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ヴァネッサ・パラディが語る映画への情熱

ヴァネッサ・パラディ/(c)marie claire style / photo: Philip Gay / realization: Anne-Sophie Thomas / stylist’s assistant: Agathe Gire / hair: Laurent Philippon〈Calliste〉 / make-up: Christophe Danchaud〈B. Agency〉 / nail: Séverine L〈. Call My Agent〉 / production: Zoé Martin〈Producing Love〉 / assistant: Zoë Derks〈Producing Love〉/cooperation: Deauville City / costume: CHANEL

【9月10日 marie claire style】9月4日から13日までフランスのドーヴィルで開催中の第46回「ドーヴィル・アメリカ映画祭」で審査員長を務めている歌手、女優のヴァネッサ・パラディ。10代でデビューし、音楽から映画まで幅広い活動を通じて人々をインスパイアし続け、「シャネル」のアンバサダーとしても活躍している。47歳の今、昔と変わらず気取らない姿でインタビューに現れた彼女は、映画への情熱やキャリアについて語ってくれた。

新型コロナウイルスの影響でカンヌ国際映画祭も通常形式での開催を見送りました。ロックダウンの間どのようなことを感じましたか?
ロックダウンを経験して、映画でも音楽でも演劇でも美術でも、生きるためには文化が必要だと痛感したはずよ。文化は夢を与えてくれる。病気の人に喜びと夢を与えれば、生きようとする手助けになるわ。

ドーヴィル・アメリカ映画祭の魅力は?
インディーズ映画に焦点を当てているところね。女優としても観客としても、そういう作品に惹かれるの。扱うテーマは決してわかりやすいものではないけれど、自分の現実の外側へと連れて行ってくれるわ。インディーズ映画の撮影の現場では特別な連帯感や寛容さが感じられるの。自由にできる予算は少ないけれど、そこには何か人間的なもの、とてもアーティスティックなものがあると思うわ。

2016年のカンヌ映画祭では審査員を務められました。印象に残っていることは?ドーヴィル・アメリカ映画祭に生かせることはありますか?
素晴らしい経験だった。この仕事についての見識を深めることができたわ。映画祭で身に付けたことをすぐに生かしたかったから、すぐに何か映画に出演したいと思った。それに、審査にその日の気分が影響するという事実も忘れてはいけないの。審査員として一日に2、3本の作品を観た。自分の心の声を聞くことはとても大事だけれど、一晩寝て次の朝目覚めてみると、物事を前日と同じように見られないこともある。ドーヴィル映画祭の審査員たちとも話をして、私自身なるべく公平でいたいと考えているわ。もちろん、とても緊張しているけれどね!

人生で最初に観た映画は?
最初はもちろんアニメ映画よ。『ジャングル・ブック』は音楽もストーリーも素晴らしくて好きだった。7歳くらいからミュージカルに夢中になったわ。『雨に唄えば』は私の人生の中でも一番のお気に入りよ。音楽、オーケストラ、ダンス、テクニカラーの発色なんかに魂が震える。他にも『ザッツ・エンタテインメント』がミュージカル映画としてとてもよくできていたと思うわ。ティーンになってからはボブ・フォッシーのファンだったし、バーブラ・ストライサンドの『ファニー・ガール』は何度も何度も繰り返し観たわね。

ミュージカルに出演したことはありませんよね?
そうなの! 前から出たいとは思っていたんだけど、そういえば出演しようと準備をしたことはなかったわね。この仕事は好きだし、人生も充実している。けれど少し恐れている部分もあるの。ミュージカルというジャンルが本当に好きだから、やるからには本当によいものを作りたい。まだ遅くないとは思っているけれど、20歳の時よりは少し勇気がいるわね!

女優を始めたことで歌手としての活動に変化はありましたか?その逆は?
女優も歌手も、体や声を使って表現する仕事よ。音楽では、コンサートでオーディエンスを沸かせて、ムードを作り上げるの。これはとてもフィジカルなもの。具体的な変化というと難しいけれど、どちらの仕事ももう一方を補完する形で、私なりに成長できたと思う。より気持ちよく、よりよく生きるには、自分自身を受け入れて、気に入らない部分でもすべて認めることが大事よ。そうすれば本当に自由で楽しく過ごせるわ。

カール・ラガーフェルド、ジャン・バプティスト・モンディーノ、ジャン=ポール・グードなど、ビジュアルアートの巨匠とも仕事をされています。何を学びましたか?
私にとってはとても重要な要素ね。16歳の時にモンディーノと写真やビデオを撮影したけれど、それが私のイメージを変えた。偉大なアーティストたちと仕事をして、その集中力と自由な発想に圧倒されたわ。彼らは前もって撮影の準備を入念にしているんだけど、みんなの前で新しいことを試すのも躊躇しない。最初のテイクですべてを出し切ることはできない。時間とともに発見できることもあると、たくさんのことを学べたわ。

■関連情報
・シャネル 公式HP:https://www.chanel.com/ja_JP
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(c)marie claire style / Cover /photo: Philip Gay / realization: Anne-Sophie Thomas / stylist’s assistant: Agathe Gire / hair: Laurent Philippon〈Calliste〉/ make-up: Christophe Danchaud〈B. Agency〉/ nail: Séverine L. 〈Call My Agent〉/ production: Zoé Martin〈Producing Love〉/ assistant: Zoë Derks〈Producing Love〉/ cooperation: Deauville City / costume: CHANEL
Cover Story /photos: Philip Gay / interview: Philomène Piégay / realization: Anne-Sophie Thomas / stylist’s assistant: Agathe Gire / hair: Laurent Philippon〈Calliste〉/ make-up: Christophe Danchaud〈B. Agency〉/ nail: Séverine L.〈Call My Agent〉/ production: Zoé Martin〈Producing Love〉/ assistant: Zoë Derks〈Producing Love〉/ cooperation: Deauville City

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