最上階にある、クリスチャン・ディオールの仕事部屋兼プライベートルームを見せていただき、そこで食事をする機会がありました。グレーのトーンで落ち着いた室内のディオールのデスクには、親交のあったジャン・コクトーからの手紙や写真、スケッチが並べられ、壁に飾られていた絵などからは日本の文化から大きな影響を受けていたのもよくわかりました。

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