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女優、プロデューサー、妻、母として輝くスーパーウーマン、ニコール・キッドマン

ニコール・キッドマン/dress: Dior(Christian Dior)necklace, ring, earring: Dior Fine Jewelry(Christian Dior)(c)marie claire style / photo: Jake Terrey / styling: Naomi Smith / hair: Sophie Roberts〈The Artist Group〉/ make-up: Linda Jefferyes〈The Artist Group〉

【12月24日 marie claire style】1980年代にデビューして以来、数々の映画への出演を果たし、映画『めぐりあう時間たち』(2002年)ではアカデミー賞主演女優賞を受賞。世界的な女優としての地位を不動のものとしてきたニコール・キッドマン。最近は女優業とともにプロデューサーとしても手腕を発揮し、その活躍ぶりはとどまるところを知らない。今年53歳を迎え、大人の美しさにますます磨きがかかる彼女の今に注目。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、製作中のドラマ「ナイン・パーフェクト・ストレンジャーズ(原題)」の撮影場所が、ロサンゼルスからシドニーの北に位置するバイロンベイへと移ることになったことを受け、主演と製作総指揮を務めるニコール・キッドマンは、夫であるカントリーミュージックスターのキース・アーバンと12歳と9歳になる2人の娘とともに故郷であるオーストラリアに居を移すこととなった。シドニーのスタジオに、リラックスした装いで静かに現れたニコールは、毎日長時間にわたる撮影のため、寝不足続きであるにもかかわらず、温かく、そして潑剌とインタビューに応じてくれた。

次に何が起こるか予測のつかない世の中になっています。「ナイン・パーフェクト・ストレンジャーズ」の撮影が6ヵ月にわたってバイロンベイで行われることになるなんて、一体誰が想像できたでしょう。
その通りよ。私たちがキャストとクルーたちに撮影場所の変更をお願いしたとき、彼らは「いいね、そうしよう!」と賛同してくれたの。7月からクリスマスまで1,400人もの人たちに仕事の機会を与えることができるということは、私個人にとってはとても喜ばしいことだったわ。

このような難しい状況の中、誇るべきことですね。
もちろん簡単なものではなかったのよ。いく晩も眠れない夜を過ごしたわ。膨大なストレスに耐えなければいけなかったけれど、制限された環境の中でも制作を続けてきているの。なんとかやりとげられたということが、いまだに信じられないくらいよ!

2010年に映画『ラビット・ホール』をプロデュースして以来、ドラマ「ビッグ・リトル・ライズ」「フレイザー家の秘密(原題:The Undoing)」「ナイン・パーフェクト・ストレンジャーズ」など数々の作品で女優としての出演とプロデュース業、両方をこなしていますが、そのことについてどのように感じていますか?
素晴らしいチームのおかげで今まで両立してこれたわ。プロジェクト、家族、そしてパンデミック、すべてをうまく回していくのは本当に大変。ものすごく辛いときもあるけれど、その分たくさんの喜びもあるわ。

最新作のドラマ「フレイザー家の秘密」では、完璧な結婚生活を送っているように見える裏で、次々と起こる困難に対峙していくニューヨークのセラピスト、グレイス・フレイザーを見事に演じていますよね。ヒュー・グラントとの共演も話題になっていますが、いかがでしたか?
ヒューには茶目っ気があって、一緒にいるのがとても楽しかったわ。彼とは20代前半からの知り合いなの。ロンドンで、ヒューと当時交際していたエリザベス・ハーレイ、そして私と妹の4人で食事に出かけたこともあるわ。

夫が殺人事件の容疑者となるサスペンスストーリーで、夫婦役である2人の間にはたくさんの激しいシーンがありました。そういった役柄の難しさはどのように克服していったのですか?
ヒューのウィットのおかげで、リラックスして夫婦役を演じることができたの。おかげで、なんとか乗り越えられたわ。でも激しく感情をぶつけるシーンが多くて、最後はお互いにヘトヘトになったのよ。

これまで60本を超える映画や、近年ではテレビ作品にも積極的に出演して、アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、エミー賞など、数えきれないほどの賞を受賞していますが、仕事のどんなことから一番刺激を受けていますか?
一緒に働く人たち、そして撮影のプロセスよ。一つの作品ができ上がっていくまでの道のりは、まるで魔法のようだわ。自分とは異なる目線で人生を眺めて、人間性を見つめ直していく、その過程が大好きなの。

あなたの人生が特別であるということには、誰もが賛同するでしょうね。
複雑で盛りだくさんの人生を送っていると思われているけれど、実際には夫と娘たちと一緒のとてもシンプルな生活なのよ。

女性監督たちと定期的に仕事をして、クリエイティブ職の女性をサポートすることに力を注いでいますよね。
私が専念してきていることよ。個人的なことだけど、医師になることを諦めざるを得なくて看護師になった母は、私に「ためらわずに自分のやりたいことをやりなさい」と言って、背中を押してくれていたの。今の新しい世代の女の子たちを見ていると、女性たちがどんどん前進していくことに希望が持てるわ。

そして心強い相方を持つことですね。
その通りよ。私にとっては夫が心強い味方なの。愛情と信頼、居心地のよさを与えてくれて、ずっと私を支えてくれているわ。私は内向的、彼は社交的な性格でバランスがとれているのよ。

あなたが内向的?
私はとても内気で、集団の中にいるのも居心地が悪いし、大勢の前でのスピーチは大の苦手なの。

でも2017年にエミー賞を受賞した際のドメスティックバイオレンスについてのスピーチはとても力強く、心に響くものでした。
心の中から湧き出た言葉だからよ。ドメスティックバイオレンスを取り巻く暗い側面を打ち砕きたかったの。

ドラマ「ビッグ・リトル・ライズ」のメンバーとは、今でもグループチャットを続けていますよね?
リース・ウィザースプーン、ゾーイ・クラヴィッツ、ローラ・ダーンといったキャストたちとは連絡を取り続けているわ。私たち全員がもう一度一緒に仕事をしたいと思っているのよ。これからをお楽しみに!

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「BS10 スターチャンネル」で、ニコール・キッドマン&ヒュー・グラント初共演の心理サスペンス「フレイザー家の秘密」(全6話)を2021年新春1月27日(水)23時より、独占日本初放送!
※1月23日(土)19時45分より第1話〈先行〉無料放送

(c)marie claire style / photo: Jake Terrey / styling: Naomi Smith / hair: Sophie Roberts〈The Artist Group〉/ make-up: Linda Jefferyes〈The Artist Group〉/ translation: Junko Nakaniwa

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