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明日のラグジュアリーを再考する”ReLuxury”と「リシャール・ミル」の実践

高級品や収集品の中古取引に特化したイベント“ReLuxury”が11月のジュネーブで初開催された。主要出展社の一つ「リシャール・ミル」が、時代の先を見据えて取り組んできた正規認定中古販売にも改めて注目。

サステナビリティ(持続可能性)やサーキュラーエコノミー(循環型経済)などのトレンドワードを反映して、中古の高級品市場が勢いよく伸びている。

BCG x Comité Colbertが調査した「Luxury Outlook 2022」によると、その市場規模は2021年に約330憶ユーロと推定され、2025年には500憶ユーロを超えると予想されている。

そのような時代背景から“ReLuxury”というイベントは生まれ、高級品や収集価値のある時計、ジュエリー、革製品、ファッションに関連した30以上の出展者、500以上の展示品が集い、ジュネーブ・レマン湖畔にあるホテルプレジデントの会場は多くの来場者で賑わった。

ブランド自体が中古品市場の重要性を理解し、自社内あるいはパートナー企業と共にその市場を開拓している事例も増えている。中古の高級品市場において、消費者はトレーサビリティ(追跡可能性)を求めるため、ブランド自身が認定した中古品であれば、安心して購入することができるようになる。

スイスの高級腕時計ブランド「リシャール・ミル」は、2001年の創設当初から、この市場が成長することを見据えており、2012年に正規認定中古制度を導入し、現在では正規認定中古の取り扱いを4つの主要マーケット(日本、シンガポール、米国、英国)で展開している。

リシャール・ミル “ReLuxury” サステナビリティ(持続可能性) サーキュラーエコノミー(循環型経済)
リシャール・ミルの正規認定中古店では、本社発行の2年間の国際保証書兼認定書が付帯するほか、新品に交換されるストラップは純正の豊富な素材やカラーから選ぶことができる

実は、その中でも日本が先陣を切って2012年からスタートさせていることに改めて注目させられる。今年初めてジュネーブで提唱された“ReLuxury”という概念を、10年前から実践していたことに驚く。

日本で唯一のリシャール・ミルの正規認定中古販売店である「NX ONE」では、希少なモデルや歴史的なモデル、入手不可能なユニークピースを手に入れることができる。それらは、リシャール・ミルの時計職人によって評価、認定、修復されており、信頼できるネットワークによって販売されている。

この取り組みにより、ブランド自身が値段も品質も保証することで、消費者からの信頼やブランドの価値を守ることができるという。不当な価格で転売されるようなケースも起こり得るなかで、安心して買い求めることができる正規認定中古店の存在は、今後ますます重要視されることになるだろう。

リシャール・ミル “ReLuxury” サステナビリティ(持続可能性) サーキュラーエコノミー(循環型経済)
「NX ONE GINZA」のリシャール・ミル正規認定中古販売エリア

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