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「ディオール」、秋冬 2022-2023 コレクションを発表。テクノロジーを融合した未来の服とは

ウィメンズ アーティスティック ディレクター、マリア・グラツィア・キウリによって新たな時代の幕を開けた「ディオール」の秋冬 2022-23 コレクション。

The Dior Autumn-Winter 2022-2023 Show

日本時間3月1日に、「ディオール」ウィメンズ アーティスティック ディレクターのマリア・グラツィア・キウリによる秋冬 2022-2023 コレクションが発表された。会場はこのコレクションのために用意された「The Next Era」と題した絵画のギャラリーで、手がけたのはイタリア人アーティストのマリエラ・ベティネスキ。会場に並ぶ肖像画の、切り取られ重ねて配置された目は、過去と現在における女性を取り巻く偏見に対する問いを投げかけるモチーフ。16〜19世紀の絵画史からインスピレーションを得た、大きな女性の肖像画が展示された空間にランウェイが設置された。

©Kristen Pelou

今回のショーは、フォルムや素材、サヴォワールフェール、そしてフューチャリスティックな技術を通して、体と洋服の関係を再構築することがコンセプト。ウェアからアクセサリーに至るまで、美的感覚とテクノロジーを融合させ、「ディオール」のヘリテージにオマージュを捧げた。

まず注目すべきは、アイコニックな「バー」ジャケットの再解釈。誕生当時のモデルに、高機能ウェアの研究・開発を行うスタートアップ企業であるD-Air labの先進的な技術を採用。体の表面湿度を管理し、必要時には温めるシステムが備わっている。蛍光色で彩られた動脈と静脈を想わせる装飾が施されたボディスーツには、温度を均一に保つ機能が装備されているという。

単体でも、組み合わせても着用できる、複数のポケットが付いたベルトや、アジャスタブルなレースコルセットはスタイリングのアクセントとして多くのルックに用いられた。バイカーの雰囲気を纏ったクチュールグローブも、エレガントなルックのモダンなエッセンスに。アイコニックな「レディ ディオール」も毎日の必需品を収納できるように形状が変化している。

スカートには”グリザイユ”と呼ばれるメンズのワードローブから取り入れたファブリックを採用し、新たな解釈が加えられた。見られる方向によって、ロング、ショート、プリーツのカットと形を変える仕立てが特徴。

ロジェ・ヴィヴィエがかつて「ディオール」のために製作したアイコニックなパンプスを、再解釈したアイテムも登場。高度な刺繍技術や、くるぶしのまわりに施されたテクニカルファブリックの切り替えは、類まれなるクラフツマンシップの代表例。テクニカルなニットウェアや、撥水素材、ナイロンそしてカシミアといった素材にも刺繍を施すことで、ハイブリッドなコレクションを完成させた。

“未来のシルエット”を創造するためにヘリテージを再考するという、ファッションの複雑性にアプローチした本コレクション。未来に向けて生み出される作品を形にする挑戦の舞台となった。

パリで行われたフィジカルショーには、リアーナをはじめとする多数のセレブリティが来場し、フロントロウに華を添えた。

アニャ・テイラー=ジョイ
ジス
マヤ・ホーク

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